表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第3章 アントラニア王国への道
39/189

第35話 ブジェと王宮

連れていかれた先は・・・

 ネオが持ってきた角ウサギの肉は、騎士たちによって解体、串焼きにされた。騎士たちは、ネオが持ってきたウサギを“角ウサギ”といっていたので、2角ウサギのことを聞いてみたが、誰も2角ウサギのことを知らなかった。


『2角ウサギって貴重なのかにゃ?』

隣で串焼きを頬張っているメリアに話かけると

『不味いので嫌いです』

とだけ言って串焼きを食べるのに専念していた。珍しくても、美味しくないのはだめらしい・・・。


・・・


ちょっと長くなってしまった昼休憩を取り返すべく、馬車は街道をかけていた。

『今日はブジェで泊まります』

午後3時の休憩時に、ネオに騎士が言ってきた。

『一気にアミアに行かないのかにゃ』

『はい。ブジェで1泊して、明日の昼にアミアに入りします』

『解ったにゃ』

急ぐわけでないが、歩いたほうが早いと思っているネオであった。


・・・


夕方、馬車はブジェについた。街道沿いの村であるが、宿は数件あるらしい。ネオたちは何もしないうちに騎士たちが用意した宿に泊まることになった。当然の流れとして、夕食は騎士たちと食べることになった。

『この村のすぐ北には、アミア橋という大きな橋があります』

騎士がブジェ周辺の話を始めた。


『川でもあるのかにゃ』

『いえ、この村のすぐ北には東西に長い谷があるのです。西はローラシア山脈まで続き、東はここから20kmいったところで大きく広がって終わっています』

あまり興味のなかったネオとメリアは、夕食を食べるのに専念するのだった。


・・・


翌朝、朝食後、馬車はゆっくり出発した。明らかに昨日よりゆっくりである。

村を出ると、昨日、食事中に聞いた“アミア橋”を渡る。馬車がそのまますれ違えるほどの広さを持った橋であったが、

『コンクリート製?』

ネオは詳しくなかったが、橋は、木でも石でもなく、コンクリートで出来ていた。さらに、谷を覗いてみると

『これは川跡ではないのかにゃ?』

と思わずいってしまった。熊本空港の周りには川が近くになかったが、一度、山を下りていった先にある川まで行ったことがあった(熊本空港は標高632mあり、肥後大津町方面に降りていくと白川がある)。ネオが見たのは、護岸工事のされた白川そっくりに見えたのである(ただし水は流れていない)。


『川ですか?』

メリアが謎と言わんばかりにネオを見ている。この日、同乗していた騎士が


『谷の両岸に規則性のある石が並んでいるので、何かの遺跡だと言われています。この橋も古代遺跡なのだそうです』

この世界にはコンクリートはないらしい。


・・・


馬車はアミアが見えるとこまで来た。大きな壁が街を囲っている。が、その右に、明らかに不自然な一本の舗装された道があった。脇には塔が立っている。

(滑走路にしか見えないにゃ)


驚いて見ているネオを見た騎士が、

『あれは、古代遺跡らしいのです。何に使うのかわかりません。ですが、あの道は、とても硬い舗装がされていています。どういう訳か、南には36、北には18と道に書いてあります』

と説明をしてくれた。

(恐らく、脇にある塔は管制塔だろうにゃ)


・・・


街壁にある門では何も確認されることもなく、そのまま通過していった。騎士が護衛しているので、当然の結果であった。

『冒険者ギルドで降ろして欲しいのにゃ』

ただ、アミアまで連れて行ってくれるだけだと思っていたネオは、オケライのオルトラ(ギルマス)に依頼された内容を確認しようと思っていた。


『それは無理です。王宮に来ていただきます』

『にゃんで?』

『メストを魔物から救っていただいた英雄として、国王に謁見していただきます』

『にゃんで~!!』

脇では、残念のものを見たような顔をしたメリアがため息をついていた。


・・・


街の中心部分に城があり、城を囲むように城壁があった。馬車はここでも止められることもなく城内に入っていく。

『城なんて初めてです・・・』

メリアは少々緊張気味である。

城の庭を過ぎた先で馬車は止まった。騎士に促されて馬車を降りると、騎士団のお出迎えであった。

(???)

1人の老人がネオに近づいてきた。豪華な装飾がついた服を着ているので、きっと偉い人なのだろう。やってきた老人はネオに話しかけてきた


『私は、アントラニア王国宰相、ゲルド・ド・イスタールである。メストを魔物から救ったこと大変大儀であった』


偉い人らしいのだが、偉そうな態度が何か気にいらないネオは

『たまたまにゃ、早く、冒険者ギルドに行きたいのにゃ』

早く、ここ(城内)から出ていきたいネオであった。


『陛下が謁見を許すと仰せだ。今から来てもらうぞ』

ネオの話を聞く気がない宰相であった。さすがに、ここで無理やり出ていこうとすると面倒になりそうなので、仕方なく宰相の後をついていくネオとメリアであった。


・・・


『こんな格好で陛下にお会いしてもよいのでしょうか?』

メリアが控室と言われて連れて枯れた部屋にいたメイドに話しかけている。


『陛下は庶民の見かけには拘らないです』

話掛けられたメイドはメリアに答えている。本心なのか、そういうように指示されているのかは解らなかった。

『面倒なことになったにゃ』

さすがに、耳を隠すフードは取らないといけないらしい・・・。面倒が起こる予感しかしなかったネオであった。


・・・


騎士(近衛騎士らしい)が迎えに来て、連れて枯れた先は、大きなホールのようなところであった。まっすぐに絨毯がひかれており、その先には豪華な椅子があった。先導する騎士について絨毯の上をネオとメリアは歩いていった。


