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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第5章 インゴニア王国編
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第53話 デコルのダンジョン2F

ネオは、やってきたメリアの手を握ると

『魔法シールド』

を唱えた。

『いきなり・・・』

いきなり手を繋がれたメリアは顔を赤くした。


『離れると魔法の効果がなくなるにゃ』

そう、この魔法はネオと接している対象がアンディエットから見えなくなるらしい。何故、床は大丈夫なのかは謎である。

(どうせ、新人の神様のテキトウ設定だろうにゃ・・・)

ネオは、深く考えないことにした。


・・・


2Fは比較的広い空間であった。沢山の兵士の死体が転がっていた。

『これって・・・』

メリアの顔が青くなっている。

『お化けの兵士にやられたインゴニア王国の兵士だにゃ』

60体近くあるところを見ると、ほぼ全てなのだろう・・・。そして、彼らを襲ったはずのお化けの兵士は見当たらなかった。


『魔法シールドの効果なのでしょうか?』

『たぶんにゃ』

そういうと、倒れている兵士の様子を見る。全員が剣で切り殺されていた。そして、どの顔も驚愕といった表情になっていた。


『恐らく、こちらの攻撃はアンディエットには通じなかったのだろうにゃ』

『アンディエットだけど、剣での攻撃は出来る?ということですよね』

メリアは、何故、アンディエットが剣による攻撃が出来るのか謎であった。


ネオとメリアは、とりあえず先に進むことにした。兵士の数が多すぎてどうにもしてあげられないというのが本音である。少し行くと、道が左右に分かれていた、いつものとおり、右に行くと、

『これは・・・』

あまりの光景にメリアが声を上げた。

『墓地だにゃ』


そして、何とも異様なのは、インゴニアとも違う鎧を着た兵士たちが、ふわふわと空間に浮かんでいる。数百体はいると思われた。


ネオとメリアがこの兵士たちに近づいて行っても、なにも反応しないばかりか、振りぬけてしまう・・・。どうやら、侵入者がいないときは、実体を伴わないらしい。


墓石をよく見ると、1体ごとに埋葬したらしく、古代文明の文字で名前が書いてあった。


『ここに書いてあるのは名前なのですね』

メリアは古代文明文字が読めないので、ネオに確認している。


『そうにゃ』

『何故、こんなところに墓地が・・・』

墓地は、整然と並んでいて、およそ300ほどあった。


『ネオさん。あれ』

メリアが手を繋いでいない左腕を伸ばし、指さした先には、何故か小屋があった。そして、よく見ると、その周辺には畑が広がっていたのである。


『にゃんだあれは・・・いってみるかにゃ』


・・・


小屋の入り口には、木で作った看板があり

“ゴンドア仮王宮”

と古代文明文字で書いてあった。


『なんだかにゃ』

『なんて書いてあるのですか?』

古代文明文字が読めないメリアはネオに聞いてきた。


『ゴンドア仮王宮って書いてあるにゃ』

『ゴンドア仮王宮?』

メリアは小屋にそんな言葉が書いてあることが理解できなかった。一方、ネオは

(何かとっても嫌な予感がするにゃ。しかし、この中に入らないと、いけない気がするのにゃ・・・)


入り口の扉を開けると、何故か、部屋の中には明かりが灯っていた。


『ドアを閉めてください』

ネオをメリアは、聞いたこともない低い男の声を聴いた。


慌てて扉を閉めて声のした方を見ると、そこには高価そうな鎧を身につけた兵士が立っていた。


『この小屋に人が来たのは1000年ぶりです』

高価そうな鎧を身につけた兵士の言葉に、ネオとメリアは背中に寒いものが走ったような気がした。


『魔法シールドは、この小屋では効果がありませんよ』

そういわれてメリアと繋いでいた手を放し、魔法シールドを解除したが、お化けの兵士は小屋の外を浮遊しているだけで、入ってこなかった。


『私は、ゴンドアの近衛隊長をしているルダと申します』

そう言って、小屋の中にいた兵士はネオをメリアに深々と頭を下げた。


『訳がありそうだにゃ』

『はい。ございます。今から説明いたします』

そういうと、ルダは話始めた。


『今から1000年前、ゴンドアは魔物に襲われました。首都パラストアにも魔物が押し寄せ、我々は、王女様を伴って脱出しました。』

(パラストアって、アミアのあたりにあった古代文明の首都はずにゃ・・・)

