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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第13章 新たな脅威
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第147話 本部にて・・・文明崩壊の真実

この世界の真相が明らかに・・・

『エリアパラライズ』

ネオが巣穴に発動した直後、巣穴から、魔力の反応が消えていく。


『ありゃ。ちっと強すぎた見たいにゃ』

ネオは思わず呟いた。


その言葉にメリアは頬を緩ませ、

『ちょっと回収に行ってきます』

トカゲ剣1を握りしめ、巣穴に入っていくメリア。


『手伝わないとにゃ』

後を追おうとするネオに、


『待て、お前はここで休んでいろ』

ワイバーンが止めに入ったのであった。


『にゃんで?』

ネオの言葉に


『あと5kmで合流地点だろうが・・・』

ワイバーンが呆れたように言った。ネオの魔力が途中からアップしたらしく、エリアパラライズを掛けても魔力が十分残るようになった。結果としては、討伐速度は更に早くなり、残り30kmの地点を過ぎてから、瞬く間に25km、5ヶ所の巣穴を殲滅していたのであった。


(合流地点で魔力が切れている状態はよくにゃいな・・・)

ワイバーンに言われてようやくその意味を理解できたネオは、大人しくメリアを待つことにしたのであった。


『お待たせしました』

収納袋いっぱいに魔石を回収してきたメリアが戻って来た。掛かった時間は僅か30分である。

(これだけあれば、一生何もしなくても暮らせるはずにゃのだが・・・)

ネオは心の中で思ったことを口にすることなく、収納袋をメリアから受け取ってアイテムボックスに魔石を仕舞うのであった。


・・・


ネオたちが合流地点に到着すると、シャールカと20体のゴーレムは既に到着していた。

『やっと来たな。これを見ろ』

シャールカが指さした先には、明らかに人工的な扉があった。


『実にわざとらしく隠してあったわ。ゴーレムたちにちょっと土を退かせたら結界が見えてな。私が結界に触れたら、消えてしまったのだ』

自慢げに話すシャールカに


『触った瞬間、何か起きていたらどうするつもりだったんですか。危ないじゃないですか』

メリアは叫んだ。

(おー怖! ルダを思い出すな・・・)

1000年前、彼女を守ってくれた近衛隊長を思い出すシャールカであった。


『そう怒るな。私が触れたら消える結界ということは、私に敵対している可能性は低いだろうと思う。早速、中に入ってみようと思うのが?』

シャールカはキーロックの部分を指さした。装置としては、管制所の業務エレベータに入るところや、パラストア空港の管制所入り口にあったものと同じように見える。


『番号を知っているのかにゃ』

ネオが聞くと、

『多分な』

と言うと、シャールカは“0”“8”“2”“4”を入力した。キーロック全体が一瞬光った後、扉は静かに開いたのである。


『一体何の番号だったのですか?』

メリアが聞くと


『子供のころ父に呼ばれてな。王家に伝わる秘密の番号があると言われて覚えさせられたことある。もっとも、この施設のことは教えてもらっていなかったから、何の番号かは知らなかったのだがな』

シャールカはそう言いながら、少し寂しそうだった。


扉の先は、ダンジョンの中のような四角い空間がまっすぐ続いていた。何故か、壁から光が出ているらしく、内部は明るい。


『さあ、中に入ろう』

シャールカの一言で、護衛のゴーレム10体に続いて、シャールカ、ネオ、メリア、ワイバーンと続き、10体のゴーレムが最後に続く体形をとり、集団となって中に入っていった。


・・・


しばらくすると、広いホールのような所に出たところ、何やら金色に光る石像のようなものを発見した。

(新人の神様に似ているがにゃ・・・ちょっと違うのにゃ)

ネオはダンジョンなどでよく見かけた新人の神様と微妙に違う石像を胡散臭そうに見ていた。


『神様の像に似ているが、お顔がちょっと違うな』

シャールカもネオと同様に気が付いたらしい。


最後に付いてきていた10体のゴーレムが中に入った瞬間。一行が入って来た入り口は、消えてなくなった。

と同時に、1体のゴーレムがこちらに向かって歩いてきたのである。


『ようこそおいでくださいました。私はここの指令ゴーレムです。あなたが、ゴンドアの正当な王位継承者にして、最後の王位継承者であることを確認しました。ここの施設は、ゴンドア王家のためのものですが、その機能は止められております。皆さまには、ここで死んでいただき、ゴンドア王国は滅んでいただきます』

そう言うと、何かの光が護衛をしていた20体のゴーレムに浴びせられた。そして・・・、ゴーレムたちはシャールカ達に襲い掛かった。


『何をする!』

シャールカはゴーレムの攻撃を避けながら叫んだ。しかし、20体のゴーレムはシャールカ達への攻撃を止めようとしない。


『ゴーレムは乗っ取られてしまったのにゃ』

ネオは、シャールカに襲い掛かるゴーレムをトカゲ剣2で切りつけ、シャールカへの攻撃を回避させながら叫んだ。

メリアとワーバーンもそれぞれ、ゴーレムの攻撃を避けているが、


『不利ですね』

『我でもこれは厳しいな』

メリアとワイバーンも形勢が不利であることを悟っていた。


(おかしいにゃ。本来、司令ゴーレムがシャールカを攻撃するはずはないのにゃが・・・)

ネオは、ゴーレムの攻撃を躱しながらその原因を考えた。だが、このホールのようなところにあるのは、敵になったゴーレム20体以外には、司令ゴーレムと新人の神様に似た金色の石像しかなかったのである。


(思い出すのにゃ・・・)

ネオは、ゴーレムの攻撃を躱しながら、

(確か、バルディカを倒しに行くとき、他の神様がいるようなことを言っていたにゃ)

新人の神様が

『そう言えば、最近、世界を作った若いのをN6276GPの神に紹介した』

と言っていたのを思い出したのである。


ネオは、このホールにある金色の石像をもう一度見た。

(あれは、新人の神様じゃない)

次の瞬間、

『ホーリーボルト』

ありったけの魔力を込めて、金色の石像に向かって稲妻を放った。一瞬、金色の石像から光が出たのち、爆散した。


・・・


『私は・・・どうしてしまったのでしょう・・・』

司令ゴーレムが呟いた。20体のゴーレムは、壊れたように動かない。


ゴーレムの攻撃を躱しきれず、シャールカ、メリア、ワイバーンは体中傷だらけになっていた。致命傷がないのが奇跡的な状態である。突然、停止したゴーレムに皆驚いでいるが、警戒は緩めない。


((???))

