散歩(サクヤ、リオ
「『空間魔法:空壁、包囲、縛付』(リオ出来ればかなり高度を上げろ、それ以外は自由にしてかまわない。)」
「(主の体は大丈夫か?空圧の掛かり、それに高度を上げれば冷えるぞ?)」
「(空壁と包囲で今の空間状態を維持して、縛付で空間ごとお前に縛り付けたから落ちることもない。)」
「(・・・主はなんでもありだな。まぁ大丈夫と言うのであれば好きにさせてもらう。)」
さくやはリオの背に乗り上空でホバリングをさせると、空間魔法を複数同時に使ってリオの背に自分の体を固定させた。
リオは自分が全開の飛行をした時のさくやの心配をしたが、さくやの高等魔法の複数使用に唖然としたものの、改めてさくやの異常ぶりにこれ以上驚くのは野暮と思うと翼をはためかせると高度を一気に上げた。
村に居た人の姿が肉眼での目視が難しくなるぐらいまで高度が上がり、翼の角度と翼膜の調整を駆使しながら徐々にスピードを上げながら大空を疾走し始めた。
大小様々な山や集落、村、町・・・さくやはのんびりと流れる景色を眺めながら
(ライド:オンってなかなかだな、これで火球吐きながら国攻めたらドラッグオンドラグー○だな)
と思いながら昔はプレ2でお世話になったなぁと思い出に浸りながら
「(リオは火球とか使えるのか?)」
リオはさくやからの質問に答えるかのように上空に顔を向けると口を開け、ゴゥッと音とともに直径1メートルほどの赤色の火球を放ち
「(これぐらいなら出来るが?)」
フフンと得意気な顔と雰囲気を出してさくやの反応を伺った。
「(十分だろ、流石竜種って感じだな。)」
さくやはやっぱり竜は火を吐くんだなと納得した様子を見ると、リオはまだ出来るぞと言った感じで
「(豪雷:レビン)」
ゴシャァッと音と同時に稲妻が空に向け放たれた。さくやがリオに放った電撃魔法豪雷:レビンの威力には及ばないが常人が食らえば即死級の雷をさくやの真似で打ち放した。
「(まぁ主の真似事ではあるが、流石に空間と時間魔法は高位過ぎて使えぬがな。)」
リオはさくやの空間魔法と時間魔法は高位過ぎて使えないのを残念がるが、さくやは自分が放った魔法と同じものをリオが真似出来ることに感動した。
しばらく空中散歩を堪能し人気が全くない土地にリオを着陸させて、さくやは再び空間魔法を練り直し虚空空間からワーウルフを取り出してリオに餌をやる。
リオは翼を休めながらさくやから渡されたワーウルフを食べながら、先日の狩猟のことについて話をした。
「(先日の狩りは主とエネの二人でもよかったのではないか?エネが空間魔法の検視でワーウルフの群れを探すのも出来ただろうに)」
「(あぁ・・・まぁアルマが俺達について行きたいって言ったからな、少しでも役に立てるってのを与えないと一緒に居る意味ないし、それに検視って意外と情報量の処理が多過ぎてなエネ一人に任せると大変だろうしな。)」
「(主は言葉はあれだが、連れのことをちゃんと考えているのだな。)」
「(言葉は今さらだな、直すつもりもない。必要な時は唯一の常識人のアルマに投げるし、まぁそんなことが起こらない様な生活をする予定だしな。)」
リオがワーウルフを食べ終わるのを確認すると背に乗り、再び空へ飛んだ。
しばらく空中を飛行してから村の方角へ戻っていると、前方から大型の怪鳥が20羽ほどの群れがこちらに飛来して来るのが見えると、さくやはリオの食事情について尋ねた。
「(リオって鶏肉も食べるか?)」
「(まさか、あれを取るつもりか?遠目からの憶測でもなかなかの型だぞ?)」
「(質問に答えろ。食うのか食わないのか、どっちだ?)」
「(・・・肉であれば食らう。)」
リオが食べると言うのを聞くと、さくやはリオにホバリングをさせると、背の上で立ち上がり両手を前に出すと魔法を発動させた。
「空間魔法:包囲、断空、虚空空間。時空間魔法:空間停止」
怪鳥のいる空間を捕らえると、空間ごと断ち切る様に首を跳ねて、包囲した空間ごと時間を停止させ虚空空間にしまい込んだ。
さくやの慣れた手付きで怪鳥を瞬殺するのを見ながら、敵対しなくてよかった。とリオは心底思いながら、怪鳥の肉は旨いのか?とこれからの食事情について思いを馳せながら村へ戻った。
「あっ!おーい!さくやくーん!」
夕方も近づく頃間になり村の近くでリオを降下させていると、リオに気付いたエネとアルマが村の門から出て来てさくやに手を振りながら走って来た。
さくやは着陸するとリオを虚空空間へとしまい込みエネとアルマが何をしていたかの話を聞きながら村へと入って行く。
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