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パンツが見えそうで見えない状態を『逆にエロい』と捉える猛者。


 「……ぅぁぁぁぁぁああああああーっ! 」


 しばらく抜け殻の前で呆然としていると、遠くから悲痛な叫び声が近づいてきたので、空を見上げた。 ……ジタバタしながら戻ってくる水嶋の背中が見えてくる。 まるで背中をバンジーのロープかなんかで引っ張られているみたいで、帰ってきたと言うより、引き戻されているような格好だ。

 彼女の幽体は抜け殻の前に到着して静止すると、息遣いを荒くして、目をパチクリさせながら俺をじっと見つめてきた。


 「おう水嶋、おかえりんご」


 「たっ、だだいマンゴー……! 」


 「もしかして……俺の抜け殻に引き戻されたのか? 」


 「せ、背中を急に引っ張られたから……敵に攫われてるのかと思った……! 私はこの珍獣の抜け殻から離れる事は出来ないってことなの……? 」


 「どこまで行ったんだ? 」


 「えっと、線路を跨いで、少し行った川のところだったかな……? 」


 やっぱりか! あの方向なら中王線を跨いで幸田川を越えた先、つまり祥雲寺エリアの範囲外に出る。 やはりこのエリアだけ幽体離脱の法則が狂っている?


 「水嶋、お前はどうしたって俺から離れられねぇ女なんだよ……」


 「童貞が吐いていいセリフとは思えんな」


 「あ、そういえばさっき底抜けの阿呆みたいにくるくる回りながら戻ってきたけどあれって」


 「アホじゃないよ。 あれはちゃんと意味のある動きだからね」


 まさか食い気味に開き直ってくるとはな。


 「あの見てるだけで恥ずかしい滑稽な回転にはなんの意味が? 」


 「ん? 私の10連トリプルアクセルで世界を魅了してやろうかと思って」


 上空で一人幽体オリンピックが開かれていたのか。 まんまと魅了された俺が言うのも難だけど、底抜けの阿呆に変わりはない。


 「口論してる場合じゃないからな? この抜け殻を寝かせておけそうな場所が見つかったんじゃないのか? 」


 「あ、そうそう! ちょっと先に図書館があるのね? その脇のスペースにベンチがあったよ。 半地下になってて道路からは見えないし、すご〜くジメジメしてて薄暗くて臭いから、ヒョロガリくそダサ童貞陰キャの珍獣が寝てても不自然じゃないよ! 」


 アホムーブを見られていた恥ずかしさからくる苛立ちを……俺への執拗な罵倒で上塗りする手法に打って出たか。 ふむ。 やはりこの女、出来る。


 「とりあえず……なんか履いたらどう? 」


 数分間の空の旅からパンイチで帰ってきてなお、あまりに平然としているので、提案しておいた。


 「や、この抜け殻に引き戻されながら考えたんだけど、格好は別にこのままでいいや。 楽だし」


 こいつ痴女としてのポテンシャルが引くほど高いな。 もしかして家ではパンツ一丁で絵とか描いてるんだろうか? 同棲なんかした日には陰茎(ネング)の収め時に困りそうだ。


 「処女の痴女って、ゲートボールの上手い婆さんが全米オープンに出場してるみたいなもんだぞ」


 「その例えは全然ピンとこない。 さてはまだパニクってるね? 平静を装っているけど」


 「この状況で平静を保てるのは釈迦(シャカ)くらいのもんだろ」


 「どうでもいいけどほら、慶ちゃん見て? Tシャツの裾でパンツは隠れてるでしょ? 」


 幽体の天使は両手を広げて、その手を鳥のように羽ばたかせたり、くるりと一回転したり。 こんなに動いても見えないでしょ、というアピールなのだろう。 たしかに、正面からパンツは見えなかった。


 「うん、パンツは見えないけどな。 それを『逆にエロい』と捉える俺のような猛者(モサ)もいるぞ」


 「大体さァ、よく考えたら、もうしっかり全裸を見られてる訳だし」


 「甘いな水嶋。 俺は正攻法でお前の着衣を全部引っ剥がした時の感動が薄まらないように、重要な部分はよく見てない。 極限まで目を細めてたから、ぼんやりとした印象しか残ってないんだよ。 入れ替わった状態で一番見たいところをマジマジと凝視してしまうのは三流以下の童貞だ。 一流をナメるなよ」


 「まじまじとおちんちんを観察した私が三流以下の処女みたいじゃないか」


 「安心しろ。処女に関しては三流以下くらいの方が可愛げがあって良い」


 「な、なるほど……。 やっぱり一流の童貞(バカ)は言うことが違うなァ」


 「ただし下着に関してはデザイン、色、生地の手触り……今お前が履いているのも含め、全て確認して頭に入ってるけどな。一流のバカを見くびるなよ」


 「ママぁ、あのおねえさん一人でおしゃべりしてたぁ」


 「シッ! ちゃんと前向いて歩きなさい! 」


 雑な野次を飛ばして足早に去っていくオーディエンスを水嶋の視線が追う。 そして人差し指で鼻の頭を掻き、斜め上を見た。

 

