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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第4章 アミアのダンジョン編
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第46話 ノッスル

ちょっと長いです

『誰もいないですね』

『誰もいないにゃ。ついでに魔物もいないにゃ』

アミアから北に街道を煤で行くが、明らかに人が少なくなった。というより、街道に出てから、誰もいない状態が続いている。マレットさんの話によると、この街道はインゴニア王国の王都デコルまで続いているそうだ。ただ、この2国はあまり交流がなく、商人もほとんど往来しないらしい。アミアの北、約200kmのところにノッスルという街があるらしいが、何故かアミアともほとんど交流がなく、その実態は謎らしい。


『同じ国の中にしてはおかしい気がするのですが・・・』

インゴニア王国側は森林地帯らしく、近くに街はないらしい。少なくとも、冒険者ギルドは無いということだけは解っている。


『街全体が魔物の巣だったりしてにゃ』

『物騒なことを言わないでください。そうだったら怖いじゃないですか』


途中、街道脇で野営し、翌朝、街道を進んでいくと、


『街が見えます』

『魔物も反応もいっぱいにゃ』

『えっ?』

『そのままにゃ。異常なほど、沢山魔物がいる見たいにゃ』


しばらく眺めていたが、街の外に人らしきものは確認できなかった。

『にゃんか嫌な予感・・・』


・・・


街の入り口が見えるとこまで来ても、人の気配がしなかった。

『ひょっとして魔物に襲われたかにゃ?』

街の門にも人はなく、街の中にも人はいない。ネオの頭には、魔物の反応が街中に溢れている。

『これは、さっさと通り抜けたほうがよいにゃ』

幸い、アイテムボックスの中には、パンと干し肉など食料は沢山ある。1ヶ月くらいは、補給なしでも大丈夫であった。

警戒しながら街に入り、北の出口を目指す。本当は街に入りたくなかったのだが、街道が街の中を通っているので、迂回するのが面倒だった。


街の中心部らしきところまで来たところで、気配を感じたネオは、咄嗟にメリアを抱えて、右に跳び退いた。直後に何か魔力の塊のようなものが、ネオたちのいたところを通過していった。再び気配は迫ってくる。


『プリフィケーション』

気配に対して放った魔法は、気配を捕えたのか、消滅した。


『アンディエットだったのでしょうか?』

『なんか違うような気がするにゃ』


その後も、数回、同じような気配が現れ、そのたびに

『プリフィケーション』

を放って気配を消滅させていた。


・・・


ようやく、街の北門まで来たところ、門の前に沢山の魔物が待ち構えていた。

『簡単には行かせてもらえないようにゃ』

『あれは・・・何でしょうか?』

『ゾンビ?かにゃ。街の住人だった人みたいにゃ』

『えっ!』

その時、大量の人型アンディエットが一斉に襲ってきた。

『ちょっと量が多すぎにゃ』

ネオはそういうと、最大パワーで

『プリフィケーション』

を放った。

かなり広範囲のアンディエットが消滅したが、その何十倍もの大群が襲ってきた。


『逃げるにゃ!』

そういうと元来た道を走り出す。メリアも後に続いたが、このままでは、追い付かれるのは時間の問題に見えた。

『あいつら、体重がないから早いにゃ!』


その時、街道沿いの一件の扉が開いた。人のような影が手招きしている。不安であったが、他に選択肢がなかったネオとメリアは、手招きする家に飛び込んだ。


・・・


『ここはどこにゃ』

薄暗い家の中は、ごく普通の民家のように見えた。ネオとメリアが飛び込んだ直後、扉は閉じられたらしく、どういう訳かアンディエット達は入ってこなかった。


『ようこそノッスルへ』

ろうそくを手に持った初老と思われる男が現れた。


『私は、国境警備隊のアノードと申します』

アノードはノッスルで何か起きたのか説明を始めた。


『この街は、国境の街ですが特に産物はありません。農業と森での狩りを主な生活の糧としていました』

その言葉に頷くネオをメリア。

『ある日、この街に“トシミツ”という男が現れました。なんでも、ロディア国のある村から来たとかで、“ダイキチロウ”なるものを探しているといっておりました』

(どっかで聞いたような名前だにゃ)

