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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第5章 インゴニア王国編
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第50.5話 インゴニア王宮

インゴニア王宮では・・・

ネオとメリアが冒険者ギルドでグシケ(ギルマス)と話しをしていたころ・・・。

『陛下、大変でございます』

明らかに肥満体の男が、デコルにある王宮を走っていた。


『ローベスどうしたのだ』

走ってきた男が飛び込んだ先には30歳くらいの男がいた。走ってきた男とは対照的に、瘦せており、身長は190㎝あった。この国ではかなり背の高い男である。


『陛下、一大事でごさいます』

ローベスと呼ばれた男は叫んだ。


『インゴニア王国の宰相である其方らしくもない』

ローベスに陛下と呼ばれたのは、背の高い痩せた男・・・。この男こそインゴニア王国国王である、グルバード・ド・インゴニアである。


『ローベス・ド・デコルニア、建国以来の事件発生をお伝えに来ました!!』

肥満体の男は、そこまでいうとひざをついてしまった。意図的ではなく、単に重すぎる体に脚が持たなかったのである。


『話せ!』

グルバード・ド・インゴニアは、多少呆れながらも、緊急事態であることは理解した。


『街壁外側・・・南門の近くにて・・・突如・・・丘が発生しました・・・』

息もたえだえ、ローベスが話だす。


『何!』

さすがに、グルバード・ド・インゴニア驚いた。


『丘の側面には入り口があり、地下に繋がっている模様です。現在、兵士が丘を取り囲んで警戒しております』


必死に話すローベスにグルバード・ド・インゴニアは、

『で、それがどうして建国以来の事件発生なのかな?』

既に冷静になっていた。

『はい、この地には古き言い伝えがあります。古代文明が魔物に襲われたとき、最後に立てこもったダンジョンの話です』

ローベスは少し落ち着いたのか、息が整ってきた。


『おう。その伝説なら余も知っておるぞ』

グルバード・ド・インゴニアも昔ばなしとして知っていた。


『そうです。その話には王家にのみ伝わる続きがあります。』

『なに?そんな話は知らんぞ』

ローベスの話に納得がいかないグルバード・ド・インゴニアである。国王が知らない王家のみに伝わる話があるなど、本来あってはならないはず・・・。


『はい、先王が亡くなる際、私に伝承されたものです。まだ陛下は幼かったので・・・』

『そうか・・・で、どのような話なのだ』

何故、今まで話してくれなかったのか、訝しんだグルバード・ド・インゴニアではあったが、話の中身を聞くことの方が重要と考えたのであった。


『再び、魔物がこの世界に現れるとき、ゴンドアの姫様が復活される。その時、魔物との闘いが始まるというものです』


グルバード・ド・インゴニアはしばらく声が出なかった。つまり、出現した丘にある洞窟が伝説のダンジョンであった場合、古代にあった王国の姫様がその中にいる可能性があるという内容はさすがに無理があった。


『ローベス。古代文明が崩壊したのは、1000年前のはずでは・・・人が1000年も生きているはずはないと思うのだが・・・』

グルバード・ド・インゴニアは常識人であった。


『はい。魔物に取り囲まれた古代文明の姫と兵士は、ダンジョンに立てこもり、今では伝えられていない魔法を用いたと聞いています』

ローベスは吹き出る汗を拭く暇もなく、話している。冷静さを失ったままである。


『わかった。兵士たちに洞窟を捜索させよ。そうすれば解るだろう』

半ば呆れながらグルバード・ド・インゴニアは指示を出した。


『ははっ~!!直ちに捜索隊を編成して調査させます』

そういうと、ローベスはフラフラしながらも走っていくのであった。


(あいつ・・・大丈夫か?)

グルバード・ド・インゴニアはローベスが走っていく姿を見ながら思っていた。


・・・


近衛隊を中心に、インゴニア王国の精鋭が30名ほど集められた。指揮は近衛隊隊長のイワンである。

『宰相殿、ちと大袈裟ではないのですか?』

イワンも姫様の話までは知らないので、昔のダンジョンかもしれないくらいに思っている次第である。古代に存在したダンジョンは今では失われていたので、インゴニア王国ではその存在を誰も知らなかった。更にアントラニア王国の情報は街道が通行止めであるため、情報がほとんど伝わってこなかった。その結果、アントラニア王国にいた人外の2名(オケライのオルトラ(ギルマス)とアミアのエルバート(ギルマス))のことは伝わっていなかった。この2人のことを知っていたのは冒険者ギルドのグシケ(ギルマス)くらいだったのである。もっとも、彼も最近発生している魔物の話やダンジョンについては、つい先ほど知ったばかりだったのだが・・・。