 「あの、もう少し小声で喋ってもらっていい? 」


 「無理だ。 俺の美声を待っているオーディエンス達がいるからな……。 さて、この醜い抜け殻をベンチまで運ぶか。 童謡でも口ずさみながら」


 「まぁへヴィメタルよかマシかぁ。 まずは二つ目の交差点を左ね」


 丘の上でパパと二人、人生における喜びや悲しみについて意見を交換し合う旨の童謡を大声で歌い出したはいいものの、すぐにそんな余裕はなくなった。 俺の肉体が重すぎるのか、水嶋の筋力が無さすぎるのか……。 二歩進んだ所で抜け殻ごと仰向けにひっくり返ってしまった。 グリングリンな青空には虹も架かっていない。


 「痛ってぇ……。 何食ってたらこんなに重くなるんだよ……貧乏人のクセしやがって! オラァ! 」


 スニーカーの爪先で、抜け殻の太ももに鋭い蹴りを一発。


 「ファミレスで食べたチョコパフェとマンゴーパフェが効いてるかな? 」


 「これはチョコパフェの分! これはマンゴーパフェの分! 」


 二発の追撃。 水嶋が「折られたモップの分は? 」とノッてきたが、さすがにこれ以上は自分の脱け殻が可哀想なのでやめておいた。

 再び抜け殻の両腕を掴み、背中に乗せようとしたが、今度は立ち上がる事すら出来なかった。


 「アハハ。 慶ちゃん、どうして背負おうとするの? 引きずって行った方がいいんじゃない? 」


 「そうするさ、歩道がフローリングならな。 お前アスファルト舐めてるだろ? あんな先まで引き摺ってったらゴッソリすりおろされるぞ。 ベンチに着いた時に腕しか残ってなかったら責任取れるのか? 」


 「足を引っ張って行けばいいでしょ」


 「残るのが足に代わるだけだろ」


 「軽くなっていいじゃん」


 「絵ヅラと罪が重くなるぞ」


 「たしかに両方背負いきれなくなるね」


 しかし、相原慶太の身体を水嶋の身体で運ぶのが現実的じゃないと理解した瞬間、次の一手が神の明示の如く脳内に降りていた。

 ……荷車的なものだ。 この近くにあるお店を当たって、搬入出に使用する荷車を借りればいい。 この美少女の姿なら好意的に対応して貰えるだろうし、ダメならケツポケットに刺さっている諭吉ファミリーの一人を召喚して黙らせる手もある。


 「慶ちゃんどこ行くんだよぉ。 抜け殻置きっぱなしはマズいのではないのー? 」


 「あ、そうだな。 えっと……おらぁぁあ! 」


 アパートのブロック塀の裏。 道路からは見えない場所にとりあえず遺棄する。 住人が出入りしたらアウトだが、無難な選択だろう。


 「水嶋、その珍獣が誰かに見つかったらすぐに報告しに来てくれ! 周辺の店を当たって荷車を借りてくる! 」


 「荷車かぁ……。 ほーい、見張ってまぁす。 あ、お金落とさないように気をつけるんだよぉー」


 雑貨屋、古着屋、和菓子屋と三軒に当たってみたけど、荷車一つ置いてない無能な意識高い系ショップばかりだった。

 これはもう表通りに出るしかない、デカイ店なら確実に置いてあるはずだ。


 「みっずしまぁー! 表通りに出るからなぁ! まだ見つかってないかぁー!? 」


 中学で剣道をやめて以来、出したことのないレベルの声量で叫ぶ。

 少し間が空いて、俺の死体を遺棄したアパートの方角から 『まだネコにしか見つかってないよぉぉぉおー! 』 と絶叫する声が聞こえてきたので、そのまま全力で走って表通りに出た。


 「あそこなら……! 」


 ディスカウントショップだ。 余った荷車の一つや二つは絶対にあるだろう。 いや、待てよ……?

