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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第13章 新たな脅威
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第139話 ワイバーンとのお話

『ばいばいにゃ』

ネオ達は、シャノンちゃんの家に一泊したのち、北門からプロボディスの村を目指す。


多少遠回りではあるが、リクとレクがいるので無理はしない。プロボディスの村の村で一泊した後、ワイバーンの里に向かう予定であった。


『この辺りって魔物が多かったはずですけど・・・』

リクが思い出したように言った。ドワーフといえども、魔物に襲われると危険であることは変わらないので、街に出る時は警戒していたらしい。


『そうにゃ・・・以前来た時は、村にオーガが沢山来たにゃ』

『そうでしたね』

ネオとメリアにとって、オーガは大した脅威ではないため、淡々と話していたが、リクとレクにとっては違った。

((怖い~!!))

リクとレクは心の中で叫んだのであった。


・・・


『4人にゃ』

プロボディス村の1軒宿である“冒険者の宿 ワイバーン”に入ると、銀貨20枚を出したネオに

『確か、オーガから村を助けてくれた方ですよね』

受付の女の子が言った。

(覚えていたにゃ)


『そうにゃけど。普通に止めてくれればいいのにゃ』

そう言って部屋の鍵を受け取ったネオは奥に消えていく。慌てて、3人が後を追った。


『明日はワイバーンの里に行くからにゃ。よく休むのにゃ』

夕食までまだ時間があるため、各自、自分の部屋で休憩するようにしたのであった。


・・・


『寂しいにゃ』

夕食が出来たというので、4人で1階に降りていくと、宿の主の男と先ほどの女の子がいるだけであった。どうやら、他に客はいないらしい。


『最近、狩りで獲れる獲物が少なくなったらしくて、冒険者もこなくなったんですよ・・・。ガロータもかなり復興したし・・・』

獲物が減って、ここでの狩りは割が悪くなったらしい。


『ここは土地が痩せていてね麦は育たない・・・らしい。そう、先祖から聞いた』

宿の主は諦めたように厨房に消えていった。用意されていたパンとスープを食べていると、突然、入り口が開き、村人と思われる男が覗き込むように頭だけ宿の中に入れると


『た・・大変だ。オークの群れがやってくる。直ぐに来てくれ』

どうやら、宿の主に言ったらしい。他に連絡する必要があるのか、叫んだ男はすぐに出ていった。

厨房から弓を持った宿の主が出てきた。


『ちょっと狩りをしてくるから・・・』

そう女の子に言う姿は絶望といった感じを全身で表したように覇気がなかった。


『メリア。運動しに行くのにゃ』

『はい』

ネオの言葉に返事をするメリア。パンを口に押し込み、残りのスープを流し込んでいく。


『リクとレクはちょっと待っていてほしいにゃ』


そう言ってネオをメリアが出ていくのだった。


・・・


『あれだにゃ』

『ですね』

門を閉めて、蒼白な顔で弓を構えている村人を横目に、壁を飛び越えていくネオとメリア。村人たちはあっけにとられなからも、オーガに襲われたときのことを思い出したらしい。ネオとメリアを指さして、なにか言っている。


オークは20匹ほど集団になって村の門めがけて走ってきていた。

『ホーリーウインド』

ネオの放った三日月の刃がオークを上下に切り裂いた。20匹のオークはネオの1撃で全滅してしまったのである。その様子を見て、村から歓声があがる・・・が、


『まだ来るぞ!』

見張りをしていた村人が叫ぶ。よく見ると、砂埃を上げている集団がこちらに向かってきていた。


『あれはにゃんだろうか?』

オークやオーガにしては、やたら早く、と言って、馬にしては、ネオが感知する魔力が大きすぎた。そう・・・オーガくらいの魔力をもったものが10匹ほど、こちらに向かって来ていた。


『オーガ並みの魔力・・・早い・・・』

メリアがネオの呟きを聞きながら自分も呟いていた。


『ケンタウロス!』

『ケンタウロスにゃ!』

そしてほぼ同時に同じ結論に至った。そして、その集団は、答え合わせをするまでもなく視界に見えてきたのである。


『ホーリーアロー』

『ホーリーアロー』

『ホーリーアロー』

『ホーリーアロー』

『ホーリーアロー』

立て続けに5本の魔法矢を放つと、それらはケンタウロスの頭部を直撃。頭部を失ったケンタウロスは、制御を失って少し走った後、その場に立ち止まった。残りのケンタウロスが接近して来るのを見たメリアは、トカゲ剣1を抜刀、ケンタウロスに突撃していく。


