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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第14章 後日談・・・
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第159話 ダンジョンの間引き

街道ゴーレムの魔石を集めるために・・・

『さあ。早く乗った』

ネオをメリアは、ラオカ空港にやって来た、プリンセスシャールカ号に乗せられていた。


2人が乗ると、シャールカは素早く、出発前点検を行い、


『リクエスト タクシー ツー ディパーチャー』

とマイクに向かって叫んだ。


(管制はやりにくいだろうにゃ)

ネオが思っていると、案の定、着陸した機体が誘導路の入り口で待機させられ、プリンセスシャールカ号の移動待ちになっている。


滑走路の端まで移動したプリンセスシャールカ号は、

『クリアード フォー テイクオフ』

を受けそのまま滑走路に進入したのであった。


(誰か待たされてなきゃいいけど)

メリアはご機嫌のシャールカを見ながら思った。


・・・


パラストアの空港に着いた途端、出迎えるものがいた。ゴリマッチョな中年・・・いや老人になりかかっている男・・・エルバート(ギルマス)である。どうやら、シャールカには想定内だったらしい。


エルバート(ギルマス)。約束は果たした。後は任せる』

そう言ったかと思うと、プリンセスシャールカ号でサマランドに帰ってしまったのであった。


『ここじゃ話しにくいから』

と3FのVIP待合室に連れてかれたネオとメリアは

((これはシャールカに諮られた(にゃ))

と気が付くのだった。


VIP応接室に入ると、転送魔方陣がそのまま放置してあった。どうやら、この部屋は普段使っていないらしい。

『2人に来てもらったのには訳がある』

エルバート(ギルマス)はそう言って袋から冒険者カードを取り出し、2人の座るソファーの前にあるテーブルに積み上げた。


『これは?』

メリアが不思議そう尋ねると


『アミアのダンジョンで帰ってこなかった冒険者のうち、俺がカードを回収できた奴たちだ』

どうやら、アミアのダンジョンを公開した結果、大量の冒険者がダンジョンの餌食になっているらしい。


『1Fはゴブリンだけだからな。なめてかかる奴が後を絶たない・・・』

エルバート(ギルマス)は寂しそうに言った。腰を擦っているあたり、腰痛になったのは本当だったらしい。


『おれも行ってみて驚いた。1Fが平原になっていて、いきなり大量のゴブリンに取り囲まれちまったからな・・・』

エルバート(ギルマス)は、自分の腰を擦った。恐らく無理をしたのだろう。300匹のゴブリンとの対決はきつかったらしい。


『300匹で打ち止めだからにゃ。レベル15ならどうにかなるはずだにゃ』

ネオの言葉に、エルバート(ギルマス)は怪訝な顔になった。


『やっぱり知っていたんだな』

そう言ってエルバート(ギルマス)はネオを睨んだ。


『新人の神様が模様替えをすると言っていたのは伝えたはずにゃ』

ネオも言い返す。


『もしかして、確認もせずに公開したのですか?』

メリアがあきれ顔である。


『いや・・・それは・・・』

ネオ達の報告を聞き流していたエルバート(ギルマス)は言葉に詰まった。


『実力のある奴がいなくなってしまってな・・・』

エルバート(ギルマス)は寂しそうに言った。


(悪酒の件で上位の冒険者が犠牲になった影響は大きかったらしいにゃ)

ネオはエルバート(ギルマス)を見ながら思っていた。


『レベル6の冒険者にパーティを組ませたらどうにかならないですか?』

メリアは現実的な提案をしたつもりだったが、


『3ヶ所ある訓練所は軍が押さえちまって、冒険者たちは使わせてくれねえんだ』

いつの間にか、3か所の訓練所は、軍がその使用を押さえてしまっているらしい。


『そこでだ・・・かつて俺の師匠のように誰かアシストして成長させようと考えたんだが・・・』

またまたエルバート(ギルマス)の言葉詰まる。


『何か問題でもあるのかにゃ?』

ネオの言葉に、


『そんなことが出来るのは、シャールカ様とお前たち2人くらいしかいねえんだよ!』

エルバート(ギルマス)はやるせない怒りをため込んでいたらしい。しまいには泣き出してしまった。

『オルトラにも断られるし・・・他にいねえんだよ。頼む!』

エルバート(ギルマス)はネオとメリアに頭を下げた。


・・・


翌日、アミアの冒険者ギルドに4人の冒険者が集められていた。

『今、アミアで集められる最も腕の立つ連中だ』

エルバート(ギルマス)がそう言うのだが・・・

(これでは、ゴブリン300匹は4人でも無理だにゃ)

レベル3にしては・・・ということらしい。

『ファーディです。剣士です』

『ナンドです。火属性の魔法使いです』

『オフィーリアよ。弓士よ』

『セティボスだ。盾士だ』


身軽そうな剣士であるファーディ、まだ大人とはいないような幼さを感じるナンド、気迫だけは、シャールカのように良いが、何か軽い感じのオフィーリア、そして、オークに突進されたら、あの世まで飛んで行ってしまいそうなセティボス。とてもアミアのダンジョンを攻略できるとは思えなかった。