『街道を北に脱出したのですが、デコルの街に入る手前で魔物の大群に囲まれてしまったのです。どこにも脱出先はありませんでした。そこで、軍の訓練施設であったこのダンジョンに逃げ込んだのです』

(そうか・・・ここは古代文明の軍施設だったのにゃ)

『ここは、強力な兵士を養成するため、レベル15以上のものに、軍で用意した魔物と闘わせて経験値を上げさせためのものでした』

『まさか・・・その魔物って』

思わず、メリアが口を挟んだ。


ヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)です』

『やっぱりにゃ』

『そうでしたか』

ネオとメリアの反応に、ルダは慌ててネオとメリアに手をかざして何かを唱えた。


『えっ!』

ルダが驚きを隠せないでいた。


『あなた方は、どうしてヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)の討伐実績があるのですか』

『ここにくる途中で彼らの巣を見つけてしまったのにゃ』


ネオの回答に更に驚いているルダがいた。

『ということは、ヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)を倒せるのですね』

『何とかにゃ』


『実は・・・。あの魔物は、ゴンドアが培養して作った魔物なのです』

『???』

ネオとメリアは意味が解らなかった。


『この施設を作るために専用に開発された魔物だったのですが、逃げ出してしまい・・・結果として大陸に溢れてしまったのです』

『まさか・・・』

『ゴンドアはヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)に滅ぼされてしまいました』


『にゃんと』

『えっ!!』

ネオとメリアの声が同時に響いた。


『この施設は、1Fは練習施設、2Fは待機スペース、3Fは強化施設になっています』

『ということは・・・』

『3Fのヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)を倒すとレベルアップ神が現れるようになっています』

『昔の人は、ダンジョンを作れたのですか?』

メリアがルダに聞いた、

『はい。兵士と冒険者のレベルアップを図るために作られたものでした』

ルダはそう言うと、少し悲しそうな顔をして、

『パラストアの近くに湖があると思います。あの近くに、レベル3にあげるダンジョンを作りました』

ネオとメリアは首を縦に振った。


『そして、大陸の各方面に駐屯させる兵士のレベルアップのため、レベル6まであげるダンジョンを管制所の下に作りました』

(シメ山のことだにゃ)

『これが上手くいったところでやめておけばよかったのですが、更なる力を得るために、この施設を作ったのです』

『パラストアの近くには、非公開のダンジョンがあり、ここをクリアすると、レベル15になります。但し、そのまま入っても、レベル6の人が最奥にたどり着けないようになっています』

(アミアのダンジョンのことだにゃ)

『そして、その更に上のレベルとして、このダンジョンが出来ました。ここの3Fでヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)を倒すとレベル20まで成長できることを確認済みなのです』

(では、どうして、古代文明はヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)に滅ぼされたのだろうかにゃ・・・倒せる人を養成できたはずにゃ?)


『この施設で、一握りの騎士をレベル20にしていたのですが、ヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)が施設の外部に逃げていました。彼らは、地中に巣をつくり、コロニーを形成するようです。それが、何等かの理由で、巣が地表に出てしまった結果、ヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)の大群に襲われたのです』


『つまりにゃ。ヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)を倒す人が実際にはほとんどいなかったにも関わらず、大量に発生してしまったからということかにゃ?』

ネオは、腕を組みながら、ルダを見る。


『そうです。王女様を護衛するものですら、レベル3がほとんどだったのです。なので、この施設に逃げ込んでも、3Fのヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)に勝つことは出来ず、施設ごと、地下に埋もれるしかなかったのです』


