『俺たちがレムを殺す理由』
「どうしたんだい? 真っ青な顔して」
水嶋が俺の顔を覗き込んでくる。
「レムが喰った感情の中に……あいつの声があった。 俺たちを殺すって」
「んぁ? あいつって誰だよぉ? 」
「水嶋が生卵で爆撃したらめちゃくちゃ粘着してきたヤンキーだよ! 」
「あぁ、あぁー、あれだ。 慶ちゃんが私の身体を駆使して気絶させた人だ? なんかあだ名つけたよねぇ! なんだっけ? ……わすれちったなぁ」
「……ボンレスハム、とかじゃなかったっけ? 」
「ボンレス……私の語彙にその蔑称ないから、多分違うな? 」
紫苑さんがクスクスと笑っているのが聞こえてくる。 振り返ってみると、レムの片羽根を『鉈鋸』と呼ばれる刃物で削いでいる所だった。
「お前ら、何の話してんだよ? 」
おとといの夕方、入れ替わった俺と水嶋は公園でヤンキーに絡まれた。 ベンチに座って会議をしていた俺たちを、これでもかというほど煽り散らした挙句、そのヤンキー集団の一人が俺(水嶋)の後頭部にサッカーボールを直撃させた。
一連の流れで怒りが頂点に達した水嶋は、おもむろにスーパーで生卵(10個入189円×2パック)を購入、20発に及ぶ生卵爆弾をヤンキーの群れに投下する暴挙に打って出た。
水嶋による全身全霊の投擲を被弾し、生卵がコーティングされる事となったヤンキー達は当然のことながら大激怒。 俺たちはその場から全力で逃走を図った。
「楽しそうだな」
紫苑さんからすると、俺が死に物狂いで逃走してる様をイメージするだけで嗜虐心が刺激されるのだろう。 少し腹が立ったが話を進める事にする。
そのあと俺たちは無事に追っ手から逃げ切り、入れ替わりの相談をする為に、紫苑さんの住む『魔女の家』に向かったのだ。
「へぇ、そんな事件があったんだぁ。 そんで、このレムが吐いた『色』の中に、そのヤンキーの感情が混じってたと」
「クソ女と天パを社会的に殺すって」
「良かったじゃんか、レムがその怒りを喰ったって事は、取り敢えずそいつの怒りは鎮まってるって事なんだから」
理屈で言えば、紫苑さんの言うことは正しい。 『日常生活で沸き起こった怒りや鬱積した感情が、一晩寝たらスッキリした』なんて事は往々にしてある。
その爽快感というのは、寝ている間にレムが感情を抜いてくれたことに起因している事が多い。
とはいえ、怒りの原因となった出来事が消えるわけではないし、何より、あの声を聞いた時のなんとも言えない不快感が引っかかって仕方なかった。 それは直感と言い換えてもいい。
入れ替わりや、祥雲寺エリアを襲っている完全体の異常発生、ここまでのイレギュラー過ぎる数々の展開が、不吉な予感に拍車をかけていた。
「俺たち、帰りにタクシー待ってたじゃないですか? 縁石に三人で並んで座って。 あの場面を目撃して後をつけてきたんですよ。 路地裏にいたらナイフで脅してきて……」
思い返すほど、あのボンレスハムの常軌を逸した行動に血の気が引いていく。 微妙に焦点の合っていない、瞳孔の開いた不気味な目が脳裏をよぎり、身震いがした。
「あいつに脱げって言われて……エロい動画まで撮られそうになったんだ……! くそっ! 」
「お前の裸体を撮るとか相当な玄人だったんだな」
「その時の俺は水嶋ですからね」
「あぁ、そっか」
「絶対に狂ってるでしょ、生卵当てられたくらいで! 」
「生卵を投げた奴も適度に狂ってるけどな」
「あんなことするイカれた奴が……レムに怒りを抜かれたくらいで引き下がるわけがない」