『ありゃ・・・』

1分としないうちに、メリアが5体のケンタウロスの首を落としていた。出遅れたネオはトカゲ剣2を持ったまま立ち尽くしていたのである。


『早く魔石を抜いてください』

メリアに急かされて、我に返るネオ。

『わかったにゃ』

慌ててケンタウロスの体から魔石を回収するのであった。


・・・


『また今回も・・・なんとお礼をいってよいやら』

前回同様、村長以下、勢ぞろいでネオとメリアの前に並んでいた・・・いや、土下座せんばかりに座っていたのである。


『魔石は回収したからにゃ。倒した魔物はあげるのにゃ』

ネオの言葉に


『オークは判るのですが、あの馬みたいなのは何なのでしょうか』

村長がネオに尋ねた。


『あれは、ケンタウロスという魔物にゃ。食えるかはわからにゃい』

村人たちの話では、ケンタウロスが現れたことは無いらしい。見たことがないとのことだった。


『結局、オークは村人たちで解体。ケンタウロスは穴を掘って埋めることになった』

そして、今回もオーク肉を使った料理で皆が宴会を開くことになってしまった。だが、誰も酒を飲もうとしない。ネオには好都合ではあったのだが、異常に見えたネオは


『今回は、誰も酒を飲まずにオークを食べているのにゃ』

と村長に言うと


『お恥ずかしい限りですが、狩りの獲物が減って誰も酒を買えないのです』

そう・・・宿にも酒が無かったのである。


『ここは麦が育ちません。この先どうすればいいのか・・・』

ネオが横を見ると、いつの間にかリクとレクが来ていたのである。


『ネオさん。この人たちにも種芋を分けてあげてください』

リクがネオに言った。

『いいのかにゃ?』

『大丈夫です。いくらか余分にあるはずですから・・・』

いつの間にかメリアも来ていたのであった。


ネオは、アイテムボックスから種芋を取り出すと

『村長さん。これはジャガイモもいうものにゃ。痩せた土地でも育つ作物にゃ』

その言葉を聞いて村長の目が輝いた・・・。


『これが、アントラニア王国で栽培され始めたというジャガイモですか。何とか手に入らないかと、ガロータの街に聞きに行ったのですが見つけられなかったのです。どうか、これを売っていだだけないでしょうか』

懇願し始めた村長に


『これは、ドワーフの里に持っていく分だったものの一部なのにゃ。リクとレクがいいというからあげるのにゃ』

そう言って、一袋のジャガイモを村長に手渡した。


・・・


翌朝、出発前に、急ごしらえで作った村の中の畑にジャガイモを植え、栽培方法を説明するメリア・・・。シャガイモの栽培方法はメリアの方が詳しくなっていたのであった。

(いつの間にか、メリアの方が詳しくなってしまったのにゃ)

メリアが成長しているようでうれしいような、追い抜かれて寂しいような複雑な気持ちのネオであった。


ほんの少量だったこともあり、1時間もしないで、メリアの説明は終了した。


『ばいばいにゃ』

ネオたち4人は村人たちに見送られ、村を出て、東に向かった。


途中、何故かオークが3匹いたので、パラライズで仕留め、メリアが魔石を抜いていく・・・

(ワイバーンへの土産が出来たにゃ)

その直後、ネオの視界を遮るものが現れた。咄嗟に横に裂けた直後、ブレスがネオのいた所を通過していく・・・。


『久しぶりだにゃ』

ネオは現れたワイバーンに言った。


『避けるだと・・・あっ!あの時の・・・』

ワイバーンもネオに気が付いたらしい。本能的に勝てないことを察知したワイバーンは

『すまん。許してくれ!』

とネオに縋り付いてきた。


『ワイバーンに相談があるのにゃ。里に連れて行ってほしいのにゃ』

命乞いをするワイバーンをなだめ、先導させて里に着くと、事前に仲間から連絡が言っていたのか、そのまま長老のところに通された。


『久しぶりだにゃ』

長老に声を掛けるネオに


『つい先日来たばかりだろうが・・・』

1500年も生きている長老には、1,2年などつい最近のことになってしまうらしい・・・。


『今日は何用だ!』

長老は、老い感じさせない声で叫んだ。この声に、周りのワイバーンやリクとレクはもちろん、メリアまでが驚いていたのである。


『ローラシア山脈の東側にヒャッケラキアの反応があるのにゃ。シャールカから何とかするように言われているのにゃ。協力してほしいのにゃ』

ネオは、正直に言った。


『やはりの・・・我らは、ローラシア山脈の西側を狩場にしているので、影響はないのだが、ドワーフは困っていたのかの?』

長老は、同席しているリクとレクを見ながら言った。


『はい。狩りの獲物はほとんどいなくなってしまい。食料援助なしには生きていられない状況です』

レクが答えた。


『このあと、ドワーフの里に寄った後、ローラシア山脈の東側を北上して、途中にいるヒャッケラキアを駆除する予定なのにゃ』

『それを手伝えと・・・』

ネオの言葉に長老が短く答え、ネオを睨んだ。


『わかった。息子を付けよう。だが、ローラシア山脈の東側にいるヒャッケラキアは、人間の悪行の結果だからな。本来、人間が何とかしてもらわなくては困るのだぞ』

長老はそう言って、後ろの戸を開けると、見覚えのあるワイバーンが隠れていた。長老は隠れていたワイバーンの方を向くと


『盗み聞きの罰として、ネオ達に同行し、ヒャッケラキアを殲滅してこい。殲滅するまで里に戻ることを禁ずる』

そう言って睨みつけた。


『そんな~おふくろ。かあちゃんには会わせてくれよ~』

何か情けないことを言っているワイバーンに


『ダメじゃ』

冷たく言い放つ長老であった。


気まずい雰囲気を何とかしようとしたネオは

『これは、ささやかな土産なのにゃ』

そう言って途中で狩ったオーク3匹を出すのであった。

ワイバーン曰く

『我々は小食だ』

あくまでも、ワイバーンの意見です

本当は???ということで。


次回は未定です。

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