『ここで待っていているように』

そういうと、騎士は右側に並んでいた他の騎士の脇に行ってしまった。フードはそのままである。


『陛下の御成り~!!』

どこからか妙な声が聞こえたかと思うと、ホールの右側の扉があき、派手な服を着た老人が歩いてきた。隣には、さっき会った宰相がいる。ネオは周りの人がしているのを真似してお辞儀をしていた

(面倒だにゃ)

しばらくして国王が椅子に座ったらしい。


『ネオとメリアだったな、面を上げよ』

図太い声が聞こえてきた。


ネオがお辞儀をやめて正面を見ると、やや、小太りの老人が豪華な衣装を着て、頭に重そうな冠をつけているのを見た。

(あれが、王様かにゃ)

隣では、メリアが緊張しているのか、強張った表情で前を見ていた。


『余は、アントラニア王国王、アルガソード・フォン・アントラニアである』

ネオは受け答えの方法を知らないので黙っていると

『メストを魔物から救ってくれたと聞いておる。相違ないか?』

国王がしびれを切らして聞いてきた、


『街に向かって走ってきた、オーガとオークを退治しましたがにゃ・・・』


ネオはいつもの調子に答え始めた。周囲から刺すような目線がネオに注がれている。それを見た国王は、


『お前はこの国のものではないらしいが、どこの国から来たのだ』


ネオの服装と態度から察したらしい。


『新人の神様にこの世界に連れてこられたのにゃ』

『なんと!!』

これには、国王も宰相はじめ周囲にいたものも驚いたらしい。


『では、お前は、この世界の人ではないというのだな』

『ハイにゃ』

ネオはフードを外した。猫耳があらわになる。メリアを除く、この部屋全てのものがネオの猫耳に驚いている。


『おお、お前は魔物の子か?』

『違いますにゃ、私は猫ですにゃ』

『ねこ?』

この世界には猫はいないので、猫という生き物を誰も理解できなかった。


『確かに我々の全く知らない見た目だが、この国に来た目的はなんだ』

『新人の神様に行くように言われたからで、途中、オケライで冒険者ギルドの依頼を受けたのにゃ』

国王の問いにネオは正直に答えたのだが・・・

『シンジンノカミサマ?誰だそれは?』

当然、理解されなかった。


『俺をこの世界に勝手に連れてきた神様だにゃ』

『・・・』

『・・・』

しばらくの沈黙の後、


『素性はよくわからないが、我が国に害をなすものではないらしい・・・メストを救った褒美をやろう。何か希望はあるか?』


沈黙に耐えきれなかったのか、国王は話を進め始めた。

『冒険者ギルドに行きたいのにゃ。どこにあるのか教えてほしいのにゃ』

褒美の意味を理解してないネオであった。


『・・・解った。お前には、この国内を自由に移動することを認める。全ての街に入る権利を与える。誰か冒険者ギルドまで送ってやるように』


そういうと、アントラニア王国王、アルガソード・フォン・アントラニアは、逃げるように出ていった。

(これで冒険者ギルドにいけそうだにゃ)


・・・


宰相に連れられて、別の部屋に行ったネオとメリアは宰相から袋を渡された。

『これは僅かだが、この国からの礼じゃ。冒険者ギルドには馬車で送る』

そういうと、宰相、ゲルド・ド・イスタールは去っていった。

ネオが袋の中を見ると、金貨が入っていた。

(よくわからんが、大金を貰ってしまったらしいにゃ)

入れ替わるようにやってきた騎士(初めて見た騎士)に連れられて、言われるがまま馬車に乗せられると、馬車は城を出て街の南にある冒険者ギルドまで移動し、ネオとメリアを降ろしたのち城に戻っていった。


・・・


(城内で・・・)

『陛下、あの冒険者は、あのまま放置してよかったのですか?』

宰相、ゲルド・ド・イスタールは、国王の執務室で話しかけていた。もちろん、相手は、アントラニア王国王、アルガソード・フォン・アントラニアである。

『ネオといったな。我が国に敵対するようなものではなさそうだが、得体が知れぬ。迂闊に手を出してはいけない予感がしたのだ』

どうやら、この国王、ネオに無理を言うことは危険と本能的に感じたらしい。しかし、

『オケライで何を依頼されたのか調べよ。そして、ネオの様子を監視せよ』

『仰せのままに』

宰相はそういうと、国王の執務室を退席していった。


アミアには滑走路があったらしい・・・。

次回は11/3の予定です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