「まぁ、起きたらお巡りさんにでも相談すれば。 それより私こいつ捌いてるからさぁ、ジローと索敵入れてきてよ。 まだ出るだろ完全体」
「あ。 レムちゃん狩りなら私も行くよ!」
水嶋が襷のような布で、捲り上げた浴衣の袖を結んでいた。 いつの間にか裾も膝くらいの丈で裁断されている。 いつスイッチが入ったのかよくわからないが、臨戦態勢に入ったようだ。 やんちゃな感じでとても可愛らしいと思ったが、本当にやんちゃされると大変困るので口には出さなかった。
ウキウキでウォーターガンを構えようとしたやんちゃな水嶋の両肩を、少し力を込めて掴む。
「いや、レム狩りには行かないぞ。 俺たちはこれから、あのボンレスハムの住処を特定する作業に入る」
「……はぁ? 何言ってんだお前」
紫苑さんが素っ頓狂な声を上げた。 水嶋も目を丸くして唖然としている。 この二人は事の重大さがわかっていないのだ。
まず、明日警察に相談したとしても、何か事が起きるまで動いてはくれないだろう。 精々『自宅や学校の周辺を巡回させます』などと適当な事を言ってやり過ごされるのが関の山だ。
それに、俺たちは奴の名前すら知らない。 一方で相手は、俺が着ていた制服から清涼高校の生徒だという事を知っていて、こっちから大きな優位を取っている。 高校の前で待ち伏せなんかされたら即日見つかってしまうだろう。 さらにスマホには水嶋の写真と動画がバッチリ収められているので、シラを切ろうにも、それらと照らし合わせられた時点でアウトだ。
「俺たち、今は完全に劣勢だからな。 この幽体離脱の時間を有効に使う。 先に住所や氏名を特定して、こっちから仕掛けるんだ。 攻撃は最大の防御……殺される前に殺してやる」
「うわぁ、なんか物騒なこと言ってる……」
「いいか? 奴の家と身元を特定できれば対策が立てられる。 そうだな……ナイフを持ってるとか、部屋で大麻を栽培してるとか、夜な夜な銅線を盗んで換金してるとか……警察にデマを流して余罪を炙り出すんだ。 ナイフに関しては実際に持ち歩いてたからな……叩けば絶対に埃が出るはず。 奴の情報が多ければ多いほど打つ手が増える」
「お、おう……正気かね? 慶ちゃん」
「銅線を盗むとかいう、判定に困るリアリティは何なんだよ」
「大丈夫だ、大丈夫。 焦るな。 最悪、住所さえ分かればいい。 全ての手が空振りに終わった時は……俺が直接手を下して、刺し違えてでも奴の人生に終止符を……打つ! 」
「打つな! シオンさん、この人モラルがクラッシュした! 」
「慶太、バカなこと言ってないで早く索敵入れてこいよ! 命令だ命令、減給すんぞ! 」
「……悪いけど従えないですね」
「……お? なんだなんだぁ? 口答えなんか初めてじゃんか。 反抗期かこいつ 」
この人たちは事の重大さがわかっていない。 あのボンレスハムと生身で直接対峙し、怨念の込もった呻き声を聞いた俺だけが不気味さを肌で感じているのだ。
「紫苑さん、いいですか? 例のハムに、レムが黒を絞ったらどんな事態が起こるか想像がつきませんか? きっとハムは俺や水嶋を殺しにきますよ。 これは、たとえ話なんかじゃない」
「あぁ? どんだけ確率の低い話をしてんだお前は。 レムがそのハムにピンポイントで黒を絞る? 雷が右肩甲骨に落ちる心配してるようなもんだぞ、それ」
「そもそも訳わかんない会話だけど、呼称工夫してよ! レムとかハムとかコクとか紛らわしいよ二人とも! 」
紫苑さんは俺を一瞥すると、やれやれ、といった様子で顎を振り、レムの解体作業を進めた。 握り締めた拳を開くと、手のひらに汗が滲んでいた。
