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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第1章 ダンジョン編
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第13話 ダンジョン5Fと6F

『神様に逃げられたにゃ・・・』

夢に出てきた新人の神様が言うには、このダンジョンは10Fまであるらしい。

一体どこまでレベルが上がるのか不明だが、行くしかないだろう・・・。念のために設けていていた壁を解除すると、ハイオークが最初にいたあたりに下に降りる階段があった。


・・・


 5Fは一面の湖であった。正確には、水面に5つの島があって、飛び石のように渡っていけるようになっている。降りた階段の一番下の段に、一冊の本があった。見た目が2Fで見た本(魔導書)とよく似ているが色が水色である。とっても気になるが、まず他の島の様子を確認すると、各島に2足歩行のトカゲがウロウロしていた。3Fにいた爬虫類型人型生物とは違い、剣を持った完全な2足歩行の戦士の姿である。

(3Fの爬虫類型人型生物より強いのだろうにゃ)

だが、こちらの島にやってくる気配はない。どうやら、この島にいる限りには安全なようだ。

 本を手に取ってページをめくっていく。何が書いてあるかはさっぱり解らない・・・。すべてのページを見終わると、ネオの中に何かが入ってくる感覚あった。

(2Fの時と同じ・・・)


ネオは島の端までくると

『ホーリーウォーター』

と唱えてみる。そして、恐る恐る、水面に足を乗せると・・・。

(水面に立ってる・・・)

この世界のホーリーウォーターとは、水上歩行の魔法らしい・・・。

しばらく、島の近くの水面を歩いてみる。特に問題はなさそうだ。


よく見ると、今立っている水面から一番近い島にいたリザードマン(勝手に名付けた)たちが島の端に集まっている。どうやら、このリザードマンたちは、水には入れないらしい・・・。

(ということはだ・・・)


『ホーリーウインド』

こちらに集まっているリザードマンたちに、攻撃してみると、10体はいたであろうリザードマンの体は、全て、上下に別れていた。

(威力あがってないかにゃ?)

しばらくすると、魔石を残し、リザードマンたちは消えたので、その島に上陸。全ての魔石を回収した。

(もしかして、ここも楽勝?)


・・・


残り3つの島についても同様の方法でリザードマンを全滅させることが出来た。

(この階は楽勝にゃ)


すると、今まで何もなかった水面に1つ島が出てきた。見ると、一回りは大きいリザードマンがいる。

(奴がボスかにゃ)


『よくも、かわいい部下たちを皆殺しにしたな。絶対に許さん!!』

(なんか怒ってるにゃ)


そういうと、剣を構えたまま、水面をそのまま走ってきた。

(げっ!水面走っているにゃ)

しかし、何故か力が入らない・・・。その走りは、エリマキトカゲが剣を持って走っているような姿にしか見えなかった。

(ぷっ!)

ネオは剣を構えることも忘れて、吹き出してしまった。

そうしているうちに、リザードマンは島に上陸してきた。

ネオは慌てて剣を構える。


『私はここの警備隊長である。部下を皆殺しにしたお前を生きて返すわけにはいかん』

そういうと、こちらに向かって切りかかってきた。ネオは持っていた剣で、リザードマンの剣を受ける・・・

(あれ、どうして受けれるのにゃ?)

剣について教わったこともないにも関わらず、リザードマンの剣を受けるネオ。

『お主、剣技は出鱈目なのに、どうして私の剣を受けれるのだ!!』

何やらリザードマンは騒いでいる。


しばらく、剣による応酬が続いたが、ネオにとって素人である剣は分が悪い。一瞬の隙をついて、リザードマンの足元に小さな壁を作ったところ、見事に躓いてくれた。

『ホーリーアロー』

魔力を込めた矢をリザードマンに放つ。リザードマンは避けようとしたが、右脚に矢が直撃。その場に転んでしまった。


『勝負ありだにゃ』

『殺せ!!』

ネオの言葉にリザードマンの苦しそうな声が返ってきた。

剣で止めを刺すのは危険とみて、狙いを定め、


『ホーリーアロー』

今度は、胸を矢が貫通した。


『無念』

そうリザードマンは言い残し消えていった。


魔石を回収すると、先ほどリザードマンが現れた島に見覚えのある石像があった。


・・・


石像に近づくと、ネオは光に包まれた。

『ダンジョン5Fを初めて制覇した勇者よ。褒美にいままでの経験値をレベルに変換してやろう。お前はレベル9になったぞ・・・ハハハ。なお、このまま6Fにすぐ行くように!!』

最後は謎な笑い声と共に、レベル神と思わる石像は消滅し、ネオを覆っていた光も消えた。


『なんか、余計な言葉が追加されたにゃ』

ネオが呟くと、

『ワンパターンとかいうからじゃ。とっとと6Fに行け!』

新人の神様の声が、どこからともなく聞こえたのであった。


・・・


神様の指示に従い、石像のあったところに現れた階段を降りていった。渦巻状にダンジョンが続いている。道の選択肢がないので、悩むことはないが、何が出てくるのかと警戒しながらすすんでいくと、突然、大きな体をした化け物が現れた・・・。

 オスターから、オーガという化け物がいるらしいとは聞いていたが・・・どうやらこいつのことらしい。力が強そうなので、体力勝負は分が悪い。なので。

『ホーリーボール』

今までと同じ感じで使ってみたにも拘わらず、どう見ても、巨大な火の玉がオーガ目掛けて飛んでいった。

(ありゃ・・・どういうことにゃ)

