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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第12章 新生ゴンドアの発展
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第117話 建設ユニット

とりあえず、あと2話書くことにしました

シャールカは、サマランドからアミアに移動して来ていた。ブジェの開拓村は、予想を上回る成果を上げており、まだ1年しか経っていないにも関わらず、アントラニア王国で運営できるレベルに成長していた。


『・・・でな。ブジェの開拓村はアントラニア王国に任せようと思うのだが・・・』

シャールカの声が響いた。目の前には、アルガソード(国王)ゲルド(宰相)が、困惑しながらも頷いている。


『シャールカ様。本当によろしいので?』

アルガソード(国王)は、シャールカ主導で始まった開拓をあっさり引き渡してもらえることが信じられなかったのである。

(この開拓村のノウハウはあまりに重要・・・とっても美味しいが本当にいいのだろうか)

他の国・地域にも指導するという点はあるが、アントラニア王国が主導権をもって行えるということの重要度を認識していたのである。もちろん、アルガソード(国王)ゲルド(宰相)は、シャールカがイパラ要塞の地下で見つけた資料による、今後の食料不足の可能性を情報として共有してもらっていたのである。


『私はもう1度イパラ要塞の地下に行って、他の資料がないか探そうと思っている』

ドヤ顔で言い放ったシャールカに


『まだ何かあるのでしょうか?』

ゲルド(宰相)が不思議そうに言った。


『あの叔父のことだ。きっと文明の遺産について何か残してくれているはずだ。そう信じている』

シャールカはそう言ってから、叔父のことを思い出していた

(もっと叔父の言うことを父が真剣に聞いてくれていれば・・・ひょっとして)

今更仕方がないこととは思いつつ、いろいろ考えてしまうシャールカであった。


・・・


『ホーリートランス』

ネオが唱えると、パラストア空港にある魔方陣が起動した。


次の瞬間、天井から明かりが降りそそぐ。イパラ要塞の地下に移動したのである。


『地下で書類を見つけたのは知っているのにゃ』

『オスニア国に調査を任せたのではなかったのですか?』

ネオとメリアが思っていることをシャールカに言った。


『最近思い出したのだ。まだ、この要塞にはあるものを・・・そして、それは簡単に今の人に話す訳には行かないものであることも・・・』

シャールカはそう言うと、通路への扉を開ける。今回はそっと開けたので、扉の外にいた兵士たちは無事であった。


『こ・・これはシャールカ様!ようこそイパラへ』

いきなり現れたシャールカに驚く兵士。慌てて1人が連絡に走っていった。


『ちょっと調べ物があるので、地下に行くと南東伯に言っておいてくれ』

とだけ兵士に言うと、行き止まりのはずの通路に向かって歩き出した。慌ててネオとメリアが付いていく。行き止まりの壁のようなところにシャールカが手をかざすと、魔方陣が現れた。


(やっぱり)

そう、サマランドに空港が欲しいと悩んでいたとき、シャールカは叔父に言われた言葉を思い出したのである。地下の転移魔方陣の近くに、転移魔方陣の隠し部屋を作ったと叔父が言っていたことを・・・。


シャールカは現れた魔方陣に魔石をセットする。

『ネオ、メリアこっちへ』

言われるままにシャールカに近づくネオとメリア。シャールカがセットした魔方陣に手をかざすと、それは発動した。


・・・


『ここはどこにゃ?』

転移した先に驚くネオ。メリアは声も出ない。


『まさかこれほどとは・・・』

シャールカの予想の更に上を行くものがあった。


目の前に待機していたのであろうゴーレムが動き出す


『パターン認識。シャールカ様を確認。ユニット再起動開始』

何処からともなく声が聞こえてきた。そして、目の前ゴーレムが動き出す、臣下の礼をとったゴーレムは


『シャールカ様。お待ちしておりました。』

ゴーレムの言葉に返す言葉を忘れるシャールカ。脇にいたネオはシャールカの脇腹を軽く叩いて


『なんか言うのにゃ』

ネオの言葉と脇腹を叩かれたことでシャールカは我に返り、


『ご苦労。この設備の説明をしてくれ』

と言葉を返すのであった。


・・・


『ここは、1020年12月に南東伯のご指示により、シャールカをお待ちするように指示を受けた、ゴーレム生産ユニット、及び空港建設整備施設になります。更に、BE36型飛行機の生産が出来る設備を用意しています』