「コクを絞る、ってなんのこと? 」
「……あぁ、俺たちがレムを殺す理由だよ」
しゃがみ込んだ水嶋が上目遣いで俺を見ていた。 両膝の上に肘を立て、頬杖をついている。 後方から咳払いが聞こえたので、俺と水嶋は同時に振り返った。
「ユーリちゃん……俺たちがレムを殺すのはね。 奴らが人間に悪さをするからさ……!」
「なんで急に入ってきたんすかナルセさん。 えらいカッコつけて」
「あ、いや、なんか会話に混ざりたくて」
「あー、ナルセさんだぁ。 何処に居たんですか? ウケる」
「俺ウケること何も言ってないよね」
「さっきベンチに座ってる人とスマホ見てませんでした? 」
「ん? あぁ、なかなかセンスのいいアニメ見てたから一緒に鑑賞してたんだけどな。 帰っちゃったんだよ」
「何見てたんです? 」
「ぶどうましまろ」
「なんすかそれ」
後ろから歩いてきたナルセは、俺を睨んで舌打ちを一つすると、紫苑さんの側へ近づいていく。
遠ざかる背中を見つめながら水嶋が呟いた「ナルセさんは変態かもしれない」という言葉の意味はわからなかったのでスルーしておいた。
レムの解体はもう終盤で、あとは手足の切断を残すのみだ。 ナルセは腕を削いでいる紫苑さんに声をかけると、その手元で手伝いを始めた。 『レムが黒を絞る』という現象を最後まで説明する気は最初からなかったようだ。
「二人でシオンさんの家に行った時、そんなこと話してたよね。 たしか……レムは負の感情を溜め込んで、人間に注入……? するとかっていう」
「おぉ……よく覚えてるな。 意外にちゃんと聞いてたんだ」
「まぁね」
「今、捌いてるレムからも黒を抜く訳だけど……その黒こそが、レムに溜め込まれた負の感情の塊なんだ。 怒りの『赤』とか、悲しみの『青』にも属さない、強い負の感情が集まったのが、黒」
顎に指を当てて、「ふむ」と頷いている。 俺はしゃがんでいる彼女の隣で胡座をかき、紫苑さんとナルセがレムを捌いているのを眺めながら話せるポジションを取った。
「しらすちゃんと一緒にいる時、茂吉さんの家で見せてもらったやつだよね? 小さいボールみたいな」
茂吉じいさんの家の庭でレムから取り出した黒は、今もポケットの中に入っている。 俺はそのテニスボール大の黒を取り出して、水嶋に見せた。
「そう。 レムの身体に黒が出現する条件は3パターンある」
1、正しい手順でレムを〆(しめ)て、解体まで終えた時。
2、解体の手順を間違えたり、〆るのに時間をかけ過ぎてしまった時。
3、レムが体内に取り込んだ負の感情が、容量を超えた時。
全てのパターンを話し終えると、彼女は愛らしい微笑みを浮かべて「ほう……」と小さな声を溢し、俺の目をじっと見つめてきた。
「茂吉じいちゃんの家で見せたし、今紫苑さんがやってるのが正しいコクの出し方。 つまり、レムの殺し方だ」
「パターン2は? 」
「茂吉の庭でも説明したと思うけど、2のパターンの場合はレムのパワーとかスピードが跳ね上がって、好戦的になったり、全力で逃走したりする。 それもかなり厄介なんだけど、問題は3つ目だ」
そのタイミングで紫苑さんがスッと立ち上がる。 捲り上げた袖を直し、タバコに火をつけ、何やらナルセに指示を出したあと、俺たちの方へ軽やかに一歩を踏み出した。
「完全体が負の感情を食べ続けて容量を超えると、過剰分の黒を排出するんだ」
「ん……? それはえっと……食べ過ぎて吐く、みたいな? 」
「うん、感覚的には近いな」
「絞るって表現がいまいちピンと来ないんだけど……」
