入国
「どことなくテレビで見てたロンドン?欧州?だな・・・。」
魔人国に入国?をしたさくやの言葉に4人は頭に?を浮かべながらついて歩いた。
しかし、入国の仕方に問題があったと言いたげな男性がさくやに質問した。
「・・・空間魔法の緩い隙間からの入国が普通で、テキトーに入ることは出来ないはずなんだけど、何をしたんだ?。」
男性の質問にアルマとステラは
(あー、またテキトーなことするからめんどくさくなるなぁ)
と思いながらさくやの代わりにと、男性の質問に答えた。
「さくや(サクヤさん)のいつものことよ(ですよ)。」
3人の反応をみたさくやはまた俺はなんかしでかしたのか?と思いながらも、いやいや普通に入れたから問題ないはずと思うと、そのことを男性に伝えた。
さくやからの答えを聞いた男性はいやいや有り得ないだろ。と何言ってるんだこいつといった顔をして、さくやの答えを聞いたアルマが
「まぁサクヤさんの普通はこの世界じゃ異常なことだらけですもんね。」
異世界の常識なんか知らねーよと言った感じで、さくや軽くため息を吐くと、男性の方を向き
「正規の門から通らなかったらどうなる?てか俺達は普通の道を歩いたはずだれろ?なんでその隙間に当たらないんた?」
まぁ初めて来たやつの反応だな。とさくやの質問に答えながら、入国ならこっちからだぞと。と一度外に出て境界線を歩き出した。
「この辺はないろんな魔物、魔獣残せば住みかや縄張りがあってな、迂回したりわざわざ境界線を辿ってじゃないと入国できないって訳だ。面倒くさいが魔物、魔獣なんかの縄張りに入らなければ向こうは基本何にもして来ないから,安全のためには仕方ないって感じだな。後、俺が知る限り今みたいな入り方は初めてだから罰則なんか無いし、国側も予期してないからな。」
「なるほどな。まぁ不法入国なんかで捕まりたくはないから門から入るか。」
境界線沿いを歩くこと数分が過ぎると疎らに人が見え始め、入国の際の審査等の作法を眺めながら真似しようと思っていると、門の端に数人の武装した兵らしき人がいるだけで残りの通行人は、ヤスの村で受けたような審査等は受けずに平然と行き来していた。
これなら何事もなく入国できるなと、安堵して歩みを進めた。
「俺はちょっとあいつらに挨拶してくるから先に行っといてくれ。」
男性は門兵の方を指差して自分はちょいと別行動して、また後でと言った感じでそそくさと門兵の方へ向かった。
そんな男性を眺めながらアルマとステラは先に入国しようと歩き出した。
そんな二人を他所に、さくやはエネに話かけて、エネからの話を聞き終わると、門兵の方に行った男性に向かって軽く挨拶をした。
「案内ありがとな、アルデナ:グラナードさん。」
男性の方に手を振りながらアルマ達の後を追うように歩いて行って
「グラナード国王補佐様、いや今はギルド副マスターアルデナさんの方がよかったか?」
と最後に一言添えて。
さくやからの挨拶を受けて男性、基、アルデナ:グラナードは名乗ってもいない、ましてや自分が何者なのかも的確に当てたことに驚きはしたものの、その役職だからこそなのかすぐに冷静を取り戻すと向かっていた方向をさくや達の方に向き変え
「・・・はったりをかますにしてはやけに的確だな。てか、わかっていたなら先ずは言葉使いを改めろ。
一体何時からだ?わかってたならなぜ今になってなんだ。それに魔人の子が教えた様にも見えなかったし、獣人の彼女も同様にだ。」
「門兵に報告とかされたら入国してからの自由がなくなりそうだし、めんどくさくなりそうだったから今のタイミングになったってところ。アルマとステラは多分知らなかっただろうな。冒険者がいちいち色んな国のトップを把握してるとも思えないし。」
「・・・じゃあ、なんでだ?」
「情報源はどうせヤスの村のギルドからの報告だろ?口約束をしたと言っても所詮は口約束だし、そのうち国もしくはギルド間で話が上がると思ってたからな。ネットも無いのに回り方が早いのには驚いたけど。」
まさか前世で移入せず客観的に読み漁っていたマンガで得たことが役に立つとはなと思っていると
「驚いたにしてはそういう風には見え無いがな、まぁ立ち話もなんだ、城の中はダメだがギルドの俺の部屋になら案内できる。」
アルデナは人目に付く場所よりは個室の方が都合がいいだろ?と言った感じで、ポケットから魔石を取り出し魔力を流しこんだ。
すると何もない空間に扉とおぼしきものが出ると、アルデナはその扉を開け、こっちにこいと手招きをした。
読んでくださってありがとーございます。
ブックマーク、評価等ありがとーございます。
誤字、脱字等ありましたら指摘していただけるとありがたいです。