オーガは火の玉が直撃した後、魔石を残して消滅していた。どうやらレベルが上がったことにより、威力が上がっているらしい。その後、何体かオーガが現れたので、


『ホーリーウインド』

『ホーリーアロー』

と攻撃魔法を試してみるが、いずれも、オーガを一撃で粉砕してしまった。

(何か、ものすごく強くなっているみたいだにゃ)


また、魔力の使い過ぎによる疲労も感じない。おそらく、魔力量が増加しているからなのだろう・・・。


そんなことを確かめながら進んでいくと、突然、森に出た。いや・・・正確には周囲が森林で覆われた祭壇のある場所に着いたといったほうがよい。


祭壇には、魔導書と思われる金色の本があった。

(これは手に入れなければにゃ)

ネオは思ったが、この祭壇を護るように5体のオーガが剣を構えている。


(さっきまでのは、何も持っていなかったのににゃ。面倒だにゃ)


ネオが近づいていくと、真ん中にいた1体がしゃべりだした。


『我は、祭壇の守備を明示られたもの。何人たりと、祭壇に近づくことは許さん』

(ああ・・・厄介だにゃ)


オーガの話を無視して祭壇に近づくと、5体のオーガは剣を構えて、ネオに迫ってきた。

(さすがに剣で5体と闘うのは厳しいよね・・・)

『ホーリーウインド』

いつもより、ちょっと魔力を込めて放ったそれは、5体のオーガを上下に切り裂いた。


5体の内、先ほどしゃべっていた1体がそれでもなお、生きているらしく、

『無念』

とか言っている。もう、動けないはずなので、無視して祭壇に近づくと、謎の結界があって祭壇と、そこにある本に触れることが出来ない。どうやら、この5体を屠ってやらないと、結界が解けないようだ。

下手に近づくと、思わぬ反撃を受けかねない感じなので、


『ホーリーボール』

を生きていた1体に放ち、黙らせた。5個の魔石を回収すると、謎の結界もなくなっていた。


・・・


金色の本を手に取ってめくってみる。やはり、中身はチンプンカンプンである。にも拘わらず、最後のページを開いた後、本を祭壇に戻すとネオの体に何かが入ってくる感覚があった。思わずネオは

『ホーリーボルト』

と叫んだ瞬間、手の先から稲妻が走り、その先にあった森林を炭にしていた。

(なんちゅう威力にゃ・・・)

祭壇にはほかになにも無いようなので、そのままダンジョンを進んでいく、よく見たら、森の端にダンジョンに続きがあったのである・・・。


歩いてすぐに、ドアのついた部屋を発見した。特に鍵は掛かっていない。

ドアを開けてみると、1Fや2Fにあった休憩室がここにもあった。この部屋は、何と、温泉付きらしい・・・

(温泉付きとは面白いが、ボスを倒さないとオーガが出てくるかもしれないにゃ)

元々猫なので、風呂の習慣はなく、その必要も感じていなかった。だが、人間の体になるとそうはいかないらしく、多少、匂う気がする。体を拭きたいと思っていたところだったのだ・・・。


部屋の存在を確かめた後、ふと横を向くと、そこには、剣を持ったオーガとその後ろに見慣れた石像、下につづく階段が目に入った。

(これをクリアしたら、休憩ということですにゃ)


『ホーリーボール』

オーガに向かって試しに放ってみるが、何と、このオーガが、剣で払ってしまった。どうやら、他のオーガより頑丈らしい。思っているうちに剣を振りかざしてきた、慌てて右によける。辛うじて間に合ったが、当たっていれば、致命傷になりかねない威力であった。


『ホーリーアロー』

今度は、矢を放ってみたが、何と、このオーガは矢も剣で払ってしまった。明らかに、今までとレベルが違うようだ・・・。その後、オーガの剣を直前で躱しながら3種類の攻撃魔法を使ってみたが、これらは、あたっても大したダメージを与えられないことが解った。

(なんてやつにゃ!!)

何度目か忘れたが、オーガの剣をよけた瞬間、ネオはバランスを崩して、転んでしまった。

オーガはここぞとばかりに剣を振り上げてきた。

(ヤバイ、やられるにゃ!!)

思わず、渾身の魔力を込めて

『ホーリーボルト』

と叫ぶと、巨大な稲妻がオーガを襲った・・・。

(ありゃ)

ネオがオーガを見ると、絶命こそしていなかったが、黒焦げになって瀕死状態になっていた。

ネオは、アイテムボックスから剣を取り出すと、両手に構え、オーガの近くにくると、心臓を一突きにした。

 魔石を残して消えていくオーガをただ、ネオは見ていた。

(勝ったにゃ)

完全にオーガが消えて、ネオが魔石を手にしたとき、ネオは光に包まれた。

『ダンジョン6Fを初めて制覇した勇者よ。褒美にいままでの経験値をレベルに変換してやろう。お前はレベル10になったぞ。ゆっくり休憩室で休むがよい・・・ハハハ』

最後は謎な笑い声と共に、レベル神と思わる石像は消滅し、ネオを覆っていた光も消えた。


ネオは休憩室に入るとベットにダイブした。

おやすみなさい・・・。

爬虫類型人型生物とリザードマン・・・。ここではリザードマンは戦士になっています。

次回の投降は8/26の予定です。

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