『どうしても見つけるといって騒ぎ、仕方なく私たちが捕え、代官のところに連れていきました』

『彼は、代官に会うなり、“ダイキチロウ”を隠すとはけしからん、早々に引き渡せ とわめき、代官は処置なしと判断して、代官の御屋敷にある牢獄に入れたのです』

私は、国境警備の報告のためにアミアに向かったのですが、戻ってみると、街の住人が皆、ゾンビという名のアンディエットになっていたのです。』


『ひょっとして、牢獄というのはここから西にちょっと行ったあたりだったするかにゃ』

ネオは、少し西にあたりから異常に強い魔力を感じていた。


『はい、そうです。どうしてわかるのですか?』

『ここから少し西にある場所から異常に強い魔力が出ているにゃ』


『魔力を使って、無理やりゾンビにしているのにゃ』

『でも、それなら、アノードさんや私たちは大丈夫なんでしょう?』

ネオはアノードを見て、

『アノードさん、アミアのダンジョンのことを知っているにゃ』

『なんでそれを・・・もしやエルバートと・・・』

ネオの問いに明らかに動揺しているアノードを見て

エルバート(ギルマス)もオケライのオルトラ(ギルマス)も知っているにゃ。お前もレベル12もあるにゃ』


ネオに言われて、アノードは、がっくりと首を垂れた。

『そうです。私も、エルバートやオルトラと同じ師匠の弟子です。』

ここでようやくメリアは気が付いた。

『レベルが高い人は効かないということですか?』


『たぶんにゃ』

ネオがメリアに答えた。


『ということは・・・』

アノードが何か言いかけたのをネオは遮り、

『レベル16とレベル15にゃ』

そういって、サムズアップして見せた。


・・・


『なるほど、レベルが高いと効かないということですか・・・』

アノードは半信半疑といった感じである。


『ならば、“トシミツ”倒せば彼らはもとに戻る?』

アノードはネオに質問し始めた。

『それはわからないにゃ。だが、少ないにせよ、この街はアミアとの往来があったのではないかにゃ』

『それはありました』

『だが、アミアからここまで、誰にもすれ違わなかったのにゃ』

『えっ!』

『恐らく、ここに近づいたものはゾンビになってしまっているのにゃ』

『では、軍が来ても・・・』

『ゾンビが増えるだけにゃ』

アノードが頭を抱え始めた。

『どうしたにゃ』

『実は、先ほどアミアに伝書鳩を飛ばし、救援を頼んだのです』

アノードは、代官が飼育していた緊急用の伝書鳩を見つけて持ち帰り、救援を依頼する書状をつけて放ったそうだ。

『鳩がどれくらいでアミアに着くか知らないのですが、7日もすれば軍が来ると思います』

『それはマズイにゃ』

今の状態でアミアから軍が来てもまず、間違いなく全てゾンビになってしまう。例外はエルバート(ギルマス)だけだろう。エルバートは軍にいないので来ないだろうが・・・。


『代官の屋敷に向かうしかないにゃ』

そういうネオに対して、

『ゾンビが多すぎて無理です』

『レベル差があってもですか?』

ここまで黙っていたメリアが聞いてきた。

『私の部下たちもゾンビになっています。彼らは組織的に戦うことを訓練してきました。私でも集団になった彼らには敵いません』

『にゃんと!』


『それに、“トシミツ”は防衛用の魔道具を使ったと思われるのです』

『まどうぐ?』

『まどうぐ?にゃ』

思わず、ネオとメリアの声が揃ってしまった。


『はい。魔道具です。万一、敵が攻めてきて、我々で手に負えない場合、発動するように言われていた魔道具です』

『誰からにゃ』

『ゲルド・ド・イスタール閣下からです』

(ということは、アミアからの軍はこないにゃ)


・・・


どうにもならないので、とりあえず食事をすることにした。といっても、アイテムボックスあったパンと干し肉である。

アノードにも渡して3人で食べながら

『でも、どうしてこの家にはゾンビが襲ってこないのかにゃ?』

『・・・』

アノードの様子がおかしい。目が泳いでいる。何かを隠しているとしか思えない。

しかし他にゾンビへの対抗手段もないので、ネオとメリアは黙っていることにした。


・・・


夜中、アノードが寝てしまったのを確認してから、彼の部屋に入る。意外なことに、その部屋には本が沢山あった。ネオが表紙を確認すると

(魔法強化マニュアル、広域魔法教本、対アンディエット魔法研究・・・)

『参考になりそうな本ばかりだにゃ』

『でも、どうして何も言わなかったのでしょう』


面倒だったので、ネオはいきなりアノードを縛り上げ、天井の柱に吊るした。

『何をする!裏切者!』

アノードが吠えている。

『この部屋にある本は誰のにゃ』

『・・・』

結局、何を言ってもアノードは答えない。何か隠しているのは明白だった。


仕方がないので、そのままにして、本を調べ始める。開いてみたが、中は全く読めない文字と記号であった。

(ひょっとして・・・)