 入り口に立ってみて、荷車よりもレンタルがイージーそうな物を発見した。 商品を載せる大きめのカートだ。


 店内に入ってすぐ、気怠そうに品出しをしている一人の男性店員が目に付いたので、さりげなく横を通って名札に記されている『根本』という名前を確認。 深呼吸をしてから背後に回り、優しく肩を叩く。


 「あの……根本さん、お仕事中にすみません」


 「はい? ……え? 」


 間違いなく陽キャだ。 大学生くらいで、小柄な短髪の男。 イケメンではないが決してブサイクなワケではなく、至ってノーマルな部類の顔面。

 根本くんはバイト中、年下の美少女に名指しで声を掛けられた経験などないだろう。


 「あの……。 根本さん、今日は何時までですか……? 」


 「えっ!? あー、えっと、閉店は23時ですけど……」


 「ち、違いますっ。 根本さんのバイトが終わる時間ですっ! 」


 ……計画通り。

 『もしかして告白? 』がノーマルな顔面に明朝体で書いてあるのがはっきりと見える。 俺レベルの美少女になると、目に付いた男性店員を手玉に取るなど、赤子の手をひねるより造作も無い事だ。


 「まぁ……。 ろ、六時だけど……? なんで? 」


 初見の客にタメ口か……予想より早くグッと距離を縮めてきたな。 よし、これはもう俺の魔法に掛かったも同然だ。

 俺は顔を伏せて両手の指を絡ませ、モジモジする。 勇気を出して声を掛けた根本に対して、緊張している乙女の小芝居を挟んだ。


 「……あの、カートを貸して欲しいんです。 根本さんのお仕事が終わる時間に必ず返します」


 「……へ? カート? 」


 ここまで来たら上目遣いのゴリ押しで行ける。


 「はい。 どうしても運びたい物があって……。 私がカートを返しに来るまで、その、待っていて……貰えましぇんか……? 」


 考えている。 根本は美少女からのシュール過ぎるお願いを頭の中で分析して、きっと自分に都合のいい解釈をするだろう。 後半でうっかり噛んでしまったが、図らずも追い打ちの愛らしさを根本氏に突き付ける結果になった。


 「……わかりました、ついておいで 」


 よし、堕ちた。


 「ありがとうございます! 」


 「今回だけ特別って事で。 お店の人には内緒だよ」


 根本は店内のカートを数台移動させ、外に出たタイミングで周囲を見渡し、俺に一台を渡してきた。


 「まぁ、俺結構ここじゃ力ある方だからさ……バレても誤魔化せちゃうけど。 えっと、名前は? 」


 「相原慶子です」


 「ケイコちゃんか。 オッケー、じゃあ……帰り、待ってるからね」


 「はい! ありがとうでござる! 根本氏〜」


 カートを押し、全力で走ってアパートに戻る。 水嶋はブロック塀の上にプカプカ浮かびながらさつま揚げを食べていた。


 「どうだ! ミッションコンプリートだ! 」


 「んふっ! ……荷車は荷車だけどさ、なんか面白いビジュアルに寄せようとしてない? パクってきたの? 」


 「まさか。 根本氏を堕とすだけのイージーミッションだったぜ? もしかしたら俺、美少女の才能があるかもしれない」

 

 「よくわからんけど、早くこの珍獣を乗せてレジに持ってかないと」

 

 「コラッ! 誰の頭がバーコードだっ! 」


 「なんで急にテンション上がってるの」


 珍獣を引きずり出してカートの脇に座らせ、絶望した。 この荷台に乗せるまでの難易度が思いのほか高い。


 「うぉらぁ……! 」


 なんとか乗った……乗ったはいいけど、上半身がカートの上に横たわっている形で、足は地面についてしまっている。 理想は商品を載せるカゴに珍獣のケツを収めることだった。 仕方ない、サポを頼むか。


 スーツ姿の若い男が歩いてくる。


 「すみましぇん、お兄さん! 今ってお時間ありま」


 「あ、急いでるんで」


 嘘だろ……? 俺の美少女パワーが通用しない男がこの街にいたのか……? 青天の霹靂だ。 こんなことはあり得ない。

 あれだな、きっと今のサラリーマンは同性愛者かブス専だ。 切り替えていこう、次のターゲットは作業服を着たガテン系のおじさんだ。


 「おじさぁん、今って時間ありますかぁ」


 「時間あるように見えるか? 仕事戻るところだよ」


 え? なんだ……? 大人ってこんなに余裕のない生き物なのか……? 美少女の声かけを軽くあしらえるほど多忙な生物なのか……? そんなはずはないから、きっとどこかでヌいてきた直後で、賢者タイムに入っていたのだろう。


 「どしたの? 慶ちゃん」


 「あぁ……。 今、社会の荒波に揉まれて戸惑っているところだ。 水嶋、美少女も決して万能な訳じゃないんだな」

 

 「よくわからんけどまた人来たよ」


 二人組の男が歩いてくる。 しめた、おそらくドロドロの性欲に頭の先まで浸かっているであろう中坊だ。 仮に家を出る直前に抜いてきたとしても、俺の美少女パワーが脳髄に炸裂するはず。


