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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第12章 新生ゴンドアの発展
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第118話 シャールカ専用機

『実はBE36型を1機作ってほしいのだが・・・』

空港建設の話を終えたシャールカはゴーレムに話しかけた。


『シャールカ様用の機体でしょうか』

ゴーレムは予想していたかのように答えた。


『そうだ。サマランドからの移動に使いたい』

シャールカは、サマランドとパラストア空港の間を飛行できれば、便利だと考えたのだが・・・


『どうぞこちらにお越しください』

ゴーレムに促されるまま、施設の奥に移動すると、広い空間に出た。そしてそこには、1機のBE36型飛行機が用意されていたのである。


『これは・・・?』

予想外の出来事に驚くシャールカ。


『はい、ここは、BE36型飛行機の生産エリアです。この奥で必要なあらゆるパーツが作れるようになっており、ここで最終組み立てを行います』

よく見ると、床には魔方陣が書かれていた。

3人が床の魔方陣に気が付いたことを確認したゴーレムは、


『この魔方陣は、飛行訓練センターの格納庫に転移するようになっています。完成後、飛行訓練センターに移動して、最終テストフライトを行ってから引き渡しとなります』

ゴーレムの説明に頷く3人。


『で、目の前にある機体には何か書いてあるのだが・・・』

シャールカが頬をやや赤くしながら言った。


『はい。これは、プリンセス シャールカ号でございます。南東伯のご命令により、シャールカ様にお渡しするようにご指示を受けておりました。この機体は、ゴンドアの管制システム上、“シャールカ”と認識されるようになっております』

真っ青な機体に、赤のラインが2本入った、特別塗装機になっており、機体番号のところには番号ではなく“SYARUKA”と書かれていた。


『これは、どこまで生産された状態なのか?』

シャールカは顔を引き攣らせながらゴーレムに聞くと


『はい。いつでも飛行訓練センターに送ることが出来る状態です。後は、最終のテストフライトのみです』

その言葉に嬉しそうな顔をするシャールカ


『では、早速送ってもらって、飛行テストをしないといけないな』

シャールカは自ら操縦する気で答えた。自分専用機が用意されていたことに満足していたのである

(さすが叔父上、素晴らしい!!)


『シャールカ様。テストフライトは、我がユニットのゴーレムが担当いたします。引渡し前の機体にシャールカ様に乗っていただく訳にはまいりません』

ゴーレムの口調が今までと違って厳しいものになっていた。恐らく、引渡し前の機体に欠陥があった場合も考えて、シャールカを乗せないように、ゴーレムにINPUTされているのだろう。


(叔父上は先を読みすぎ!!)

シャールカはガックリと首をもたげた。


・・・


その後、ゴーレムには、空港用のゴーレムの作成を指示、また、過去に破壊してしまった飛行訓練センターとパラストア空港の警備ゴーレムの代わりの作成も指示した。特に問題なく作ることが出来るらしい。各空港へは転移が可能らしい(但し、空港からこのユニットへの搬送は出来ないらしい)空港にあるゴーレムコントロールシステムに存在するとのことであった。

(もしかして、昔は、追加でゴーレムが送り込まれるようになっていたのかもにゃ)


最後は説明の対応をしたゴーレムに見送られ、

『それでは、空建設予定地に魔方陣を設置されるのをお待ちしております』

と言われながら、転移魔方陣でイパラ要塞の地下に戻ったのであった。


・・・


『シャールカ様。どちらに行かれていたのですか!!』

戻ってくるなり、沢山の兵士達と共に、アストラル(南東伯)エリザベート(参謀)がいたのである。


『ひ・・久しぶりだな。南東伯』

思わず答えたシャールカの声はオクターブ高くなっていた。


そのまま、イパラ要塞内の部屋に案内されたシャールカ、ネオ、マリアの3人は、アストラル(南東伯)エリザベート(参謀)の質問攻めに会っていた。


『誰にも言うなよ・・・ここからは、ゴンドアのゴーレム、飛行機、空港建設の施設に転移出来るようになっているのだ』

シャールカは白状せざるを得なかった。その内容に驚くアストラル(南東伯)エリザベート(参謀)


『つまり、この大陸には、古代文明のゴーレム、飛行機、空港建設の施設があるのですか!』

アストラル(南東伯)エリザベート(参謀)が同時に叫んだ。


『そうだ。だが、予想通り、私にしか反応しない転移魔方陣だった』

その言葉に首を傾げるアストラル(南東伯)エリザベート(参謀)


『実はな、この施設を叔父が作っていたとき、私は叔父に呼ばれてここに来たことがある。その時、私の魔力パターンを記憶した転移魔方陣を作ったことを思い出したのだ』

シャールカの説明に、頷くアストラル(南東伯)エリザベート(参謀)


『これは、1018年に亡くなった当時最後のホーリートランスの術者によって私の魔力パターンに反応する転移魔方陣を作った時のものなのだ。今となっては、どうやって出来ているのかも解らない・・・叔父は、その実験に使った魔方陣をこの要塞の地下に組み込んでいた。私も、この魔方陣がどこに繋がっているのかは解らなかった。ただ、叔父からは、将来、私の役に立つものを用意して置くと言われたことを、つい先日思い出したのだ』


『それは一体いつ頃のことなのにゃ』

ネオが興味半分に聞いた


『実験は確か1015年のとき、さっきの場所に埋め込まれたのを聞かされたのは、この要塞が出来た1020年のことだ』


この魔方陣は、対象が目の前に現れないと現れない。つまり、私が目の前に行かないと現れないように出来ている。叔父上が目の前に立っても出てこなかった。


・・・


オスニア王宮に2泊した後、シャールカ、ネオ、メリアはパラストア空港に戻った。本当は直ぐにでも戻りたかったのだが・・・アストラル(南東伯)エリザベート(参謀)に引き留められたのである。復興したクラトの様子を見てほしいと懇願するアストラル(南東伯)エリザベート(参謀)の言葉に根負けした結果であった。


・・・


(はて・・・あんなものいつの間に作ったんじゃ?)

この様子を見ていた新人の神様は首を傾げていた。

シャールカ専用機はBE36型飛行機です。決してモビ〇スーツではありません。

それにしても、南東伯の始祖(シャールカの叔父)は何者なのでしょう・・・。

古代文明でも公式には存在していない、術者を必要としない転移魔方陣は何故存在するのか?

いつか続きは書くつもりですが、一旦ここまで。

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