全てのページを開いた後、本を閉じると本は突然燃えだし、そして何故か灰も残さず消えた。

(やっぱり・・・にゃ)

この姿を見てメリアも真似してみるが、彼女がやっても本は燃えることはなかった。

(魔法の適正があるものに知識を与えるためのものにゃ)

ネオは、ひたすら本をめくり、知識を吸収していった・・・。


・・・


明け方、全ての本を読み終わったネオはメリアを起こそうとしたが、疲労のせいか、全く起きなかった。吊るされているアノードも同様である。

(試しに・・・とにゃ)


『パラライズ』

アノードに向かって何か光るものが飛んで行った。アノードの体が一瞬硬直するように反応した後、死んだように動かなくなった。ネオは、アノードの心臓に手をあててみる。

(心臓は止まっていない。成功にゃ)


ネオは隠れていた家を出て、魔力の高い地点を目指して移動していった。

途中、ゾンビに何回であったが、何故か、ゾンビはネオに反応しない。

(この魔法シールドというのは効果的みたいにゃ)

本にあった知識で得た魔法シールドによって、ゾンビからネオは見えなくなっているらしい。正確にいうと、反応しなくなっているだけらしいのだが・・・。


代官屋敷と思われるところに来ると、一人の男が、何かを大事そうに抱えながら食事中であった。

『不可視フィールド!』

ネオは更に何か唱えたのち、食事中の男に近づいていく。食事中の男は、ネオに全く気がついていないらしく、食事を続けている。

『謎の魔道具を奪って使ってみたら、皆、ゾンビになってしまったな。おまけに、俺の言う通りに動きやがる。便利便利~♪』

どうやら、この男が問題の魔道具を発動させたらしい。どうやって入手したのかは謎であるが・・・。

(見覚えがあるにゃ)


『ホーリーアロー』

パワー最大で放った魔法は、魔道具に直撃、魔道具は爆発して跡形もなく砕け散った。

食事をしていた男は、驚いてあたりを見渡している。どうやら、まだネオは見つけられないらしい。


『エリア プリフィケーション』

続いてネオは、この街のサイズに相当する範囲に対して『プリフィケーション』を発動した。先ほど得た本の知識で、広範囲で発動する方法を応用したのである。


『誰だ!!』

食事をしていた男が声を上げた。周囲にいたゾンビが皆消滅していたからである。


ここで、全ての魔法を解除してネオは、男の前に姿を現した。

『久しぶりですにゃ。村長さん』


そう、この男こそ、ウォーターマウンテンの村長“トシミツ”であった。

『お前は・・・』

『思い出したかにゃ』

トシミツの顔が驚愕に包まれている。

『どうしてこんなこところに・・・』

トシミツが何か言っている。

『それはこっちが聞きたいにゃ。村長が村を出て何しているのにゃ』

『お前には関係ない』

(絶対何か隠しているにゃ)

トシミツの顔が恐怖で青ざめているのを確認したネオは


『“ダイキチロウ”はアミアで倒したにゃ』

『何!』

明らかにトシミツの反応がおかしい。喧嘩別れした相手にそんなに動揺するはずがないはず・・・。

『この街のゾンビは全て成仏させたにゃ』


ネオがそこまで話した時、背後にかすかな殺意を感じたネオは、咄嗟に

『シールド』

を張った。直後に何かがネオ目掛けて飛んできたらしく、シールドに跳ね返されていた。

(にゃるほど)


『ネオといったな。残念ながらここまでだ。魔法シールドとシールドは同時に張れないからな』

背後にいたのはアノードであった。手に2つの魔道具を持っている。どうやら、魔法攻撃と物理攻撃をするものらしい。同時に打ってこられると、どちらかは防げないということだ。

アノードを見たトシミツはにやけている。


『一体どういうことなのかにゃ?』

ネオは観念した振りをして聞いてみた。


『ハハハ。冥土の土産に教えてやろう。この世界は、以前、魔物によって文明が滅んでいる。実は、その力を封印していたものがウォーターマウンテンにあったのだよ』

トシミツは楽しそうに言った。


『魔物発生装置かにゃ?』

『そんなものではない。この大陸に眠っている瘴気というものを魔物に変換する装置だ』

『そんなものを使ったら、皆、死んでしまうのではないのかにゃ?』

『そうだ。だから、それを使って、各国を脅してこの世界の王になるはずだったのだよ』

(なんと幼稚な発想にゃんだか・・・)

