第38.5話 ゲルド・ド・イスタールの報告
アントラニア王国の王宮では・・・
短いです。
次回は11/13の予定です。
ゲルド・ド・イスタール《アントラニア王国の宰相》は、アルガソード・フォン・アントラニア《アントラニア王国王》に報告をしていた。
『ロディア国のガロータが魔物に襲われ、壊滅したようです』
『なに!』
ゲルドの報告にアルガソードは動揺していた。先日、メストが襲われたばかりだったからだ。アルガソードの知る限り、この国の歴史において、魔物に襲われて街が壊滅したという記録はない。
『このようなことは、過去にもあったのか?』
思わず、ゲルドに聞きただしていた。
『はい。古き言い伝えによりますと、魔物に襲われて古代文明が滅びたと伝わっております』
ゲルドはすまして答えたが、
『そんな、おとぎ話はどうでもよい。我が国の記録にあるのか?』
『ございません』
アルガソードの問いにゲルドが答えた。
『では・・・』
途中まで言いかけて言葉に詰まるアルガソード。
『しばらく様子を見る必要があるとは思いますが、最悪の場合、古き言い伝えの再来を覚悟しなくてはならないかもしれません』
ゲルドはあくまでも冷静だった。
『対策はあるのか?』
アルガソードはゲルドに尋ねる・・・が、その目は明らかに絶望的だと思っている死んだ目であった。
『ございません。今の戦力では魔物に太刀打ちできません』
『防ぐ方法はないのか』
『わかりません』
真っ青になっているアルガソードに対して、ゲルドは冷静を保っていた。
『メストで魔物を倒したネオのように、兵士を強化するしかないでしょう・・・』
『可能か?』
『我が国にも、オルトラとエルバートのように、人外の力を得たものがおります。我が国の兵士にも、その力があれば防げるかもしれません』
無言で聞いているアルガソードに対して、
『オケライにいるオルトラは、ネオとメリアにエルバートから悪酒事件の捜査を依頼したようです』
『“ダイキチロウ”とかいう奴の事件じゃな。酒が危なくて飲めないというのは困るぞ』
アルガソードにとっては、悪酒によって酒を禁止されているのが堪えているらしい。
ゲルドは咳払いをしたのち、
『王宮を出たのちの、ネオとメリアの行動を調べた限りでは、南西の森に何かあるようです。2人を尾行していた隠密が、森の中で彼らを見失っています』
『オルトラもエルバートもレベルの秘密は教えてないと言っているしな。無理に言わせようとすると、何かしでかすか分からんし・・・』
アルガソードはつぶやいていた。
ゲルドは、そんなアルガソードを見ながら
『アミアにいる3人のA級冒険者が、泥酔死体としてアミア郊外で発見されております。また、数名のB級冒険者が行方不明になっています。恐らく、あの森のどこかにダンジョンがあって、そこに入ったものと推察します』
といって、報告を終了した。
しばらく、無言でいたアルガソードであったが
『森を捜索して、ダンジョンを探せ。口実は“ダイキチロウ”の捜索だ。冒険者ギルドはダンジョンについて報告しそうにないようだ。なので、騎士団を投入しろ』
『仰せのままに』
ゲルドはそういうと、国王の執務室を退席していった。
ダンジョンを見つけても、そのままでは最奥にたどり着かないでしょうねえ・・・多分。




