第27話 寄り道
短いです。
ネオとメリアの2人は街道を東に進んでいた。
『結局、戻るような感じになってしまってますね』
そう、シャロットたちをラオカ村の墓地に埋葬しに行ったのは、つい数日前のことである。
『でも、ラオカ村にはいかない方がいいにゃ』
『なぜですか』
『あの伯爵が簡単にあきらめるとは思えないからにゃ』
しばらく沈黙があったあと
『待ち伏せですか』
『そうにゃ』
(メリアは、更なるレベルアップをした方がよいにゃ・・・)
・・・
既に、2人の身体能力はこの世界の常識を逸脱しているレベルだったこともあり、馬車で2日掛かるダレンからロディア間を1日で歩けるレベルであった。そして、ウォーターマウンテン(村)の近くまで来たところで、ネオは思い出す。
(メリアにもあのダンジョンを踏破させればよいにゃ。ちょっと手伝って、ついでに自分もレベルを上げよう・・・。
・・・
『・・・本当にダンジョンがあるのですね』
ネオはメリアを連れて、最初に入ったダンジョンに来ていた。既にネオが踏破しているので、途中のイベントはない・・・はず。おそらく10Fまで行かないとレベルアップはないだろう・・・。
『今、メリアはレベル6だったはずにゃ』
『はい。そうです』
『俺は、ここでレベル15になったのにゃ』
『・・・』
メリアは言葉にはしないが、ネオが何を考えているのかわかった。
『この先、もっと力のあるモンスターと闘うような気がするのにゃ。なのでここでメリアのレベルを上げるのにゃ』
『はい。頑張ります』
・・・
ダンジョンの中は特に変わっていなかった。違っていたのは、各フロアにあったレベル神がいないことと休憩所が消えていることだった。
(やっぱり、初回特典だったのにゃ)
3Fまではあっという間に進んだ。レベル6であるメリアとって完全に雑魚だったのである。4Fにくると、多少、苦労し始めたが、ネオが手を出す必要は出てこなかった。
5Fに降りようとしたとき、ネオの頭に声が響いた。
『ネオよ・・・。“儂がやった魔石はアントラニア王国の王都で売るとよい。ここが終わったらさっさと行くのじゃよ。そこに行けば、その先に必要な装備が手はいるからじゃ”とここで言ったはずだが・・・寄り道が過ぎるぞ。10Fまで行ったら、今度こそアントラニア王国の王都に行くのじゃ』
そう・・・新人の神様の声であった。
(すっかり忘れてた・・・)
呆然と立ち止まるネオにメリアが気づく。
『どうされたのですか?』
新人の神様の声はメリアには聞こえていなかった。
・・・
5F以降は、ネオも戦闘に参加して進んでいった。特に、7Fのアンディエット以降は、魔法が伝えないメリアには手に負えないものが多かった。ようやく10Fの土竜を倒すと、レベル神が現れた。
『先にメリアが触れてみるにゃ』
メリアが石像に近づくと、メリアの体が光に包まれた。何事か言われているらしい・・・。最後に驚いた顔をしたメリアが消えた。
(ここの石像は訓練用と違って、消えないにゃ)
メリアが消えた後も石像はそのままであった。ネオが近づくと、ネオは光に包まれた。
『ダンジョンを初めて踏破した勇者よ。また来たな。褒美にいままでの経験値をレベルに変換してやろう。お前はレベル16になったぞ・・・ハハハ』
(えっ。たった1しか上がらないのかにゃ!!)
・・・
気が付くと、ダンジョンの入り口にいた。ネオを心配そうにメリアが覗き込んでいる。
『気が付かれましたか・・・よかったです』
どうやらメリアに膝枕されていたらしい・・・。ネオは慌てて起き上がった。顔は真っ赤である。
『にゃ!にゃ!』
何を言っていいかわからなくなっているネオに
『ネオさんの弱点を見つけました』
メリアがほほ笑んだ。
・・・
『・・・で、メリアのレベルはいくつになったにゃ』
今回の目的はメリアのレベルアップなのである。元に戻ったネオは、メリアに確認した。
『はい、レベル11だそうです』
それを聞いたネオは考え込んだ。
(俺はレベル15になったが、メリアは途中から俺のアシストで10Fまで来たからなのかにゃ・・・)
メリアのレベルが11までしか上がらなかった理由を考えていた。
・・・
『・・・という訳で、アントラニア王国の王都に行くのにゃ』
ネオは5Fに降りるときに聞いた新人の神様の声のことを話した。
『ネオさん。神様の言われることは守った方がよいのでは・・・でも、それを忘れて西に行ってくれたので、私はネオさんに会えたんですよね・・・私が神様にお話する機会があったら、そのことを言って、許してもらうようにしますね』
メリアは真顔で言っている。最も、心から言っているのか、面白半分に言っているのか、ネオにはわからなかった・・・。
(まさか、俺が西にいったから、ラオカ村があんなになってしまったわけではにゃいよな・・・)
ネオは別の心配をしていた。
次回は9/25の予定です。




