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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
序章 転移?
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第4話 ロディア

ロディアは、ロディア国の首都です。

ロディアが見えてきた。街壁に囲われた街に城が頭をだしている。

『でっかいにゃ』

『そりゃ首都だからね』

オスターが答える。

『城があるということは、あそこに王様が居るんですかにゃ』

『昔はいたらしいがね』

シルバットがネオに顔を向けて答えた。

『じゃ、あの城は誰が住んでいるのかにゃ』

『今は誰もいないですよ』

ロイドが真顔で答える。

『王政は廃止になっていて、王様はいない。大統領が国を治めているが、城は観光用の施設だね』

オスターが補足した。一部は各地の領主が会議をする所になっている。

『王様はいないのに、領主はいるのかにゃ?』

不思議そうにするネオにロイドが説明を始めた。

『国内の領主様たちの会合で、大統領が選ばれる仕組みですよ』

『にゃるほど』

『ただし、首都は大統領直轄ということになっていて、大統領になった人が治めることになっているですよ』

実のところ、政治のことはさっぱりわからないネオであった・・・。


・・・


 4人はロディアの街門まで来た。ネオは面倒を防ぐため耳をフードで隠している。ネオ以外は冒険者ギルド発行のカードを見せるだけである。が、ネオは何も持っていない。オスターが門番に事情を説明すると、ネオは紙を渡された。

『これは、冒険者ギルドに行くための通行証。冒険者登録が終わるまで、他によってはいけないことになっている』

門番から説明を聞いたネオはこくこくと頷く。

『じゃ、まずは、冒険者ギルドに行こう』

オスターがいった。


・・・


冒険者ギルドは街の門からすぐのところにあった。街の外で活動する人が多いので、門の近くの方が都合がよいらしい。

中に入ると、左側にカウンター、右側が酒場になっていた。カウンターは特に担当というのはないらしい・・・。

『あの・・・冒険者登録をしたいのですがにゃ・・・』

ネオがカウンターの女性に声をかける。カウンターの女性はネオの顔を見て、

『魔物?なんでしゃべった?』

意味の解らんことを言って固まっている。

脇からオスターが

『耳が変わっているけど、人間ですよ』

奥から声がした。

『めずらしいな』

受付の女性は思わず振り向く。

『ギルマス』

『かまわん。登録はそのまま受け付けろ』

『はい』

女性にギルマスと言われた男はネオをまじまじ見たのち、

『初めて見た』

とだけ言って奥に戻っていった。


カウンターの女性は、紙を取り出し、

『必要事項を記載してください』

といってネオに紙を渡す。

『名前とスキルだけ?』

『はい。スキルは無ければ空欄でよいです』


ネオは名前の欄に“ネオ”とだけ書いて渡した。神特性魔法は伏せて方が良さそうだと思ったのだった。


紙を受け取った女性は、奥に消えていった。しばらくして戻ってくると、カードを渡してきた。

『これが冒険者用のカードです。F級からになります。ギルドの説明は必要ですか?』

というので、一応してもらった。内容は、オスター達が話してくれたものと変わらなかった。

『街に入るときに紙を渡されませんでしたか?』

というので、門番から渡された紙を渡す。


『確かに受け取りしました。この紙はギルドから門番に返却しておきます。これからはこのカードがあなたの身分証です。発行手数料として銅貨1枚なのですが・・・』


ネオはオスターから渡されていた、さっき倒した、スライムとゴブリンの魔石を取り出し、

『これを換金してください』

とだけ言った。

『わかりました。このままお待ちください』

しばらくして、戻ってきた女性は、銀貨を3枚出した。

『ゴブリンとスライムの魔石であることを確認しました。全部で銀貨3枚と銅貨1枚になります。カード発行手数料として銅貨1枚いただきますので、残り銀貨3枚となります』

ネオは銀貨を受け取った。見たことがないので、眺めていると、

『そんなにめずらしいですか?』

カウンターの女性に言われてしまった。慌てて一礼してネオは退散した。いつの間にかいなくなっていたオスターを含め、出口のところでオスター達3人が待ってくれていたので、逃げるようにギルドの外に出てきた。


『ネオには、お金の説明が必要だね』

オスターそういうと

『まずは宿に行こう』

ネオは3人の後をついていった。


・・・


『ここが、いつも使っている宿なんですよ』

ロイドがネオにささやいた。3階建てくらいのレンガ造りの建物で、入り口に

“冒険者の宿 女神亭”

という看板があった。


オスターとシルバットが中に入っていく。慌ててロイドと後続いて入ると、カウンターにいた男から声をかけられた。背は高いが、いかにも軟弱という感じの中年男である。

『1泊2食付きで1人銀貨3枚だよ』

『4人部屋ってある?』

『あるよ』

オスターと宿の男の間で会話が成立した。ネオもさっき受け取った銀貨3枚を渡す。周囲を見渡すが、女神らしき人間は見当たらない・・・。


『部屋の中で話そう』

オスターはそういうと部屋に向かって歩き出した。


・・・


まず、3人からこの世界の通貨について説明を受けた。

お金というものに縁の無かったネオであったが、

  金貨 :日本円に換算して10万円くらい

  小金貨:日本円に換算して1万円くらい

  銀貨 :日本円に換算して1000円くらい

  小銀貨:日本円に換算して100円くらい

  銅貨 :日本円に換算して10円くらい

ということであるらしいことを理解した。つまり、この宿は日本円で1泊2食付きで3000円くらい、冒険者カードの発行は10円くらいである。


『再発行時は、銀貨1枚とられるよ』

ロイドが身に覚えがあるのか、バツの悪そうに補足してきた。


『で、さっきの魔石だけど、あれはすごーい大金だからね。冒険者になったばかりであれを持ち込むと、どこから持ってきたのかと事件になるはず・・・』

オスターが話始めた。


(だからしまっておくように言われたのか・・・)


とりあえず、明日からギルドで依頼を受けて活動することにしよう。

ちょうどそこまで話したとき、

『夕食の準備ができました。皆さん食堂に来てください』

宿の男の声が響いた。


・・・


 食堂におりていくと、皆、順番にならんで、食事を受け取っていた。ネオもまねて、食事を受け取る。

 『今日は特製スープとパンだよ』

ネオがスープを覗くと、芋のようなものと、野菜のようなもの、そして、何かの肉のようなものが浮いているスープであった。パンは黒パンである。

何せ、人間としての食事はこれが初めてである。周りを見ると、パンは手でちぎって、スープにつけて食べている。スープの具はスプーンですくって食べているの見て真似ながら食べ始めると、

『ひょっとしてこういう食事って初めて?』

シルバットが聞いてきた。

『そうにゃ』

『やっぱり』

周りから見ても不自然だったのだろう。3人のネオを見る目が不自然だ。

『美味しい?』

『よくわからないにゃ』

『なんで』

『比較できるものがないからにゃ』

(なるほど・・・。)

ネオの答えにシルバットが妙に納得している。


『ネオさんが今まで食べたもので、一番美味しかったものって何ですか?』

ロイドが話に入ってきた。

『あじの干物にゃ』

『あじのひもの?』

3人の声が揃った

『あじという魚を干したものだそうにゃ。出来上がったものしか知らないから、元の姿を知らないのにゃ』

 ネオにとって、波高にもらったあじの干物以上の食事が思い出せなかったのである。


『魚はロディアでは手に入らないね』

オスターが真顔で答えた。


女神亭、決して、私(OPPA)が航空身体検査の視力検査で苦労したからではありません。

女神亭≒目が見亭

願望がちょっと・・・。

次回は17日の予定です。

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