 「ねぇねぇ、アタシこの辺じゃちょっと名の知れた超絶美少女JKのケイコってんだけどぉ。 君たち何歳(いくつ)? 今ヒマぁ? 」


 白い目で見られて素通りされた。 完全にキャラ作りをしくじったな。


 「クソ……! 中坊風情が」


 「君も中坊に毛が生えたようなもんじゃないか」


 二人の中坊は笑っている水嶋を通り抜け、買い物カートに乗せられた珍獣を一瞥すると、「うわ」と小さく漏らした。


 「ちょ、ちょ、待って! 待って! 」


 「なんですか? 」


 俺はこの中坊どもに誠心誠意で頭を下げて、カートの上に眠りし珍獣をカゴの中にケツからズッポシ入れてやってくれ、と懇願した。 二人は顔を見合わせてから「どうしたんですか、この人」と尋ねてくる。 気絶しているように見える珍獣を心配している様子は一切なく、半笑いだ。


 「何かの撮影してるんですか? 」


 「そういうわけじゃないんだ。 この人……突然眠ってしまう病気で、どうしても運ばなきゃいけないの」


 片方がやる気を見せると、二人は声を揃えて珍獣を持ち上げ、理想の形に持って行ってくれた。 お礼を言うと「頑張ってください」と言い残して立ち去っていく。


 「中坊、いい奴らだったな……。 よし、運ぶぞ」


 ガラガラと音を立てながらカートを押す。

 地面からの振動で珍獣がブルブル震えているようだ。 良かった、ケツがズッポリ入っていなければ三歩でずり落ちていただろう。


 「あはは! うわぁ、すっごい写真撮りたい」


 「やかましいぞ、お前も戻る努力をしろ」


 「あっ! 慶ちゃん! 向こう岸の人が写真撮ろうとしてるよ! 」


 反対側の歩道でスマホを構えているOLを確認。 すぐさま珍獣とOLの間に身体を入れ、撮影を遮る。


 「写真を撮らないでください! 写真を撮らないでください! 」


 OLは構えていたスマホを降ろし、そそくさと立ち去っていった。 現代のボンクラどもは隙あらばスマホを構えて見世物にしようとする。


 「ねぇねぇ、この監視社会で買い物カートに珍獣を乗せて運ぶのはリスクが高すぎない? 」


 「だよな……。 車で通り過ぎていく人たちもほぼ100%好奇の視線を浴びせてくる」


 「ペンとノートを買ってきて、『撮影禁止』って書いておでこに貼っておけば? すぐそこにコンビニあるよ」


 「おでこに貼る意味あんのか? 」


 「ほら、顔が隠れるからモザイク代わりにもなるし」


 「なるほど……」


 「そしたらそのまま電車で慶ちゃん家まで行けば? 」


 「……無理だ。 この車幅じゃ改札を通れない」


 「車椅子の人が通してもらえるんだから大丈夫でしょ」


 「買い物カートを車椅子と言い張るのは大冒険にも程があるだろうよ」


 ちょうど喉も渇いていたのでコンビニへ走り、ミネラルウォーターとついでにペン、ノート、ガムテープを購入した。 戻ってすぐ、指示通りに『撮影禁止』を顔に貼り付ける。


 「……キョンシーみたいになったね」


 「今にも動き出しそうだな……」


 「不審すぎるから、見えないようにレジャーシートみたいなものを被せたら? 」


 「そのアイディアを先に出せよ」


 再び全力疾走して、スーパーで小さなレジャーシートを購入。

 小さな歩幅、筋力、おっぱいの揺れも含めて、水嶋の身体を操る能力が格段に上昇しているのを感じる。


 「ハァ、ハァ、ハァ……。 大丈夫だったか……? 」


 「おばさん二人組が息してるか確認してたけど、『撮影禁止』を見て絶妙な表情で去っていったよ」


 仮死状態の珍獣を頭からレジャーシートで覆い隠し、ガムテープでガチガチに縛る。 うまく全身は隠れたが……これは酸素不足で知らぬ間に昇天してしまう可能性が高い。 俺はリュックに入っていたボールペンで慎重にシートを突き刺し、顔面の位置に複数の通気口を開けた。


 「これでよし、と……」


 「……慶ちゃん、ウケ狙いに来てない? 」


 「水嶋、予定変更だ。 この抜け殻はベンチには寝かせない。 このまま突っ走って……祥雲寺エリアを脱出する」


 「え? どうして? 」


 走り回って血の巡りがよくなったのか、脳が正常に機能し始めていた。 コンビニから全力疾走で帰る道中、(ひらめ)いた案を実行することにした。


 「抜け殻の処理方法を考えるのはヤメだ。 水嶋の幽体を俺の身体に戻す路線に切り替える」


 刑事たちの話を踏まえれば、幽体離脱の法則が狂っているのは祥雲寺エリア内に限られる。 水嶋は真昼間から俺の身体を突然抜けて、まさに今、俺たちは法則が狂っている場面に立たされているのだ。


 狂った状況で、狂った祥雲寺エリアから出てみる。

 実験してみる価値はあるだろう。

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