『用心に越したことはない。危険そうであればただちに撤収してほしい』

ローベスは大真面目である。


『了解です!』

イワンはそういうと隊員の方を向き、


『今から捜索に入る。ソルムの班が偵察に行ってこい』

『偵察してきます』

イワンに指名されたソルムは4名の部下と共に、洞窟に入っていった。


・・・


しばらくして、ソルムは部下と共に戻ってきた。

イワンの元にやってきて、敬礼した後


『洞窟の中は石の壁で仕切られたダンジョンになっています。少し歩くと、ゴブリンが5匹現れました。地上にいるゴブリンとほぼ同等と思われますが、リーダーらしきものがおり、そのゴブリンは剣を持っていました』

そういうと、ソルムはボロボロの剣をイワンに渡した。

『使い物になりそうにない剣だな。他に異常はなかったか』

『ダンジョン内は、どういう仕組みかわかりませんが照明があります。特に行動に支障はないと思われます』

そういうとソルムは再び敬礼した。


『ご苦労さん。では、これから、本体はダンジョンの探索を始める』

そういうと、ソルムを道案内として、イワン達30名は洞窟に入っていった。


(何か嫌な予感がする)

ローベスは漠然とした不安を感じていた。


・・・


半日後、捜索隊は誰も戻ってこなかった。

(おかしい・・・捜索隊に何かなければよいのだが)

丘の周囲を見張る兵士も、捜索隊が戻ってこないことに異常を感じ始めていた。


ローベスは2次捜索隊を編成した。捜索隊を探して見つけ次第、連れ戻すように指示して送り込んだ。


・・・


夕方、1人の兵士が慌てふためいて戻ってきた。2次捜索隊の兵士である。出てきた兵士を丘の周囲を見張っていた兵士の内2名が両脇を抱え、ローベスのところまで連れてきた。その様子から何か異常があったことは明らかだった。


『何があった』

ローベスの問いに


『ち・・・地下1Fはゴブリンしか出ないので大したことはないです。地下2Fに降りた途端、お化けの兵士が襲ってきて・・・こちらの攻撃は全く通じずに次々と倒され・・・全滅しました。私は、たまたま最後に地下2Fに降りたため、地下1Fに戻ってこれたのです。何とかゴブリンを躱しながら戻ってきました』

ここまで言ったところで、兵士は意識を失っていた。よく見ると、背中にゴブリンの剣が複数刺さった跡があった。1Fを戻ってくる途中で、躱しきれなかったものと思われた。

『このものを医務室へ・・・』

ローベスが兵士に指示しようとしたとき、


『既に死んでいます』

脇を抱えていた兵士が呟いた。


・・・


『・・・という状況です』

ローベスは王宮に戻り、グルバード・ド・インゴニアの執務室で報告をしていた。


『つまり、イワンはじめとする捜索隊30人と半日後、捜索隊を探しに行った2次捜索隊も全滅ということか?』

グルバード・ド・インゴニアは、予想しない結果にどうしていいのかわからなくなっていた。

『はい。間違いないです』

ローベスは悪い予感が的中してしまい、こちらもどうしていいのかわからなくなっていた。


『とにかく、洞窟入り口は厳重に警備しろ。誰も入れるな!』

グルバード・ド・インゴニアは、辛うじて残っていた知性を持ってローベスに指示をした。


『はい!』

慌てて出ていくローベスを見ながら、

(これはまずいことになったかも・・・)

グルバード・ド・インゴニアは思うのであった。


・・・


翌朝、軍関係者とローベス(宰相)で、緊急会議が行われた。

しかし、想定外のことに誰も発言しない。近衛隊長のイワンはダンジョンに入ったまま行方不明である。


沈黙が続く中、会議の書記を担当する文官が呟いた。

『いっそのこと冒険者ギルドに捜索のクエストを出したら・・・』


グルバード・ド・インゴニアの耳にその呟きが聞こえた。いや、聞こえてしまった。


『それだ。冒険者ギルドにダンジョン捜索の依頼を出せ!』

グルバード・ド・インゴニアの言葉にローベスが


『はい。直ちに!』

と言って、出ていってしまった。


(受ける冒険者がいるとは思えないが・・・)

出席していた皆が思ったが、陛下の指示に誰も声を上げることが出来なかった。

次回は12/28の予定です。

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