「それは私が説明してあげよう」
俺たちの前で仁王立ちした紫苑さんが、ふうーっ、と一筋の紫煙を吐いた。 煙はゆらゆらと漂い、風に流されていく。
俺は素直に紫苑さんへ話のバトンを渡した。 この件に関して俺よりも詳しいことは明白だし、うまい説明をしてくれるだろう、という判断だった。
「取り込み続けた強い負の感情が容量を超えると、レムの胸の辺りに黒が顕現する。 個体によって体型が違うから、ばらつきはあるけど」
彼女はタバコを持った手で自分の胸を二度叩くと、しゃがみこんで目線を合わせてくる。
「幽体側の不手際でコクを出してしまった時とは違って、容量超過の場合は、戦闘力が上がったり好戦的になったりはしない。 ただ眠っている人間の前で、顕現した黒を一度、体外に出す。 今、向こうでジローが取り出そうとしてレムに手を突っ込んでるけど、あの行為をレム自ら行う」
水嶋は真剣な表情で聞き入っていた。
「ほんで、体内から取り出した黒を、文字通り絞るんだ。 うーん、レモンをぎゅーっと握り潰すようなイメージをしてくれたら近いかな? 」
「黒い液体を寝ている人間に振りかけるってこと? ……唐揚げにレモンかけるみたいに? 」
「おぉ、うんうん。 ナイス解釈だね、その通り。 ただし、黒い液体が人間の身体に振りかかるわけじゃない」
「どういうこと? 」
「レムが絞った黒い感情は、寝ている人間の顔や身体の上に浮かんで漂うの。 例えるなら……無重力下の宇宙船の中では水がぷかぷか浮くじゃない? あんな感じでしばらく漂ったあと、対象者の呼吸に合わせて、鼻や口から侵入する」
「う、うわぁ……! なんか気持ち悪い、想像してゾッとした! 慶ちゃん見てみて、すごい鳥肌立ったぁ! 」
水嶋の細い腕が目の前に差し出される。
俺はその、小さな手のひらを握りしめた。
少し力を入れたら簡単に折れてしまいそうだ。 この腕は、ホチキスの針ほどの小さな傷でも目立ってしまうだろう。
あぁ……なんて弱そうで、脆そうで、こんなにも美しいんだろう。
「み、見過ぎだよ見過ぎ! いや見せたの私だけど……え? なにこの人、離してくれない! 近い、近いって! 鼻息で鳥肌がそよぐ距離! 」
我に返る。 紫苑さんの高い笑い声が公園にに響いていた。 レムの傍らにいるナルセが、「えっ、なになに、どうしたんですか!? 教えてっ」と喚いている。
「……慶ちゃんなんだか様子がおかしいぞ。 まぁいつもか。 ……ふぅ、それで話の続きだけど、身体に黒を入れられた人はどうなっちゃうの? 」
「うん。 今度は、人間の心が容量超過する。 その人が元々抱えていた負の感情が黒の影響で増幅して、暴力や自殺、犯罪、精神病なんかにも直結していく」
「ひ、ひえぇ。 なんか急にダークな話になってきたなぁ……でも分かったよ、つまりあの不良にレムの黒が入ると、私達への怒りが増幅しちゃうから危ないって話ね? 」
「物分かりが良過ぎて末恐ろしいね」
その通りだったけど、レムが関わらなかったとしても、あいつが俺たちに危害を加えにくる可能性は充分にある。
「なーんか、そんなに深刻に考えてなかったなぁ。 私」
「……水嶋、絶対に俺が守ってやるから安心しろ。 俺はお前を守る為ならなんだってできる。 何年か刑務所にぶち込まれたって構わないと思ってるんだ」
「ふえっ!? 」
「紫苑さん、俺たち別行動しますんで」
「マジで言ってんの? ちょっとオーバーじゃないか? 冷静に考えてみなよ」
「大マジです」
