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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第13章 新たな脅威
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第137話 ドワーフ村食料支援とラオカ村のドワーフ農場

シャールカによる緊急食糧支援作戦。

とりあえず、ドワーフたちを家の中に入れる。ミラが連れてきたドワーフは5人いた。


『・・・ということなんだよ』

ミラは、ネオ達に事情を説明し始めた。それによると、ドワーフの村の食料事情が更に悪化して、ミラたちの支援食料くらいしか手に入らなくなってしまったらしい。魔物が全くいなくなったそうだ。その為、ドワーフの村から5人がミラに救援を求めてきたという。ちょうど、ジャガイモとトウモロコシが収穫出来て、種を確保できる見込みが立ったところである、ラオカ村のところに来たのだ。


『すまない・・・助けてほしい』

ミラが頭を下げた。

その様子をじっと見ていたネオ、メリア、シャールカであったが、


『分かった。ゴンドアの民は私が守る。責任をもってドワーフの村に食料を届けよう』

シャールカが、ミラたちに叫んだ。


『あの・・・こちら様は?』

ミラが恐る恐るネオにシャールカを指さしながら聞いた。


『シャールカだにゃ』

ネオの言葉に、ミラと5人のドワーフが一斉に土下座した。


『どうかご無礼をお許しください』

必死に叫ぶミラであった。


・・・


『そんなにかしこまるな。ドワーフもゴンドアの民である。ちゃんと守るから安心しろ』

そう言い放つシャールカに怯えるドワーフたち。


『ロクたちを連れてくるのにゃ』

ネオがメリアに言った。慌ててメリアがロクたちが寝ている家に向かう。


程なく、ロクたち3人はメリアの家にやって来た。

『お前たち・・・どうした!』

5人の仲間を見たロクたちは酔いがさめたらしい。


『このままじゃ、みんな飢え死にじゃ!』

5人の中で一番年配そうなドワーフが叫んだ。その言葉にロクたち3人は青くなる。何せ、仲間たちが飢えている時、たらふく食べて、酒を飲んで寝ていたのだから・・・。


『では、ロクと5人が残って、ラオカ村の開拓を続けながら食料を生産する』

ミラの言葉にドワーフ8人が頷いた。


『リクとレクは、出来た芋とトウモロコシの種をもって、ドワーフの里に向かう』

ミラの言葉に再び頷く8人のドワーフ。


『サマランドから麦を持ってきているので、それを明日飛行機で運んで、ドワーフの里へ投下する。200kgくらいあれば、しばらく持つだろう・・・』

シャールカの言葉にネオとメリアが頷く。

『ミラさんが手紙を書いて、投下する荷物に付けたほうがいいと思います』

メリアの言葉に


『それがよい。同胞の手紙があった方が信用してもらえるだろう』

その言葉に、泣きそうになりながら、頭を下げるミラ。後ろで8人のドワーフがシャールカを拝みだした。

後続の食料支援は、ゴンドアが責任をもって行うこととしたのであった。


ネオとメリアは、魔物の異常を調べるためにローラシア山脈の東側をしていくことを伝えると、

『一緒にドワーフの村まできてください』

リクとレクに懇願されてしまうのだった。


『途中、ワイバーンの村に寄るがにゃ?』

気になったネオが言うと、


『ワイバーンの村は隣なので、僅かですが交流があります。問題ないです』

リクとレクに断言されてしまったのである。


(ということは、ワイバーンの村は大丈夫かにゃ?)

ワイバーンのことが心配になったネオであった。


・・・


翌日、シャールカ、ネオ、メリア、そしてミラがプリンセスシャールカ号に来ていた。護衛たちは、ラオカ空港で待機である。後部座席を転換し、貨物ドアを取り外したプリンセスシャールカ号に


『こんなことも出来るのだな・・・』

シャールカは感心しながら言った。麦は、20kgずつ袋に入れられ、空から投下したら、傘が開くように布のパラシュートのようなものをセットしておく。全ての袋にミラの手紙を入れた。どれが、ドワーフの村に届くかわからないための対策であった。

パラシュートは、ゴンドアのパイロットの知識の中にあった、物資投下用知識にあったものである。

(こんな使い方をするのだにゃ)

ネオは、知識としてインストールされていた上空からの投下作業の手順を思い出していた。


シャールカの操縦に、右席にミラを乗せ、転換した後部座席にはネオをメリアが食料投下要員として乗り込む。貨物ドアを外したプリンセスシャールカ号は、何とか離陸した。


(姿勢がとりにくいな)

シャールカはなかなか安定しない機体を何とか操縦しながら、ローラシア山脈の南端を目指していた。


『南端にはワイバーンの里があるのさ・・・その1つ峰を超えた所がドワーフの村だ』

ミラはそう言って地上を見るが、上空から見るのは初めてということもあり中々見つけきれないらしい。


『あれ・・プロボディスの村では?』

メリアが指さした方向には、壁で囲まれた村が見えた。


『多分間違いないにゃ』

ネオが答える。


『どっちに行けばよいのだ』

シャールカの問いに


『あの村の東30kmのところにワイバーンの村があるのにゃ。ドワーフの村はその先の峰を超えたところにゃ』

ネオに説明に


『わかった』

そう言って進路を東に取るシャールカであった。


しばらく行くと・・・ワイバーンが飛んできた。機内から手を振るネオとメリアを確認すると、ワイバーンは離れていった。その光景に顔を引き攣らせているシャールカとミラであった。

『お前たち・・・顔が広いな・・・』

シャールカは思わず呟いた。


・・・


『あれだ。間違いない』

ミラが山の麓を指さした。シャールカが覗き込むと、村らしいものが見える。


『シャールカ。村の真上に向かって飛んでにゃ』

村の周辺は少し開けたところがあり、その開けたところを狙って投下していく、目論見通り、傘が開いて、麦はゆっくり降下していく。奇跡的に、全ての袋が村周辺の開けたところに落ちたのを確認した後、旋回しながら様子をみていると、ドワーフと思わしき人たちが、袋の所にやって来ていた。


しばらく様子を見ていると、何人かのドワーフがこちらに手を振っている。

(多分大丈夫だろう)

『とりあえず帰るぞ』

シャールカは機首を西に向けた。


『ありがとう』

ミラはドワーフが手を振っているのを確認したのち、そっと呟いた。

BE36は貨物ドアを外せるようになっています。パラシュート(落下傘?)を付けた食料投下作戦でした。災害支援とかで出来ないものですかねえ~(熊本地震を振り返って思う事です)。


次回は未定です(多分、時間が出来たら書きます)。


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