ゴーレムの説明に


『つまり、ゴーレムと空港と飛行機が作れるという事かにゃ?』

『はい。そうです。但し、シャールカ様のご承認が必要です』

ネオの質問に答えるゴーレム。


『ゴーレムはともかく、空港建設整備施設というのは?』

『はい。シャールカ様のご指示いただいた場所に空港を建設することが可能です。また、既存の空港、建設した空港の保守も可能です』

シャールカの問いに答えるゴーレム。


『どうやって?』

思わず呟いたシャールカの言葉に


『では建設手順の説明をさせていただきます』

ゴーレムはゴンドアの地図を表示しながら説明を始めた。


『まず、シャールカ様に建設場所を選定していただきます』

頷く3人

『次に、物資搬送用ユニットの転送魔方陣を現地まで運んでいただきます』

『それはここにあるのですか?』

ゴーレムの説明に、メリアが質問した。


『はい。この巻物を転送予定地に広げていただき、真ん中に魔石をセットしていただければ、それを合図にこちらから搬送いたします』

ゴーレムはそう言って、大きな巻物・・・一辺が30mはあろうかという巨大な魔方陣が書かれた謎素材のシートを見せた。


『一体これは、何で出来ているのにゃ?』

シートを触りながらネオが質問すると


『合成繊維のようなものです』

とゴーレムは答えた

(見たこともない素材だにゃ)


『広げた後はどうなるのだ?』

『はい。空港建設ユニットのゴーレムリーダーが現地に転移し、現地にてシャールカ様のご指示で滑走路の方角、建設範囲の確認をさせていただいた後、ゴーレムリーダーの指示の元、24時間体制で建設を行います。おおよそ完成まで7日の予定です』

シャールカの質問に答えるゴーレム。


その後もシャールカ達に質問にゴーレムが答えていく形で話が進んでいく。


『サマランドの近くに空港を建設したいのだが・・・』

シャールカの言葉に何やら確認を始めるゴーレム・・・。


『シャールカ様。ゴンドアの北西部は管制システムが破損しています。この復旧も必要になりますが、新しい管制システムをサマランドに建設してもよいのでしょうか』

ゴーレムの言葉にシャールカは

(北西管制所はとても修復できるレベルではない・・・。サマランドに空港を作って、管制所が併設できればよいのだが・・・)

『ああ・・・出来れば空港にそのまま併設してほしい』

と答えた。


『では、パラストア空港と同等のものを建設し、空港の管制塔に北西管制システムを設けましょう』

『もしかして、2500mの山を作るのかにゃ?』

ゴーレムの答えに、高い山を建設するのかと思ったネオであったが、


『パラストア空港方式を用いますので、管制塔は地上から100mの高さで建設します。昔のように訓練所の上に設ける必要はございません』


どうやら、サマランドに標高2600mの山が出来ることは無いらしい。


『わかった。場所はサマランドの西にある森を考えている。確定したらまた来ることにしよう』

シャールカが満足したように言うと


『その必要はございません。サマランド近くに建設するご指示を受け賜りました。建設予定地が決まったら、あの魔方陣を広げて、魔石をセットしていただければ、直ぐに空港建設ユニットのゴーレムリーダーが現地に転移するように準備いたします』

ゴーレムからの回答に

『わかった』

と言って、ネオに魔方陣を収納させたシャールカであった。


『ところで必要な資材は何を用意すればいいのにゃ』

ネオが気になって質問をすると


『全て、この施設から転移で送りますので、準備は不要です』

ゴーレムは当然と言わんばかりに答えた


((えええ~!!))

シャールカ、ネオ、メリアの声が揃った。


『ちなみにここは大陸の何処なる』

シャールカはゴンドア大陸の地図を見ながらゴーレムに質問する、転移で来たので、この設備がどこにあるのか解らなかったのである。


『ここはイパラ要塞の地下1000mになります』

ゴーレムは何事もないかのように答えた。


『まさか、ここまで作っていたとは・・・叔父は凄すぎる』

シャールカの呟きは誰にも聞かれることは無かった。

ブジェの開拓村をアントラニア王国に任せ、いよいよ本格的に・・・。

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