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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第2章 ダレン編
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第21話 シメ山

 途中から街道を外れてシメ山のふもとまで来た。街道からの道はないので、草原を走ってきたのだが・・・。

『にゃんか、この山おかしいにゃ』

普通、造山運動などによってできる山と明らかに違い、人口的・・・壁のような絶壁になっており、頂上付近は、ネオが猫のとき(熊本にいたとき)に見た細長い建物(管制棟)に似ていた。

『面倒だから、頂上にいる奴を呼ぶにゃ』

そういうと


『ホーリーボール』

頂上にいる竜に向かって放った。


『いくら何でも・・・』

メリアが驚くと同時に死を覚悟した。この世界の人が竜に喧嘩を売って、生きて帰れるはずがないからである。


当然、攻撃された頂上にいた“竜のようなもの”は、ネオめがけて急降下してきた。


・・・


『なんだ、ワイバーンじゃないかにゃ』

『いかにもワイバーンだが、貴様が我を攻撃してきた人間か?』

『違うにゃ』

『どう見ても、お前が放ったとして思えないが・・・』

『俺はネオ、猫にゃ』

どうやら、このワイバーンにはネオのレベル(レベル15)というのが解るらしい。


『どうして、人間の姿をしている』

『してないにゃ』

そう言ってフードを外して見せる。

『なに、魔物!!』

『でないにゃ、猫だにゃ』

『ねこ?』

『この世界には居ないと新人の神様が言ってたにゃ』

『なに!!』

どうやら、このワイバーン、新人の神様のことを知っているらしい。


『わかった。それが本物なら今から案内する』

そういうと、ワイバーンはネオとメリアを乗せ、山の頂上に向かって飛び立った。


『眺め最高だにゃ!!』

『怖いです~!!』

喜ぶネオと恐怖に耐えるメリアであった。


・・・


ワイバーンは頂上の100mくらい下の地点に着陸した。その場所は、ネオにはなんとくなく見覚えがあった。平らな土地に大きな〇が書いてあり、〇の中にHと書いてある。熊本で、波高達が“ヘリコプター” と呼んでいたものが発着していたところと同じであった。


『ここは、昔、滅んだ文明の遺産だ。そこに入り口がある』

ワイバーンが示したのは、まぎれもない、管制塔の入り口(玄関)のようであった。


『・・・という訳でここに来ている』

ワイバーンの説明をネオとメリアは聞いていた。要約すると

 ・ある日、ローラシア山脈にある彼の住居(巣穴)に新人の神様が現れ、シメ山の頂上にある塔を守ってほしいと言われた

 ・異世界から召喚したものに文明崩壊を防がせるため、そのものが現れるまで、他の物を排除するように言われた

ということだった。

『それって、ネオさんのことじゃ・・・』

『そうにゃろ・・・』

(新人の神様め・・・やっぱり、俺に面倒をさせる気だにゃ)


『寒いです』

メリアが悲鳴を上げた。彼女の話によると、(ふもと)より16℃も気温が下がっているそうだ。ネオも寒いのは嫌いなので早く用事を済ませたいと思っている。


『ありがとう、今からあの中に入ってくるにゃ』

『わかった。出てくるまで待っていよう。そうでないと、帰るのも大変だろうからな』

『確かに・・・そうだにゃ』

この地点は、標高2500mくらいらしい。1000ftで高度が上がると約2℃気温が下がるとすれば、16℃ほど低い気温であるここは、約8000ft(=2438m)くらいある。どうしてこんなところに管制塔のようなものがあるのかは謎である。


・・・


なんと、ネオが近づくと、自動で扉が開いた。

『にゃんとも』

警戒しながら中に入る。中に入った途端、周囲が明るくなった。

『にゃ?!』

『なに!』

ネオとメリアが警戒を強めるが、ネオは昔の記憶を思い出していた。

(そういわれれば、熊本空港のビルには、近づいたときだけ照明がつくところがあったにゃ・・・おそらくここも同じだろうにゃ)

ということは・・・。目の前にある銀色板が少し段差がある状態で2枚ある脇に・・・。

(あったにゃ!)

