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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第14章 後日談・・・
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第149話 ドワーフの里訪問

前回から半年後・・・

『えっ?!』

『にゃんと・・・』

メリアとネオが、ようやくシャールカから解放されて、ラオカ村に帰って来たのは、リクとレクを連れて出発してから半年後のことだった。出発時は、集落の一部にちょっとだけあった畑・・・それが、周囲のかなり広い範囲に広がっていたのである。


『メリアさ~ん、ネオさ~ん』

ロクが2人に気が付いたのか、こちらに駆けてきた。


『畑が広がってますね』

『すごいにゃ』

やって来たロクに話しかけるメリアとネオに


『半年前にいっただろ』

ロクは自慢げにいった。


(確か、村を出発するとき何かいっていたにゃ)

ロクが一面農地にしておくといったことをネオは思い出していた。


『順調に開拓してくれたのですね』

メリアが嬉しそうにいった。


『ああ・・・。畑自体には問題ない。シャガイモばかり連作にならないように、トウモロコシに切り替えているからな・・・問題は収穫後だ』

そう言ってロクは急遽建てられたらしい倉庫にメリアとネオを案内した。


『すごい量』

『にゃんと・・・』


そこには、ジャガイモが山のように積み上げられていたのである。


『今までは、農地の面積を増やしてきたからその種芋に使っていたんだが・・・この調子だと溢れちまう・・・ドワーフの里に送ってやりたいが、俺らには手段がねえ』


(ロク達は農地の管理があるから、ドワーフの里にこれをもっていけにゃい・・・何かいい手はにゃいかな)

ネオが思案し始めたとき、上空から、聞き覚えの無い音が聞こえてきた。


『ネオさんあれ!』

メリアが指さした先には、1機の回転翼機・・・ヘリコプターがいたのである。回転翼機は、高度を降ろしてきたと思うと、ラオカ村入り口の道に着陸してしまった。


『あんなことをするのは・・・』

メリアが何か言い掛ける

『たぶんにゃ』

それを察したネオが途中で言葉を被せた。


・・・


『ネオ~!メリア~!』

回転翼機から出てきたのは、予想通りの人物・・・シャールカであった。よく見ると、左席にはパイロットゴーレムが座っている。


『先日作ってもらった出入口からな。回転翼部隊を出してテストフライトしてきたとこだ。だが、ちょっと遊びすぎてな、ラオカ空港で燃料を補給するためにさっき寄ったので、ここにも来てみたのだ!』


シャールカは、飛行機での輸送が更に増えることを見越して、建設ユニットにBE36の追加生産と、管制システムの本格運用を目指して、管制所の再開準備をしていたのであった。回転翼機は既存の管制所に行くのに使うつもりらしい。


(管制所にはヘリポートがあったからにゃ)

大きな丸の中に書いてあるHの文字を思い出すネオであった。


メリアがネオの脇腹を軽く突いた。何か言えということらしい・・・。


『これから基地に帰るのかにゃ?』

促されるようにネオは言った。

『そうだが』

不思議そうに答えるシャールカ

『シャールカは一度ドワーフの里を訪問してはどうかにゃ?』

『ドワーフの里?』

ネオの言葉に首を傾げるシャールカ

『麦はちゃんと1000kg送ったし、その後は地上から連絡が取れるように道を作らせたから大丈夫なはずだが・・・』


『女王様として、各地を訪問するのは大事なのにゃ』

『それはそうだが・・・なにか訪問する理由が必要だ』

ネオの言葉に納得したシャールカは、訪問の口実を考え始めた。


『そっちはいい考えがあるのにゃ』

ネオは、シャールカをジャガイモが山になっている倉庫に連れて行った。


『ほう・・・沢山あるな』

シャールカはジャガイモの山を見て頬を緩ませた。


『ここに来ていたドワーフさんたちが作ったジャガイモです』

メリアが説明すると


『これを、ドワーフの里に持っていきたいのにゃ』

ネオの言葉に


『なるほど・・・だが、あと2名しか載せられないぞ』

シャールカはネオが何を考えているのか理解した上で言った。

(ドワーフの里への輸送ついでに訪問・・・確かに都合がいいな)