『この4人を何とか5Fまで連れて行ってほしい・・・』

エルバート(ギルマス)もかなり無理を言っているを理解しているのか、言葉が尻つぼみである。


『わかったにゃ』

ネオはそう言うと

4人の方に向き、


『まずは、1Fでゴブリンを戦ってもらうのにゃ。お前たちの背後は守るから、出来るだけ、お前たちで倒すようににゃ』

ネオの言葉に


『はい!』

『はい!』

『はい!』

『はい!』

若者らしく同じ答えが返って来たのだった。


・・・


『次から次と・・・』

『キリがない』

『一体いつまで』

『盾が持つかな・・・』

1Fでゴブリン300匹に4人を対峙させた結果、まだ半分も討伐しないところで、泣き言を言い出した。ネオをメリアは左右の端について、横と後ろから来るゴブリンを追い払っている。そう・・・ネオをメリアは追い払っているだけで、1匹も倒していなかった。

横と後ろを守ってやれば、何とかなるかと思ったネオだったのだが、既に、4人とも疲労でフラフラである。


(仕方にゃい・・・)

『メリア!』

ネオは叫んだ後、

『ホーリーウインド』

を放つ。三日月の刃が広がりながら、ゴブリンを上下に切っていった。一方、メリアは、トカゲ剣1を振り回し、片っ端からゴブリンを切り刻み始めた。150匹程度残っていたゴブリンは、僅か1分もしないうちに動くものが無くなったのである。その光景は4人は唖然として見ていた。


『早く魔石を拾うのにゃ』

4人に指示するネオに、慌てて、魔石を拾い出す4人。

(これは厳しいにゃ)


メリアに鍵を開けてもらい、建物に入って少し休憩したあと2Fに向かったのだが・・・。

4人に拾わせたトカゲ剣を、剣士であるファーディに持たせたのだが、重くて使いこなせないらしく、剣を持つ手が震えている。

(あちゃ・・・こりゃ無理だにゃ)

と思いながら、リザードマン1のいるトカゲの泉まで来たもの、4人でも防戦一方、リザードマン1の攻撃をセティボスが盾で受けながら、ファーディが攻撃するが、剣の重さに腕が耐えられないのか、効果のある攻撃が出来ていない。ナンドのファイヤーボールはあっさり避けられてしまい、オフィーリアの弓はリザードマン1には全くダメージを与えられなかったのである。


(仕方がないにゃ)

ネオがメリアに合図をすると、メリアがリザードマン1に切り掛かった。あっという間に両手、両足を切断したメリアは、止めを刺さずにネオのところに戻る。


『早く終わらせるのにゃ』

そう言って、ファーディに止めを刺させる。トカゲ剣1は一瞬、光輝いた後、砂のように分解して崩れ落ち、消えてしまった。

唖然としているファーディに


『そう言う仕様なのにゃ』

と言って、歩き出した。


結局、リザードン2はネオが瀕死の状態にしたあと、セティボスに止めを刺させ、リザードン3は、面倒になったネオが、ホーリーウインドで両手両足を切断した後、ナンドとオフィーリアに交互にトカゲ剣3を持たせ、リザードン3が消えるまで続けさせた。


3Fに行くと、4人は完全に戦力外であった。オークを前に剣士であるファーディは足が前に出ない。ナンドは顔が強張って詠唱できなくなっていた。オフィーリアの弓は当然のようにダメージが入らず、セティボスに至っては最初の接触で遥か後方に飛ばされてしまう始末である。


ネオとメリアは出てくるオークを倒しながら、シャールカに言われた魔石を回収する。5匹しかいなかったはずの3Fは、4Fの階段に着くまでに、30匹も遭遇したのである。

(これは効率がいいのにゃ)とりあえず、10個も回収でればいいかと思っていたネオは、

『後でもう1回来て倒しまくるのにゃ』

と、気持ちを切り替えていた。


4Fのパルピークイーンは

『ホーリーボルト』

をネオが放つと、ぱったりと倒れてしまった。


『焼き鳥1つ出来上がりだにゃ』

とネオが言った直後、自爆してしまった。


『そう言う仕様でしたね』

メリアが思い出すように言った。


魔方陣を見つけて5Fに降りていくと、土竜が日向ぼっこしていた。

どうやら土竜も暇だったらしい。

ネオ達を見つけると、久しぶりの獲物と言わんばかりに突進してきたので、メリアが跳び上がり、土竜の首をトカゲ剣1で切り落とした。


(あっけにゃい・・・)

唖然としている4人に、魔石を回収させ終わったころ、ようやく見覚えのある像が出現した・・・そう、新人の神様の像である。


4人の背中を押して、新人の神様の像のところに連れていくと、6人とも光に包まれた。驚く4人に、


『ちょっと実力が足らんな・・・まあ、レベル5だな・・・ネオとメリアは付き添いみたいだし、ここではレベル15までしか与えないので何もなしじゃ』

 ネオとメリア、そして4人の冒険者は1Fに移動していた。例のゴブリンが300匹いる平原である。


『一旦、休憩にゃ』

メリアが持っている鍵を使って建物の扉を開くと、その中に駆け込んだのであった。

疲れ果てている4人の冒険者に


『さて、今日はあと3回くらい行ってくるかにゃ』

ネオの言葉に4人の冒険者は気絶してしまった。


『これはダメですね』

『そうだにゃ』

メリアとネオは、4人の冒険者を家に置いて、3Fのオーク狩りに出かけたのであった。

ネオとメリアは、改めて、他の冒険者との実力差を感じたのでした。

しかし、ゴーレムは5mおきくらいに設置されていたはずなので・・・200体/キロは必要です。一体どんだけ設置するのでしょう・・・。頑張れネオ、メリア!

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