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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第14章 後日談・・・
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第154話 管制システム

すこし先のお話・・・のはず。

BE36は各空港に5機ずつ常駐するまでになった。それと別に、シャールカ直属のヘリコプター2機が、ローラシア山脈の東側に待機しているのである。日々増えていく航空機への対処のため、シャールカは大陸の管制所を復活させる決断をしたのである。


・・・


『・・・という訳で、大陸を5つの管制所の管轄に別け、飛行する航空機を監視し、安全を確保するものとする』

シャールカは、サマランドにゴンドア航空局の職員のうち、各空港の責任者をサマランドに呼びつけ、ゴンドア航空局の方針を伝えていた。


 シャールカが示した方針は、

・北東、南東、南西、パラストア、サマランドの管制所を正式に立ち上げ、常駐メンバーによる空域管制を行う。

・各空港は引き続き空港周辺の空域管制を行う但し、3000ftを超える高度は空域管制の管轄とする。交信する周波数は

飛行訓練センター              118.025MHz

パラストア空港               118.70 MHz

北東管制所                 127.95 MHz

北西管制所(サマランド空域管制所)     121.175MHz(機能移転)

南東管制所                 121.25 MHz

南西管制所                 120.00 MHz

パラストア空域管制所            123.85 MHz(新設)

サマランド空港               118.50 MHz

ラオカ空港                 129.80 MHz

イパラ空港                 118.30 MHz

デコル空港                 118.20 MHz

ドニア空港                 なし(南東管制所がフォロー)

カシミ空港                 なし(北東管制所がフォロー)

とする。


であった。

ここでパラストアの職員が手を上げた、


『なんだ。質問があればいってみろ』

手を上げた職員に気が付いたシャールカは手を上げた本人に向かって言った。


『ああ・・シャールカ様。空域の境ではどうしたらよいのでしょうか?』

職員は真顔で質問したのであるが、それを聞いたシャールカは、


(そうか・・・こいつらはハンドオフも知らないのか)

飛行機の世界では、次にコンタクトすべき管制がある場合、“ハンドオフ”と言われる指示を出す。

『管制は、航空機に次の管制にコンタクトするように指示せよ 例えば“コンタクト パラストア空港 118.70MHz” という感じにな・・そうすれば間違いはない』

出席していた職員が一斉に頷いた。

(こいつらにも、パイロットの知識をインストールさせるか・・・)

空港職員を飛行訓練センターに送ることを真剣に考えるシャールカであった。


『つまりだ。私がサマランドからパラストアに飛行するとしよう・・・。まず、サマランドの空港にコンタクトして離陸の許可をもらう』


『無理です。シャールカ様に許可を出せる職員・・・いやゴンドアの民などおりません』

サマランドの職員は必死の形相である。


『こら、勘違いするな。私がプリンセスシャールカ号に乗っている時は、私は機長でしかない。いちいちレーダーを見て安全を確認していられないのだ。だから、空港の管制に安全を確かめてもらって、それを報告してもらうのだ』

シャールカはため息をつきながらいった。

(例えが悪かったかな・・・)


『次に離陸したら、サマランド空港の管制からサマランド空域管制にハンドオフさせる』

『ハンドオフ?』

『・・・』

『・・・』

『・・・』

『なにそれ?』

シャールカの説明に首を捻る職員たち、


『よいか。管制から、別の管制に飛行機の監視を引き継ぐことをハンドオフと呼ぶのだ』

シャールカは、有無を言わさず、言葉を定義してしまったのである。


『パイロットは、管制の指示に従って、周波数を切り替え、指示された管制にコンタクトしてくるので、レーダーを見ながら、安全に支障がないか監視するのだ』

シャールカの言葉に、頷く職員たち。


『ローラシア山脈を越えるところで、パラストア空域管制にハンドオフさせる。パイロットとの交信、パイロットの作業はさっきと同じだ。』

職員たちは頷きながら、何かメモを取っている。


『パラストア空港近くになったら、パラストア空港にハンドオフさせる。最終的にパラストア空港の管制が着陸許可を出すのだ。よいか?判ったか』

シャールカは、職員たちを見まわした。皆、首を縦に振っている。

(本当に解ったのだろうか・・・)