司令ゴーレムがシャールカの周りで動きを止めていたゴーレムを投げ飛ばし、シャールカの前に移動したかと思うと土下座の姿勢をとった。


『シャールカ様。申し訳ございません。私は、他の世界から来た神に乗っ取られておりました』

そう言って、先ほどネオは爆散させた石像のあった方を示した。


『シャールカ様を、現在のゴンドア王国王位継承者と認定します。なんなりとご命令ください』


言われたシャールカは勿論、ネオやメリア、ワイバーンも司令ゴーレムの豹変ぶりに言葉が出なかった。


・・・


司令ゴーレムの背後に、人のようなものが現れた。

『すまん』

そう言ってシャールカに頭を下げたのは、まぎれもなく“新人の神様”であった。


『先ほどネオが破壊したのは、N6276GPの神が設置した像だ。私の力では排除できなかった。おまけに、この空間に私が入ることすら出来ないように細工されてしまったのだ。更に、私の記憶から封印されていたことも解った』


『どういうことだ』

シャールカが、言葉を返す。


『ヒャッケラキアの危険性を察知した王・・・つまりそなたの父は、この施設を作ったのだ。正確には、いざというときのための避難と反撃のための戦力をここに追加設置した』

新人の神様が右手を振ると、ホールの先の壁が消え、何かの工場のようなものが現れた。


『ここにはパラストアを初めとする、ゴンドア王国の生産ユニット、建設ユニットが用意されていたのじゃ』

よく見ると、イパラ要塞の地下にある建設ユニットと似たものもある。


『ヒャッケラキアには女王がいるのは知っていると思うが、実は、ヒャッケラキアの女王というのは、ここにある管理頭脳・・・の指示で動く現場リーダーだったのじゃ』

新人の神様が指さしたところには、黒い、巨大な結晶のようなものがあった。

『ヒャッケラキアを暴走させようとしても、あの管理頭脳から指示をさせれば、ヒャッケラキア女王とヒャッケラキアを強制的に統率できるようになっていたのじゃ』


『デコルで倒したヒャッケラキア女王は、爆発したのにゃが?』

ネオは、首を傾げながら言った。


『そうじゃ。デコルにある高等訓練所にいるヒャッケラキア女王以外には、この管理頭脳からの強制信号を受けるユニットが組み込まれているのじゃ。お主の攻撃は、そのユニットを破壊してしまった結果なのじゃ』

新人の神様はうな垂れながら言った。


『どうして、デコルのダンジョン・・・高等訓練所のヒャッケラキア女王には無いのですか?』

メリアが疑問を口にした。


『ああ、あの訓練所自体がこの管理頭脳の管理下にあったからじゃ』

『ということは・・・。危険だったのかにゃ』

新人の神様の言葉を聞いてデコルのダンジョンをクリアすること自体が危険だったのでは思ったネオだったが、


『それは大丈夫だったのじゃ。何故なら、ここの管理頭脳には、あそこのヒャッケラキアを抹殺する権限しかなかったからなのじゃ。あそこのヒャッケラキアは、外に出ることが出来ないからな。最悪でも、戦闘途中でヒャッケラキアが消えるだけだったのじゃ。儂の石像は機能していたし・・・』


『それがわからん・・・』

ワイバーンが呟いた。


『ゴンドア軍が放った大量のヒャッケラキアは、この管理頭脳がヒャッケラキア女王を通じて指示していたのじゃ』

新人の神様が話した内容は、衝撃的だった。


『それってつまり・・・』

シャールカが言い掛けて言葉を詰まらせる。


『ヒャッケラキアでパラストアを襲わせたのは、N6276GPの神じゃ。奴が管理頭脳と司令ゴーレムを乗っ取ってやったことじゃ』

新人の神様の言葉に

『そんな・・・』

シャールカは呆然と呟いた。


『そして、全ての瘴気発生装置を止め、襲っていたヒャッケラキアを消した、お前の父が作動させた瘴気封印装置もN6276GPの神が用意したものじゃ』


しばらくの沈黙の後、

『許せん・・・N6276GPの神とやらのところに連れていけ』

シャールカが叫んだ。


『すまん。それは出来ない』

『何故だ!』

『N6276GPの神は、先日の不祥事・・・お前たちにバルディカを倒してもらった世界のことじゃ・・・で調査神により消滅させられた。もう存在しない・・・』

新人の神様は申し訳なさそうに言った。


『そんな!』

シャールカの絶叫が響いた。

強力な軍事力を持ったゴンドア・・・その軍事力のコントロールを計るために導入された施設が乗っ取られた結果、ゴンドア王国は滅亡したのでした。どんなに強い力があっても、その力を掌握できなければ、自らを滅ぼすのです。


追加版、本篇は終了です。ここまで読んでいただいた方々。ありがとうございました。


いつか、この先の出来事を追加の章を作って書きたいなあ~とは思っています。

(後日談的なものになる予定)

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