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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第1章 ダンジョン編
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第15話 ダンジョン8F

1990年代の秋葉原を思い出し・・・。

(にゃんだここは・・・)

8Fもダンジョンのようなのだが、壁になにやらびっしり記号というか文字というかが書いてある。それが、どういう訳か常にスクロールされて動いていて、見ていると気持ち悪くなる謎空間であった。

 いつものように、右手を壁にあててみると、壁ではあるらしい。


しばらく進んでいくと、前方に丸い小人のような、人形のようなものが現れた。


ネオが近づいていくと、一旦壁に吸い込まれるように消えた。

(怪しいにゃ・・・)

ネオが警戒しながら近づくと、突然、壁から体当たりしてきた。


(にゃ!!)

円い物体がネオの脇腹を直撃する。ネオは後方に弾き飛ばされた。


『俺は、バグ・・・プログラムに潜んでいて、突然、奇襲する天才!!』

円い小人がしゃべりだした。


(にゃ?さっぱりわからんにゃ)

ネオは右手をあごに宛て、バグと名乗った小人を眺めていた。


『バグ アタック!!』

丸い小人が、ネオに向かって飛んできた。


『ミサイルかにゃ』

ネオはショートソードで丸い頭を切りつけると、小人は爆発して消えた。


『ハハハ・・・また会おう』

どこから聞こえているのか解らないが、バグと称する小人の声がした。


(にゃんだあいつ・・・)


・・・


その後、壁にスクロールされている文字と記号の組み合わせが表示される空間を、気持ち悪くなりながら、ネオは進んでいた。


『消えろ!!』

少し移動するごとに、さっきの小人・・・バグが現れる。ショートソードで倒すことが出来るのだが、正直しつこく現れるので中々先に進まない。


(100匹は倒したはずにゃ・・・)

途中からいろいろ試してみると


『ホーリーボール』

『ホーリーヒール』

『ホーリーアロー』

『ホーリーアース』

『ホーリーウインド』


いずれでも、倒すことが出来ることが解った。

『プリフィケーション』

『ホーリーボルト』

を唱えても、何も変化もなく、バグにもダメージを与えることは出来なかった。


(面倒だにゃ・・・)

丁度200匹倒したところで、少し広い空間に出た。


(にゃんだありゃ?)

それは、見るからに体力のなさそうな、眼鏡をかけた少年のような姿をしていた。


『あんたはだれにゃ』

ネオが声をかけると、少年はネオに顔を向けたのち不気味にほほ笑んだ

『我はフォーミュラ。かつて、プログラマーのやる気を吸い取る魔王として君臨した』

そういうと、胸を反らせた。少年のように見えるため、特に胸部装甲はない・・・。


『今は違うのかにゃ?』

思わずネオが聞くと、フォーミュラは、顔を真っ赤にして怒り出した


『最近は見向きもされなくなってしまったわい。腹いせに成敗してくれる』

そういうと、謎の光線を発してきた、

ネオは、光線を避けることが出来ず、浴びてしまう・・・。

(何か疲れたような気がするにゃ・・・)


『どうだ、私のやる気減退光線の力は。お前のやる気を吸い取って消滅させてやるわい・・・ハハハ』


フォーミュラはどういう訳か、腰に手をあて、ネオを見て笑っている。


(にゃんと・・・マズイにゃ)

アイテムボックスから3Fで手に入れた剣(爬虫類型人型生物から手に入れた剣)を取り出し、眼鏡の少年に切りかかった。レベル10に上がった体は、明らかに、動きが早くなっていたが・・・


『ハハハ・・・そんなものあたらないよ』

フォーミュラは切りかかる寸前で消えてしまう・・・。


『ほい』

フォーミュラは突然、背後に現れて謎の光線を打ってきた。ネオはよけきれず光を浴びると、明らかに疲労感が襲ってきた。


『君に勝てっこないんだよ・・・ハハハ』

フォーミラーは楽しそうにネオを見る。


剣がだめにゃら・・・


『ホーリーボール』


火の玉が飛んでいくが、どういう訳か、フォーミュラをすり抜けてしまう・・・。

『そんなものをいくら打ってもあたらないってば・・・ハハハ』

フォーミュラが笑い出す。


(もしかして実体がないのかにゃ)