シャールカは納得したように頷いた。


・・・


『へっ?俺がこれに乗るので?』

ロクが回転翼機の前で固まっていた。ジャガイモは、かさばるのでネオのアイテムボックスに全て収納したのだが、ドワーフの里に連絡していないので、誰かドワーフを連れて行った方がよいということになった。その結果、回転翼機の後席にはネオとロクが乗ることに・・・。ロクはまさか、回転翼機に自分が乗るとは思っていなかったが故に、驚いていたのであった。


『さっさと行くぞ!』

痺れを切らしたシャールカがロクを摘まみ上げ、後席に座らせ、シートベルトを付けさせる。ロクはシートベルトを知らないので、座席に縛り付けられてしまった状態なのだが、縛り付けたのがシャールカなので、一言も発しない。

(ありゃ・・・すっかり恐怖モードなのにゃ)

ネオは黙って後席に座った。


『いってらっしゃーい』

メリアとドワーフたちに見送られ、回転翼機は離陸していく。


周囲を見渡したシャールカは

(ラオカ村にでっかい農場ができたな・・・)

食料増産計画が上手く言っていることに頬を緩めるのだった。


・・・


『ちょ・・・長老!』

ドワーフの里で、ジャガイモ畑の手入れをしていた者たちが、慌てふためいて長老のところに駆け込んで来た。


『どうした・・・あれか?』

言い返そうとした長老は、視界に入っていた回転翼機に驚愕していた。何故か、新しく作られた街道からの道の上空を飛んでくる物体に驚きながらも・・・

(だぶん、大丈夫じゃろう)

楽観的な長老であった。


・・・


ドワーフの里の入り口に着陸した回転翼機からは、シャールカとネオ、少し遅れてロクが出てきた。


長老たちがどうしていいものが困って立ち尽くしているの見て、シャールカは、ゆっくり、長老に向かって歩いていった。


『私が、シャールカだ。この里の長老とお見受けする。ラオカ村で其方の同胞が生産したジャガイモを運ぶついでに訪問させてもらった』

そう言って、シャールカはネオを手招きする。


『ジャガイモは、ネオのアイテムボックスに入れてあるので、置く場所まで連れて行ってくれ』

シャールカの言葉に長老は慌てて頷くのであった。


・・・


『先ほどは失礼しました。あのような乗り物を見るのは初めての上、シャールカ様にお目にかかるのも初めてじゃったので・・・』

何とか取り繕うとする長老は、里の食料倉庫にネオを連れて行って、ジャガイモを出してもらった後、自宅にシャールカ達を招いていた。


『気にする必要はない。こちらも突然押し掛けたのだがら』

シャールカはそう言って笑ったのである。焦る長老の姿が面白かったらしい。


『長老。あれは、俺たちがラオカ村で作ったジャガイモです。遠慮なく食べてくれや』

『おお・・・ありがとう。これで、里の食料は大丈夫そうじゃ。道も出来たのでな。これからは、魔道具などを街に売りに行くようにするから心配はもうないぞ』

ロクの言葉に感謝しつつも、ドワーフたち自身で収入を得る方法を確保したらしい。


(いつの間に道を整備したのにゃ?)

ネオは、ガロータとニコレッツの間まで繋がっているという道に驚いていた。


『ネオ、街道整備のゴーレムを本部のユニットで試作したのだ。試すところが欲しくてな。調度いいからドワーフの里までの道を作ったのだ』

シャールカは、いつの間にか出来ていた道に納得できていないネオに向かって言った。どうやら、ネオとメリアがアミアなど、各地で報告という名の式典に駆り出されていたころ、指示をして作らせていたらしい。


『ドワーフは魔道具を作れる匠たちだ。道を作って、魔道具をゴンドア中に供給してくれれば、民の生活はよくなる・・・はずだ』

シャールカはそう言って胸を張った。ドワーフの作る魔道具は、調理の補助をするものや、照明、掃除の補助をするものなど、日常生活に役に立つものが多い。普及すれば、便利になることは間違いなかった。


『我々も、食料支援をしてもらって、魔道具が売れるようにしてもらって・・・ありがたいことじゃ』

長老は本音だったのだろう。目の前のシャールカがいるにも関わらず、呟くように言った。


『これからも、よろしく頼む。共にゴンドアを発展させよう』

シャールカはそう言うと、長老の手を取った。電気が走ったように体を硬直させる長老に、

『そんなに気にしなくてもよい。気楽にやっていこう』

シャールカはそう言ってほほ笑んだ。

ジャガイモの生産は順調?みたいです。


次を書くかは未定です。

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