『どうして昨日になって、入り口が地上に現れたのかにゃ?』

ネオはなんとなく嫌な予感がしつつ、疑問をルダにぶつけてみた。


『詳しくはわかりません。ですが、このダンジョンは、ヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)にコントロールされています。誰かが、ヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)を刺激したようで、3Fにいるヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)の女王が一昨日の夜から異常に騒いでいました。そして、昨日の朝、大きな揺れがあり、何かに押し出されるようにダンジョン全体が盛り上がったと記憶しています。おそらく、昔の入り口部が地表に出てしまったのでしょう・・・なにせ、丘のようなドーム形状をしていましたので・・・』


(つまりだにゃ・・・俺が土魔法で、ヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)の巣に死体を無理やり詰めて蓋をした結果、このダンジョンが押し上げられたということかにゃ)


『コロニーはここ1000年の間に大増幅していると思われます。地上に溢れる機会があれば、地表にあるものを全て蹂躙してしまうでしょう・・・』


もはや、オークやオーガといったレベルではことが済まなくなっていた。古代文明が作ってしまったヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)を何とかしないとこの大陸がヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)に占領されるかもしれないということであった。


『ところで、どうしてルダは1000年も生きているのかにゃ?』

『いえ、生きているのではありません。他の兵士は、ヒャッケラキア(巨大ゴキブリ)に挑んだりしながら、死んでいき、アンディエットになって、2Fをさまよっています。私も実はアンディエットなのですが、王女様を仮死状態にする魔法を掛けた結果、誰かに私を倒してもらわないと、王女様が復活しなくなってしまったのです』

『それは・・・』

メリアが何か話そうとするのをルダが遮り、

『再び、王女様が地上で暮らせる日が訪れるまで、私の体を対価として仮死の魔法を掛けた結果です』

(そんな魔法があったのかにゃ)

驚くネオに、

『あなた方なら、3Fをクリアし、レベル20になれるはずです。そして、この奥に眠っておられる王女様であるシャールカ様を連れ出していただきたいのです』


『それは・・・』


『あなたは、対アンディエットの魔法を取得されてます。その魔法で、2Fのアンディエットを浄化していただければよいのです。今頃は、昨日犠牲になった兵士たちもアンディエットになっているはずなので・・・』


『そんなことをすれば、ルダも・・・』

ネオは言いかけた言葉をルダが遮り、

『そうするしかないのです。シャールカ様をよろしくお願いいたします』


そう言って奥の部屋の扉を開けた、奥には20歳くらいに見える女性がベットに寝ていた。


『こちらがシャールカ様で・・・』

((???))

ルダの様子がおかしくなっている。突然、床に倒れたと思ったら、再び立ち上がった途端、明らかにゾンビの状態でネオを狙い始めた。


『ひょっとして・・・』

メリアが何か言いかける


『エリア プリフィケーション』

ダンジョンの2Fを範囲としてネオは発動させた、ルダが浄化されていく。苦しそうだった顔が消える直前に穏やかになったように見えた。

さっきまで小屋の外側と遮断されたいたものがなくなっていたこともあって、ちゃんと小屋の外にも発動したことをネオは確信していた。


・・・


『誰もいませんね』

『いないにゃ』

ルダが消滅したのは確認していたが、小屋の外にいたお化けの兵士たちもいなくなっていた。昨日犠牲になったはずのインゴニア王国の兵士たちも、その装備品を残して消えていた。1Fのゴブリンが、これらの装備を装着する可能性が考えられたので、一旦、全てをアイテムボックスに回収した。

『まあ、これは、インゴニア王国に返すとしてにゃ・・・』


回収が終わったところで小屋に戻ってきてみると、小屋の奥から声がした


『誰かいないか!!』

王女シャールカ・・・どっかで聞いたような、聞かないようなん・・・。

次回は12/31の予定です。

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