第92話 戦争前夜
『間に合うのか?』
『わからんにゃ』
ネオたち3人は、ロディア国にあるマスターダンジョンを目指していた。1日100kmを移動し、野営。途中の街で食料を購入し、アイテムボックスに確保・・・。その結果、5日後にはマスターダンジョンの近くにたどり着いていた。マスターダンジョンの入り口前に野営しながら、警戒する。幸い、マスターダンジョンの入り口はゴブリンの巣だと思われていたこともあり、誰も来ていなかった。ネオが来た時もゴブリンが20匹ほど入り口に住んでいたが、ネオの魔法によって魔石以外は何も残らないレベルで消されていた。
・・・
シャールカはネオの近くに来て話始めた、
『なあ、この村をどうにかすればいいんじゃないのか?』
シャールカが
『もし・・・瘴気発生装置が上手くいかないと理解したら、バルディカ帝国がするのは、武力制圧。その障害は、4ヶ国にあるダンジョン。特に湖畔のダンジョンにゃ』
『そうだな』
『追い詰められたバルディカ帝国が形成逆転できるとすれば・・・』
『・・・ダンジョンを停止させる!』
『そうにゃ。だが、その方法がわからにゃい。何かきっと隠しているのにゃ』
・・・
『久しぶりだな』
ネオたちのところにワイバーンが訪ねてきた。
『なにか用かにゃ』
『様子を見てきたので教えようと思ってな』
ワイバーンは、4ヶ国の援軍が湖畔のダンジョンでレベルアップを行ったのち、ロディアに集結したことを伝えてきた。と同時に、バルディカ帝国が自国兵のレベルアップと瘴気発生装置稼働による破壊工作が失敗したことを把握したというものだった。
(一体、どうやって知ったのにゃか・・・)
そして、ここ数日、すぐ近くの村・・・村の様子がおかしいらしい。村を放棄する準備をしているという。
『では伝えたぞ』
そういうと、ワイバーンは飛び立っていった。
・・・
その夜、マスターダンジョンの前にいたネオたちを囲むものがいた。
『これ、そこのもの』
ネオたちは気配を察して準備していたので万全であった。
『なにかにゃ』
『我々は、命によりその洞窟に入らなければならん。どいてくれ』
集団の代表と思われる男が言った。
『断る!』
ネオが答える前に、脇にいたシャールカが叫んだ。
『ほう・・・村の議長である“リュウジ”に逆らうと・・・』
男の周りにいた殺気を放った男たちが、ネオたちを取り囲んだ。
『パラライズ』
ネオはやってきた集団に威力を最大に上げた状態で放った。リュウジはもちろん、やってきた集団全員が倒れた。
『今回は容赦するわけには行かにゃいから』
『村人全員ですね』
『子供が一人もいない村なんておかしいのにゃ』
村は子供が一人もいなかった。昔からなのか、今回のためにそうしたのは解らなかったが、ネオがこの世界に来た時には、この村には子供が1人もいなかった。
『必要なかったんだろうな・・・』
シャールカは、この村がバルディカ帝国のスパイだちだと断定していた。
そして、集団の中に大事に持ってきていた、瘴気発生装置を見つけた。
『やっぱり、もう1つあったのにゃ』
そういうと、ネオは瘴気発生装置を村の方向に投げた。
『えっ?』
メリアとシャールカが声を上げる。
『ホーリーウインド』
空中にある瘴気発生装置めがけて三日月の刃が飛んで行く。
そして、それは見事に真2つに切られた後、核兵器でも落としたような爆発によって、キノコ雲を発生させた。
『派手にやるな』
シャールカが呟いた。
・・・
『村付近から、巨大な爆発が発生したことを確認』
『全軍進撃!』
国境で対峙していた4ヶ国連合軍は、ロディア国がバルディカ帝国に攻撃されたと判断し、反撃のために進撃を始めたのであった。
今日中に完結予定です。