第31話 国境
『あの人たち大丈夫でしょうか』
メリアが歩きながら何やら言っている。おそらく、シャノン達のことを言っているのだろうが・・・
『どうにもならないのにゃ』
(あれ以上いても、どうにもできないのにゃ。ロディアから救援がくるまで耐えてもらうしかないのにゃ)
魔物たちは南に行ったらしい。確か南にはラーバとかいう村があったはずなのだが、追いかけたところで間に合う訳もない。
『東にいくのにゃ』
・・・
途中、魔物はまったく出てこなかった。魔物暴走が発生すると、周辺の魔物が一定期間、見かけなくなるらしい・・・これも以前、オスターに教わった知識である。
(やっぱり魔物はいないのにゃ)
幸い、アイテムボックスにパンのストックがあるので、すぐには困らないが・・・。
30kmほど行った先ににある、ニコレッツを目指していた。
・・・
『ガロータの街は大丈夫か?』
ニコレッツの街に立っている兵士にネオは呼び止められていた。
『街はやられてしまったにゃ』
嘘をいうわけにもいかないので、一言だけ言って急いでと通り抜ける。
『おいちょっと待て』
兵士はもっと聞き出そうと思ったのかネオ立ちを呼び止めたが、レベルの上がった身体能力を使って街の中に逃げ込んだ。
『もう大丈夫だにゃ』
『なんで逃げなきゃいけないのですか』
メリアは納得していないらしい。
『恐らく、動員されて、ガロータに行かなきゃいけなくなるからにゃ』
『そうしてはいけないのは何故ですか』
メリアがネオを睨む。彼女にとってロディア国は祖国なのだ。
『新人の神様から、“この世界の人が魔物に対抗できるように導くように”言われているのにゃ』
『導く・・・?』
メリアはネオの考えが解らなかった。
『シメ山の訓練施設は、メリア以外クリアできそうにないにゃ。おそらく、もっとクリアし易い訓練施設があるはずなのにゃ。それを見つけて早く稼働させないといけないのにゃ』
そこまで言われて、ようやくメリアは事の次第を理解し始めた。
(魔物は明らかに異常発生し始めている。だけど、この世界の人はレベルアップできていない。レベルアップ出来る施設は近衛隊長でもクリアできず、レベルアップ出来ない。
つまり、シメ山にあった訓練施設よりも、もっと初級の訓練施設があるはずということ・・・?)
メリアがハッとした顔になったの見たネオは
『わかったかにゃ・・・先を急ぐ必要があるのにゃ』
『なんでアントラニア王国のアミアなんですか』
他の3ヶ所のダンジョンが、南西管制所のように訓練施設と併設されているとすれば、他2ヶ所の管制所のはずである。アミアの位置ではないはず・・・。
『先日寄ったダンジョンで新人の神様に言われたのにゃ!!』
『アミアというところに、今後どこに行けばよいかのヒントがあるはず・・・たぶんにゃ』
そういうと、ネオは走りだした。
・・・
『待ってください!』
メリアは慌ててネオを追いかけた。
ようやく追いついた先は・・・
『そっちの肉を丸ごとにゃ。パンもあるだけほしいにゃ』
なんと、食料を買い込んでいた。
『何してるんですか!!』
メリアはネオに叫ぶ。
『旅の食料調達にゃ』
結局、かなりの量の食料をアイテムボックスに買い込み、そのまま東に向かって移動を始めた。
『街に泊まらないのですか?』
メリアの問いに
『ちょっと急いで行くにゃ』
(急がないと間に合わないような気がするのにゃ・・・)
ガロータが壊滅したことで混乱する国境の街ニコレッツを出たネオとメリアは、アントラニア王国のアミアを目指して国境へと急いでいった。
次回は数時間後におまけが入ります。