水嶋に危険が迫っている。 ここまでその事を失念していた自分を殴ってやりたい気分だったが、ここであのボンレスハム太郎の『声』がレムから漏れたのはつまり、神様から贈られた右ストレートだったのだ。 『慶太、目を覚ませ。 気付くんだ』 という思いの込められた神様の鉄拳。
……大事なのは初動だ。 一歩目の方向を間違えたら、そのままズルズルと間違い続けて正解の道には戻れなくなる。 俺はもう、絶対に後悔だけはしない。
「スイッチ入っちゃったかぁ」
「じっとしてられるかよってんだい! 」
「慣れないこと言うから粋な江戸っ子みたいになってんぞ」
「へい、ダンナダンナ、お取り込み中失礼するがね」
「……なんでぃ水嶋」
「あのね、その……さっきのセリフですがね、よろしければもう一度いただけないかな、と……」
「さっきの? なんか言ったっけ」
ナルセが騒ぎ立てながらこちらへ走ってくる。 バスケットボール程の大きさの黒を両手に抱えていた。 何がツボに入っているのかよくわからないが、大声を上げて爆笑している。
「ヤバイヤバイ! こんなデカイ! こんなデカイの初めて見た! これすごくね? 超大物だよケイタ! 」
「たしかにデカイっすね。 久し振りに見ましたよ、そんなの」
「スイカくらいあるよスイカ! 」
「ジロー、それ江戸川卓球センターに持って帰っていいよ」
「え、いいんですか!? 」
「ねぇこの黒って、この後どうするの? 」
黒を指で突きながら水嶋が疑問を口にした。
「あぁ、一箇所に集めておくんだよ。 ウチのエリアで採れた奴は基本、祥雲寺に保管しとく。 そしたら週に一回、担当のおじさんが回収しにくる」
「回収してからはどうするの」
「東京湾に沈めるんだ」
「耳障りの悪い処理だなぁ」
「黒は海水に溶けるからな」
「じゃあ海沿いの町だと回収のおじさん要らない子なの? 」
「海沿いの町に放り出されたらさすがの回収おじさんも成す術なしだろうな。 知らんけど」
「回収おじさんの始祖は……やっぱり勝海舟なのかな」
「くだらねぇよ。 バカなこと言ってないでボンレスハム太郎の特定に行くぞおら 」
「言っとくけど先にバカな世界観を引っさげてきたのはそっちですからね」
「わかったから。 今は黙って俺に付いてこい」
「急に亭主関白だもんなぁ……参るよなぁ……で、どこに行くのよ一体」
「まずはさっきレムが出た周辺まで戻るぞ。 レムの行動範囲なんてたかが知れてる。 寝ているボンレスハム太郎から感情を食べたのも恐らく1時間から2時間以内だと思う。 つまりあの場所からそう遠くない所でボンレスハムは熟成……じゃねぇわ、熟睡していたってことだ」
「うはは! まんまと推理してる! あれれ、人探しですか? まるで探偵だねぇ! 」
あの周辺をシラミ潰しに調べ上げる。 住居に侵入して眠っている人間の顔を一人残らず確認して、奴の住所氏名、家族構成、できれば余罪の有無まで暴き出す。
奴が俺たちの高校に探りを入れるとしても、本格的に探し出すまでには猶予がある。 登校するまでに明日の日曜を挟むからだ。 たとえ今日見つからなくても、1日あれば必ずやれるはずだ。
「あーあー、目がマジだ。 こりゃ何言っても止まらねぇな。 ゆうりちゃん、慶太が暴走しないか見といてやって。 私たちもなるべく近くで駆除してるからさ」
「……なんで私が監視員やらなきゃいけないの。 普通は逆でしょう! 私が暴れて慶ちゃんが止めるの! 」
「知らないよ、それにウチに来た時言ってただろぉ? 妄想秘密倶楽部の監視員になってくれるって」
「……よく覚えてますね」