『多分、ここを押すと開くはずにゃ』

そういうと、ネオはボタンを押した。

2枚の板は自動で横にスライドし始め、中の空間が現れた。

『なにもなさそうです』

メリアが警戒しながら様子を見る。

『これは乗り物だろうにゃ』

『乗り物?』

『まあ、中に入ればわかるにゃ』

そういうとネオは中に入っていく、メリアは警戒しながら後に続いた。

(やっぱりにゃ。熊本空港のターミナル内で見たエレベータという乗り物に違いないにゃ)

昔、夜中に忍び込んだとき、人間が乗り込んで移動していたのを見ている。

中に入るとボタンが縦に3つ。その下に緑と赤のボタンがあった。

(わからんからみんな押してしまえはよいにゃ)

一番上のボタンを押すと、ボタンが光出した。少しして、扉が閉まる。

エレベータは一気に最上階に到着、扉があいた。

メリアは突然動き出したエレベータに驚いたのだろう。恐怖のためか硬直している。

『出るにゃ』

ネオが声をかけても反応しない。仕方がないので、ネオが抱えてエレベータを出た。

部屋に入った途端、天井から光が降ってきた。

硬直からいくらか回復したメリアは天井を眺めている。

『天井に光るものがある』

『そうにゃ。照明というのにゃ』


ネオが周囲を見渡すと、中央に机があり、何かファイルが置いてある。その上に紙が貼ってあった。


=このメモを見たものへ=

この施設は、大陸の南西空域を監視するための施設である。と同時にこの下にある、訓練用ダンジョンの運営管理施設でもある。

大規模なスタンビードにより、崩壊した文明であるが、この施設は無事である。いつの日にか再び、この施設を稼働させる日がくることを願う


南西管制所長


(にゃんと、ここは空域監視施設・・・波高達が乗っていた飛行機なるもののための施設だろうにゃ。と同時に、この下は訓練用ダンジョンになっているらしい・・・)

ここで、ネオは新人の神様に言われたことを思い出した。


“この大陸に残っている古代文明(前文明)の遺跡にある力を使って人間を強化し、魔物に対抗できるよう導くこと”


なんて言ってたにゃ。ということはこの施設を稼働させれば良いわけにゃ・・・。


・・・


メリアをこの部屋にあった椅子に座らせ、置いてあったファイルを読み始める。メリアにも見せたが、メリアには全く読めないものだった。


施設全体の起動は、1Fにある配電盤のSWを入れる。それを入れるとエレベータなども使えるようになる・・・(既にエレベータに乗ってきたのだから、配電盤のSWは入っているにゃ)。

管制システムは、管制塔中央にある起動SWを押せば、自動で起動プログラムが走り、オート管制システムが稼働する。

(オート管制システムってなんにゃ?わからんけど・・・)

ネオは管制システムの起動SWを押してみた・・・。

突然、ただの板だと思っていたものが光りだし、動き出した。

『生き物・・・?』

メリアはつぶやいた。さながら、命を吹き込まれたかのように部屋にある様々な機器が動き出す。

ネオがファイルを見ていた机に突然、板のようなものがせりあがってきた。

(なんだにゃ・・・)

そして、光出して30秒ほど経過した後、

“システム起動開始”

と表示された。石板だと思っていた板にはリアルな絵(映像)が表示されていた。どうやら周辺を映しているらしい。しばらくすると、落ち着いたのか変化がなくなった。

ネオの目の前の石板には


“対象航空機不在”


と表示されている。

ネオが改めて周囲を見ると、扉が一か所あることに気が付いた。


『扉の先に行ってみようにゃ』

『ここはそのままでいいの?』

メリアが不安そうに聞いてきた、

『止め方を知らないにゃ』


それだけ言うと、扉を開けてみた・・・。


・・・


開けてみると、螺旋階段が下に続いていた。

階段を降りていくと、扉があり、その扉には文字が書いてあった


“ダンジョンコントロール室”


(???)