『にゃらば・・・』

ネオは剣を体の手前に掲げ、

『プリフィケーション』

何か確信があったわけではないが、実態がない相手に有効だった魔法を使ってみると・・・


『ギャー』

それまで、余裕だったフォーミュラが、右腕を突き出してもがきだした。

ネオは、咄嗟に突き出された右腕を剣で払うと、何と、今まですり抜けてはずが、切り落とせてしまった。


『右腕が・・・キーボードが打てない・・・』

フォーミュラが何か叫んでいるが、

(ここはチャンスだにゃ!!)

と力任せに、フォーミュラを袈裟懸けにすると、きれいにフォーミュラの体が切断されてしまった。

(ありゃにゃんと)


しばらく様子を見ていると、フォーミュラは、魔石を残して消えてしまった。魔石を回収すると、今まで、壁にスクロールされている文字と記号の組み合わせが表示されていたのが消え、ただの継ぎ目のない大きな石になっていた。


・・・


更にダンジョンの捜索を進めていくと、途中から、壁にスクロールされている文字と記号の組み合わせが表示される空間になっていた。


(ということは、もう1匹ボスがいるにゃ)


気持ち悪くなりながら、進んでいくと、何かが現れた。


『バグ君登場!!』

その姿は、元の世界で見た1枚の写真に似ていた。それは、事務所の中で、”ぎんこういん”と名乗る人が見せていたパンフレットで、

“夢を食べて大きく成長します”

などと書かれていたものであった。


(にゃんか見たことあるにゃ)

ネオが様子を見ていると、


突然、口を開け何か吸い込むような真似をし始めた。


(にゃんと、やる気が失せていくにゃ・・・)

ネオは何かよくわからないが、気力のようなものを吸われている気がした。


『ホーリーアロー』

ネオの手から、バグ君に向かって矢が飛んでいく・・・当たった瞬間。バグ君は消えた。

『また、会おう。私は不滅だ!!』


その後、バグ君は何度も現れ、魔法の攻撃や剣で攻撃すると消えたが、そのたびに、

『また、会おう。私は不滅だ!!』

といい残すというのを繰り返していた。


(面倒だにゃ・・・)


何回繰り返したかわからなくなったころ、先ほどと同じような広い空間に出た。そこには、眼鏡をかけた少年が立っていた。


『我は、ウイザード。お前の経験値を吸い尽くしてやる!!』

そういうと、フォーミュラのときと同じような謎光線を打ってきた。慌てて横に跳び光線を避けると、ネオは剣を体の手前に掲げ、

『プリフィケーション』

と唱えた後、

『ホーリーアロー』

を3発ウイザードに連打した。


『なんで・・・』

ウイザードは魔石を残して消えた。


『同じ手は通じないにゃ』

そうつぶやきながら魔石を回収した。


・・・


フォーミュラを倒したときと同様、壁にスクロールされている文字と記号の組み合わせが表示されていたのが消え、ただの継ぎ目のない大きな石になっていた。

(変なやつだったにゃ・・・)

更にダンジョンを進んでいくと、見覚えのある石像が見えてきた。


ネオが石像に近づくと、ネオは光に包まれた。

『ダンジョン8Fを初めて制覇した勇者よ。褒美にいままでの経験値をレベルに変換してやろう。お前はレベル12になったぞ・・・ハハハ。ワンパターンと言われそうだからな、すぐ脇に休憩所を用意した。ここが、最後の休憩所だよ♪ ハハハ・・・』

最後は謎な笑い声と共に、レベル神と思わる石像は消滅し、ネオを覆っていた光も消えた。

(たいして変わらないにゃろ・・・)


石像が消えた後、その先に下に降りる階段と、右に2Fにあったのとそっくりな“休憩所”があった(中の作りも2Fと同一の作りにゃ)。

ネオは休憩室に入るとベットに横になった。

おやすみなさい・・・

PCソフトの世界の闇?

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