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ネオー間違って異世界に送られた猫  作者: OPPA
第11章 異世界連絡便
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第110話 ジャガイモ栽培(その1)

中途半端だったので、2話追加します。

飛行訓練センターの建物脇に植えられたジャガイモの芽が出ていた。波高に教わったとおり、ジャガイモの芽が出そうな部分に合わせて、芋をいくつかに切り、森に行って腐りかかった落ち葉を集め、土の中に混ぜ込んで作った畑に埋めた結果である。毎日、メリアが水をやって観察していた結果でもあった。本当は、ライカ村で栽培したかったのであるが、飛行場がないので、波高が来た時に問題になるということで、飛行訓練センターでの栽培になったのである。


『これでいいんですかね』

メリアが不思議そうに眺めている。何せ、農業などしたことはなかったメリアにとって、土の中に埋めたジャガイモから芽が出てきたこと自体が珍しかったのである。


『・・・たぶんにゃ』

ネオは、自身がないのか、小声であった。


(作ったことなんてにゃいからなあ~)

そう、ネオも農業などしたことが無かったのである。熊本空港の周りには畑はあったのだが、ジャガイモは見たことがなかった。もっとも見た所で栽培方法が解るわけではないのだが・・・。


シャールカは、アミアに行ってしまった。アントラニア王国と農業生産の相談をすると言っていたが・・・

(無理だろうにゃ)

28日後に、波高が来た時の対応を相談するつもりらしいのだが、見たこともないものの相談などできるとは思えなかったのである。

シャールカは、ゴンドアの南東部(ラオカ村付近)と、アントラニア王国の南部に広がる草原地帯にこれを栽培させたいと思っているらしい。波高に、種芋を持ってきてほしいと頼み、約束させていた。


(大体、飛行訓練センターのこと自体、話していないらしいしにゃ)

シャールカは、この飛行訓練センターを直轄にすると宣言するつもりらしい。そのため、以前、ネオとメリアが破壊したゴーレムの代わりに、警備のゴーレムを確保するため、バルディカ領内の遺跡を調査しているらしい。詳細は、ネオとメリアには教えてもらえなかった。


(ここにあったゴーレムは、レベル6しかないこの大陸の兵士達にはちょっと厳しい。マスターダンジョンやアミアのダンジョンはレベル6ではクリア出来ないしにゃ)

インゴニアにあるデコルのダンジョンがあるが、レベル6がヒャッケラキアに勝てるわけがない。自殺志願者でもなければ行くこともない、クリア不可能な場所であった。

どうやら、ゴンドアの仕組みとして、アミアのダンジョンをクリアさせるのは、一部の特殊な人達のみにしていたようだ。そうすることで、軍事的優位をゴンドアは確保していたのだろう・・・瘴気発生装置で魔物が大量に発生していても、兵士がレベル20であったら、どうにかなっていたかもしれない。今更なのだが・・・。結果、大陸の文明は滅んだ。

(遺跡を見つけると何か判るのかにゃ)

シャールカは、何か知っているらしいが教えてはくれない。


『本当にまたきてくれるのですかねえ・・・』

メリアが呟くように言った。


・・・


周辺の魔物を狩って食料にしていたネオとメリアであったが、暇を持て余していたため、滑走路の脇で昼寝をしていた。この周辺には謎の結界があり、滑走路周辺(建物を含む)には魔物が入ってこなかったのである。シャールカが謎の設定をした結果、発動した、魔物にしか反応しない結界が出来ていたのである。

そんな日々が続いたが、波高が来た日から14日後、飛行訓練センターに1台の馬車がやって来た。馬車が到着するや、シャールカが飛び出してきた。


『帰って来たぞ!』

何やらご機嫌である。誰か連れてくるかと思ったのだが、新ゴンドア王国(旧バルディカ帝国)から連れてきた御者と護衛のみであった。もっとも、シャールカがレベル20であることを考えれば、レベル6しかない護衛など意味があるようには思えないのだが・・・。


その様子をぼんやり眺めるネオとメリア。

『アントラニア王国との相談は上手くいったのかにゃ?』

半分寝ぼけた状態のままネオが言った。


『おう・・・とりあえず任せるということだ。なので、ブジェの村に開拓拠点を作ることにしたぞ!』

自慢げに話すシャールカを、目を細めて見るネオとメリアであった。


『ブジェって、アミア橋のあったところの村ですよね』

メリアが思い出すように言った。

『そうだ!あそこなら、水を得やすい』

かつて、空であった橋の下は湖まで運河のように水で満たされていた。ローラシア山脈から流れてくると思われる水によって、湖にゆっくりと流れていたのである。


『あの川の水を使うのかにゃ?』

『その通り!』

ネオの問いに自信たっぷりにいうシャールカ。


『あの堤防にどうやって水を通すのにゃ』

堤防が遺跡状態で簡単には用水路を作れそうにないと思ってネオが言ったのだが、


『大丈夫なのだ。その為の施設も存在している』

妙に自信たっぷりのシャールカの声が響いた。


・・・


『ほう!芽が出てきたではないか』

シャールカは嬉しそうに言った。

波高からは、25~30日くらいで芽が出てくるはずだと言われていたが、14日にして既に芽が出ていたのである。


『確か、目が出てきたら、芽が埋もれない程度に周辺の土を苗に寄せていくとか言ってたはずにゃ』

ネオは波高が言っていた内容を思い出すように言った。

次回は12時にUpします。

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