ネオが扉を開けて中にはいると、そこは広い空間であった。

『にゃんと!!』

先ほどの部屋と同じような配置で石板が並べられており、それを見るための椅子が並べられている。中央に机があり、一冊の本と紙があった。



=ダンジョンコントロール室=

 無念であるが、ここにダンジョンの閉鎖を決定した。ここの職員は総員脱出の予定である。ここから約100km東にあるマスターダンジョン最奥に設置されている、システム起動SWを再度押すことが出来れば・・・残念ながら、魔物に塞がれてしまい、我々は入ることが出来ない。まさか、魔物にマスターダンジョン全体が占領されてしまうなど、想像にもしなかった。もはや方法はない。残念だ。

後世、誰かが、マスターダンジョン最奥のシステム起動SWを再度押す日が来れば、再び、この施設は稼働できるだろう。


南西訓練施設長



(ということは、俺は入っていたダンジョンが“マスターダンジョン”で、あの最後に押せと言われたボタンが、“システム起動SW”だったということなのかにゃ?)

机にあるSWを押してみると、山全体が振動したような気がした。

何かが動くような音がする・・・。次の瞬間、先ほどと同じように、この部屋の石板たちが光りだし、


“ダンジョン起動中”


という文字を表示していた・・・。30分後、各石板は、自動運転中という文字を上部に表示しながら、ダンジョンと思われるものを映していた。


『これって・・・どこの姿?』

メリアが石板に映し出された絵(映像)を指してネオに聞いている。


(多分、この下にあるダンジョンのどこか・・・だにゃ)

『この下のダンジョンの様子だにゃ』


その後、下に続き螺旋階段を発見したネオとメリアは、長い階段を降りていったが、そこには何もなかった。螺旋階段の終わりに扉があり、開けてみると、最初にこの建物に入ったときの空間であった。先ほどと違うのは、天井から照明という光が降りそそいていることだろうか。いや、そこかしこに何か光るものがある。まるで、この建物の命が宿ったかのようだ・・・。


・・・


外に出てみると、ワイバーンが待っていてくれた。

ネオを見つける、慌てて近づいてきた。


『おい、大変なことになってるぞ』

『どういうことにゃ』

『見てもらった方が早い。乘れ』

ネオとメリアがワイバーンに乗った途端、ワイバーンは離陸した。シメ山の周りを旋回し始める。その光景に言葉を失った。


(山が光ってる・・・)

正確には、大理石のような鏡面で全て山が覆われ、それを隠していたと思われる土や木々が全てふもとに落ちて積みあがっている。幸い、街道までは至ってないので人への被害はないだろう・・・。


その土に中から光る部分を発見した。


『あれは何だと思う』

ワイバーンがネオに尋ねてきた


『訓練用ダンジョンの入り口だと思う』

『本当か?』

『さっきの入り口・・・』

ネオの答えに信じられないといったワイバーンと既に理解の限界を超えているメリア。


・・・


『どうやら、神様との約束は果たせたらしいな』

ワイバーンはネオとメリアを(ふもと)に降ろすとそういった。

今のこの世界にはヘリコプターなど存在しない。ワイバーンにでも来てもらえなければ、あの施設にはたどり着けないだろう。


『何かあったときは助けてくれないかにゃ』

ネオはワイバーンにお願いする。

『よかろう。我は、ローラシシア山脈の南の端に家(巣)があるので、必要なら訪ねてきてくれ』

『わかったにゃ』

『ありがとうございました』


『神様との約束を果たしたまでよ。さらば』

そういうと、ワイバーンは東の空に飛んでいった。


『あいつの家(巣)無事ならいいけどにゃ』


1000ft高度があがると2℃温度が下がる。実際には、湿度の影響とかもあるので、違うこともあります。

次回は9/2の予定です。

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