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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
序章 転移?
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第1話 駐機場の猫

駐車場ではありません。駐機場です。

 (何か食い物はないかな~)

俺は猫である。名前はない。本当にないのだ!!

ここは日本の熊本というところらしい。人間どもがそう言っていた。人間が数人乗って移動する乗り物である“飛行機”というものが置いてあるところである。鳥も無警戒で飛んでくるので、美味しそうなのだが、隠れるところがないため、鳥を捕獲できたことはない。

 周辺には草むらがあるため、その中の虫などを捕まえて何とか生きている。住かは“飛行機”というものを整備している建物の屋根裏である。正直なところ、あまり住みやすくはない。にもかかわらず、何故、ここに住んでいるかというと・・・


・・・


 俺は、3年前、今住んでいる屋根裏で生まれた。生まれたときは4匹の兄弟であった。外は危ないと思った俺は、できるだけ奥に小さくなって過ごしていた。母猫は、狩りに出かけていることが多く、4匹で留守番をしていることが多かった。ある日、母猫がいつもの通り狩りに出かけたあと、何者かが屋根裏を覗き込んできた。


『このあたりだよな』

『そうそう、猫の鳴き声が聞こえてくるんだ』

人間どもが何か言っている。屋根裏の入り口に体と同じくらいの人間の顔が現れた。


(怖ええ~)

そう思った俺は、できるだけ奥に行って小さく丸まっていた。そのうち、人間の手と思われるものがこちらに迫ってくる。


(やばい。殺される!!)

そう思った俺は、目をつむった。


『こいつだけ、好奇心があるみたいだ』

『1匹だけ出てきたね』

耳を澄ますと、人間どもの声が聞こえる。兄弟の誰かが捕まったようだ。慌てて目を開けると、兄弟が1匹いなくなっていた。


・・・


結局、居なくなった兄弟は戻ってこなかった。夜になって母猫が戻ってくると、兄弟が1匹足りないことに気が付き、周辺を探し出す。見つからないことが解ると外に飛び出していった。

 しばらくして、母猫が戻ってきた。やつれているように見える。いつもピンと張ったしっぽも元気がなかった。次の瞬間、母猫が兄弟を咥えてどこかに行ってしまった。20分くらいして戻ってきた母猫は別の兄弟を咥えてまた、どこかに行ってしまった。

(俺だけになってしまった・・・怖い)

更に20分くらいすると母猫が戻ってきた。急いで母猫に近づく、次の瞬間、俺は、母猫に咥えられた・・・。

 気が付くと、どこか、別の場所を思わる建物の中にいた。2匹の兄弟と母猫もすぐ近くにいる。どうやら引っ越ししたらしい。母猫にとって、安全ではないと判断したようだ。


・・・


月日が流れ、おれは母猫と兄弟から離れることになった。特に挨拶もない。母猫は新たな子育ての準備に掛かっており、邪魔だったのだ。行くところは特になかったが、途中で人間に連れ去られた兄弟が気になった。

(あそこに行ってみれば、何かわかるかもしれない・・・)

そう、生まれた場所である、あの屋根裏に戻ってきたのであった。


・・・


 やってきてみると、なんと、当時のままであった。残念ながらいなくなった兄弟もいない。

(ここにいれば、何かわかるかもしれない)

そう思った俺は、ここに住むことにした。


・・・


 腹減った・・・。ここは食えるものがない。周辺を探しても、人間が”飛行機”と呼ぶもの以外はなく、舗装された地面からは、わずかに草が生えているが食べられるものはない。

隣の草むらで虫を捕まえて飢えをしのいでいた。

 ある日、昼寝から空腹に耐えかねて出てきたところを一人の人間に見つかってしまった。彼は、何か大きな白い荷物を抱えていた。


『おや、猫だ』

彼はそういうと、白い箱の中から何かを取り出し、俺に差し出した。

(???)

事情は解らなかったがうまそうだった。多分、魚というものだろう・・・。俺は、慌ててそれを咥えると、屋根裏に逃げ込んだ。

 人間は追ってこない。それを確認すると、夢中で食べた。結構量があったが、骨を残して完食すると、さっきの人間のことが気になった。俺は、残った骨を咥えながら屋根裏を出てあたりを見渡すと、さっきの人間にまた会ってしまった。今度は何も持っていない。

(やばい、殺される)

と思った次の瞬間


『あじの干物は美味しかったかい?きれいに食べたみたいだね』

と妙なことを言っている。とりあえず、襲ってこないようなのだが、念のため、骨を咥えたまま草むらに逃げ込む。逃げている最中に別の人間と思われる声が聞こえた


『波高さん。どうかしましたか~』


・・・


あれ以来、”あじの干物”という魚をくれた人間を観察することにした。どうやら波高というらしい。6日、または7日ごとに現れる。飛行機というものに乗ってどこか行っているらしい。この人間は俺を襲うことはなさそうだ。だが、あれ以来、会うと何故かこの人間は俺に手を振ってくるが、”あじの干物”という魚が貰えたことがない。草むらにいる昆虫やネズミなどを狩って、飢えをしのぎながら過ごすのであった・・・。


壱岐の魚は美味しいのです好きです。でも魚以上に

 イカうに

が好きです。

次回の投降は12時の予定です。

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