トシミツのあまりに幼稚な発言に呆れるネオであった。


『“ダイキチロウ”に持たせて、アミアに行かせてみたのだ』

トシミツが更に話し出した。


『奴は、アミアに行って王国を脅すことになっていた』

『そんなことをしていた感じではなかったがにゃ』

トシミツの発言にネオが答える。


ここで、背後から声が聞こえてきた

『そうさ。装置をおれが預かったのち、悪酒中毒にしたからな』

アノードは楽しそうにいった。


『にゃるほど』

悪酒をアミアにばら撒いていいたダイキチロウ自身も悪酒の中毒だったらしい・・・。

(元々おかしいやつだったのか、悪酒でおかしくなったのか、見分けがつかなかったにゃ)

アノードのその言葉を聞いてトシミツが怒っている、顔が真っ赤だ。


『いつまでも奴が結果を出さないので様子を探ったとこころ、この街に装置を預けたことまでは掴んだのでな、代官に話をつけようとしたら投獄しおったので、脱獄して緊急時発動と書いてあった魔道具を動かしたのだ』

トシミツはそこまで言うとアノードを睨みつけている。トシミツとアノードも敵対関係であることは間違いないらしい。


『俺が壊したやつにゃ』

ネオの言葉にアノードの顔がにやけた。

『俺は魔法が使えなかった。なので、こいつがゾンビだらけにした街で対抗手段がなかったのさ・・・』

『アノードはあの魔道具が何をするのか知らなかったのかにゃ?』

『ああ、知らなかったよ。まさかあんな自爆兵器だとは・・・この国には愛想が尽きたね』

アノードはアントラニア王国の兵士のはずだが、魔道具は、街の住人、兵士を犠牲にするものだったことに怒りが収まらないらしい。

(つまり・・・魔物発生装置を回収しないと面倒になるってことにゃ)


『瘴気というものを魔物に変換する装置か・・・見てみたいにゃ』

『ハハハ。それは無理だ。俺の家の中にあるからな』

その時、トシミツが何かをアノードに投げた。だが、アノードは難なく避ける。

『そこの阿保。さっさと死ね』

そういうと、アノードは右手に持っていた魔道具をかざした。雷のようなものがトシミツに飛ぶ。トシミツは避けることも出来ずに炭になった。


『さて、邪魔者は消えた。ネオといったな、死んでもらうよ・・・』

『パラライズ』

アノードがしゃべっている隙に唱えた呪文によってアノードは倒れた。状態異常を起こす魔法だそうなので、時間が経つと回復するらしい。痙攣しているアノード目掛け、

『ホーリーアロー』

で矢を放ち、心臓に突き刺した。

(お前が話終わるまで待っている訳にゃいだろうが・・・)


・・・


アノードの家に戻るとメリアはまだ寝ていた。どうやらアノードはメリアの存在を忘れていたらしい。

(阿保ばかりだったのが幸いしたというのかにゃ・・・)


アノードを縛っていたロープは、何故か、一部焦げていた。

昨夜持ち込んでいたランプの灯がロープに燃え移ったらしく、結果、アノードはロープからから解放されたらしい・・・。

(自分で、危険を増やしてしまったかにゃ)


しかし、いくら探してもアノードが言っていた装置らしきものは見つからなかった。

(ひょっとしてここは、オルトラ、エルバートそして、アノードの師匠が持っていたものだったのかもにゃ・・・)

今となっては確かめようもないことを考えるネオであった。


・・・


『メリア』

ネオはメリアを起こすと、出発の準備をさせた。


『あの・・・ゾンビは?』

『全てやっつけたにゃ。アノードもトシミツも悪党だったので倒したのにゃ』

『???・・・後で詳しく教えてくださいね』

メリアは何か察してくれたらしい。


アノードの家を出たあと、アノードの家に向かって

『ホーリーボール』

を放った。

(見つからないなら家ごと破壊してしまうに限るにゃ)


特大の魔力で放ったボールは、アノードの家にあたった途端、大爆発を起こした。キノコ雲が出来るほどの威力で周囲は跡形もなくなっている。


『ま、たぶん大丈夫にゃろ』

ネオはメリアと連れて街道を北に向かった。

瘴気というものを魔物に変換する装置・・・何ものなのでしょう。

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