シャールカは不安になった。


『各空域管制所に赴任する職員たち、及び、既存の職員たち用の教育マニュアルを用意してある。各自、必要な部数を持ち帰り、全員に周知、理解させるように!』

シャールカの言葉に


『『『『『はい!』』』』』

職員たちは一斉に返事をした。


・・・


各空港の責任者を返した後、各管制所に赴任させる予定の職員たちを集めたシャールカは


『お前たちは、この大陸の空を監視、交通整理をする要員である。空の安全はお前たちの仕事ぶりに掛かっている』

赴任する職員たちは不安そうである。


『まず、パラストアとサマランドの空域管制は、空港管制と同じところで行う。その為の設備は建設時に用意してある』

この言葉を聞いて、パラストアとサマランドの空域管制に赴任する職員たちから安堵の様子が見える。近くに仲間が既に勤務しているので、大きな心配はないからである。


『北東、南東、南西の管制所は山の頂上にある。1000年前にゴンドアが作ったものだ』

そう言って、シャールカはその構造を説明し始めた。

『地上からは、職員用のエレベータと呼ばれる乗り物がある。各自、赴任先の資料に暗証番号が記載されているであろう。その番号を入力すると入れるようになる』

シャールカは、先日、自分で撮影してきた映像をタブレットで見せながら、業務用エレベータの入り方、使い方を説明する。


『次に、管制施設の地上階に着いたら、管制塔へのエレベータに乗り換える』

これも、タブレットで映像を見せながら場所を説明する。

『このエレベータには、管制所以外に訓練所という行先ボタンがあるが、お前たちはこの階への立ち入りを禁止する。入ったものは死罪だと思え!』

シャールカが語尾に力を入れると、職員たちは一斉に震い上がった。

(階段のドアは開かないように細工したし、エレベータは、ボタンを押しても反応しないようにしたし・・・)

訓練所のコントロールルームは、まだ開放する気が無かったのである。


『ここの管制所には、宿直室が5部屋と食堂がある。稼働させてあるので、好きに使ってよい』

食堂には、追加で食材を搬入しておいたのである。今の在庫が無くなれば、供給される食材に合わせたメニューになってしまう予定であるが、最初のうちは、世にも珍しい食事が提供される予定である。

(ちょっとしたご褒美だな)

わざと、設定を細工せずに放置したのであった。

宿直室と食堂の話を聞いて、赴任する職員たちの顔が明るくなった。なにせ、街からは離れたところである。寝るところと食べるところに不安がないのは重要なことであった。


『それと、管制所への赴任はゴンドア王国軍のヘリコプターで行う。緊急時の対応も同様だ』

職員たちは急に不安そうな顔をした。ヘリコプター・・・それも今あるのは、王族用の2機のみである。それを使うというのである。


(皆、不安そうだな)

状況を察したシャールカは


『お前たちは、私の代理として航空機たちに指示をする者たち・・・つまり、私の代理人でもある。既に、お前たちは特別な者たちであることを自覚せよ。万一、急病になった場合など、私に連絡を寄越せ。可能な限り、ヘリコプターを派遣するようにしよう』

シャールカはそう言って胸を張った。

(こんなことにでも使わないと、使い道がないのだ・・・)

シャールカは心の中で呟いた。

『交代勤務者は最寄の街で暮らしてもよいし、ヘリコプターでサマランドに送っても良い。好きな方を選べ。但し、事前に申請しておくように』

そう・・・サマランド空港にゴンドア航空局の本部を設置し、職員たちの管理を行う部署を設置したのであった。

察しの良い方は、書かれている周波数から大体の位置が見えてくると思います(九州の区分航空図を見てもらうとよいでしょう・・・笑)。ラオカ空港に相当する飛行場は・・・いまは無いです(ソーラーパネルが滑走路を覆ってます)。


この世界ではIFRはないので、飛行機は全てVFRです。ILSはありません。視程が悪くなったときは、空港からのレーダー誘導が行われる予定です。


そろそろネタが・・・。なので、次があるかは未定です。

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