第37話 冒険者の宿 湖畔
短いです
(本当に金貨100枚になったにゃ)
新人の神様にもらった魔石は、金貨100枚になった。そろそろ新しい剣でもと思っていたネオであったが、エルバート曰く、ダンジョン2Fで手に入る“トカゲの剣”より上等な剣はアミアにはないらしい。パンと干し肉は十分あったので、途中、水を1樽購入してアイテムボックスに入れた(もちろん、入れるときは人目のつかないとこでこっそりと・・・)。ダンジョンは明日から行くとして、ギルドに教えてもらった宿に向かう。
・・・
『ここみたいです』
メリアが建物を指さした。3階建てくらいのちょっと古そうな建物だ。入り口には小さな看板があった。
“冒険者の宿 湖畔”
どう見ても、湖など近くになさそうである。
中に入ると、メリアと同じくらいの女の子が、掃除をしていた。
『いらっしゃい。宿泊ですか?』
女の子は拭き掃除をしていた雑巾をバケツに入れてから、カウンターにやってきた。
『2人にゃ。但し部屋は別々にゃ』
『一人1泊2食付きで銀貨5枚です』
銀貨10枚を渡すと、鍵を2つ出して、
『2階の一番奥の部屋です。夕食にエールはいかがですか?お安くしておきますよ』
『酒は飲まないのにゃ』
ネオの返事にがっくりとする女の子、明らかに普通ではない様子に
『何かあったのかにゃ』
『有った何でもんじゃないわよ。“ダイキチロウ”とかいう阿保のせいで、みんな警戒して酒を飲んでくれないのよ。大打撃なんだから・・・』
悪酒が出回ったせいで、皆、怖くなって酒を飲めなくなっているらしい。悪酒は安いので、混ぜられる可能性があるかららしい・・・。
そうはいっても、元々酒を飲まないネオと10歳のメリアはどうすることも出来ず、仕方がないので、話題を変えてみることにした。
『つかぬことを聞くが、この宿の名前、何で湖畔なんだにゃ?』
『えっとね。私のご先祖様は、湖の近くに住んでいたらしいの。だけど、湖が枯れちゃって生活できなくなって、アミアに移住したらしいの・・・』
説明を始める女の子の後ろから声がした。
『コレット、余計なことをしゃべらなくていい』
厨房にいたらしい、中年男が現れた。
『もう少しで夕食が出来るから、部屋で待っててくれ』
男はそういうと、厨房に戻っていった。
『・・・』
『ごめんね。湖の話をすると、お父さんの機嫌が悪くなるの』
小声で謝るコレットであった。
・・・
(にゃんか変だにゃあ・・・)
部屋に入ったネオはベットにダイブした後、さっきの様子を思い出していた。メリアは、別室で休んでもらっている。
(ひょっとしてアミア橋から見えた川跡の先にあったんじゃないのか・・・)
馬車から見た、護岸工事のされた川跡を思い出していた。
『食事の準備が出来たそうです』
メリアが部屋にやってきた。あまり客がいないらしく、コレットが部屋まで伝えに来てくれたらしい。
『A級冒険者が揃って行方不明では、他の冒険者もビビるかにゃ・・・』
『???どうしました』
ネオがブツブツ言っているので、メリアが心配そうにのぞき込んでいる。
『何でもないのにゃ』
・・・
食事は、パンと肉と野菜の浮いたスープであった。干し肉が木片のように見える。
『他とあまり変わらないですね』
メリアも特に思うところがなかったのか、黙々と食べている。周囲を見渡しても宿泊者が少ないのか、空席のテーブルの方が多い。
『明日はダンジョンにいくにゃ』
湖がないのに湖畔とは・・・
次回は11/6予定です。




