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セカンドライフは異世界です  作者: 烏竜茶
ー2章ーお仕事
21/49

報酬

「『みんなー!休憩だよー!』」

エネからの念話が届くと、さくや、アルマ、リオはエネとセンのもとへ向かった。

エネはさくやたちの姿を確認すると円蓋を解除して、さくやたちを外に出すと、虚空空間から円卓と食堂のおばちゃんからもらったサンドイッチを取り出し昼食を取りながら、センに職務報告と後半の作業確認をした。

「一応狩った数は75匹、内リオに5匹食わせた。ブラックベアは無しだ。後半も同じことをすればいーか?」

センは上空に上がったワーウルフの数は把握していたものの、狩った総数を聞き驚愕した。

「75!?慣れたやつでも1日10匹行けば上等だぞ。75匹狩ったなら今日は終いでも十分だなてか狩りすぎだ・・・ちなみに狩ったワーウルフってどこに有るんだ?」

今までの自分たちのやり方が悪いのか、さくやたちが異常なのかは完全に後者だろうなぁ、とセンは思いながら遠い目をした。

「狩ったワーウルフは別に空間を作って、その空間の時間を止めて保管してる。出そうか?」

さくやはセンから受けた質問をあっけらかんと答えると、空間魔法を使えると聞いたセンは驚きながらも

(あぁ、やっぱりこいつらが異常なだけなんだな)

と思いながらも、狩った後のワーウルフをこの場に出されての地獄絵図を想像すると、今食べた物が出てしまうから出さないでくれと全力で首を左右に振って断り、後半の作業について話だした。

「今日1日で狩った数的には問題ない、むしろ狩りすぎなぐらいだから今日の作業は終わりでもいいんだが・・・てか75匹分の報酬を出すのも、上に報告するのも頭が痛いぐらいだがな。」

さくやは今日の職務終了を聞いて、優良企業だなと思いながらも

「今日はもう終わりか?ブラックベアとやらは狩って無いぞ?」

「居たら狩るってぐらいだからな別に問題はないんだ。」

「そんな感じで大丈夫なのか?」

「この雑木林での確認報告はそんなにあがってないからな・・・居るかどうかも怪しいもんだよ。」

「確かに私の検視にも引っ掛からなかったし・・・アルマちゃんは見た?」

「私も見てないですね、いないなら問題はなさそうですけど。」

それぞれに報告を終えて休憩をとる。

小一時間ほど休憩をするとセンが今日はもう終いで村まで戻ると言ってそれぞれに片付けを促し、皆が片付け終わると村へ戻った。


村へ戻ると四人はギルドに向かい、建物の中に入るとセンは三人を待合所で待たせて奥の部屋へ向かった。

三人はしばらく今日の職務の感想を語っていると、奥の部屋から項垂れた表情のセンが出てきて申し訳なさそうに話だした。

「なんかあったのか?」

「いや、上にワーウルフ75匹狩ったと報告をして報酬を出してもらおうと思ったんだがな・・・上がなかなか信じてくれなくて、水増し請求するなと叱咤んされてな。」

「ばか正直に言うからだろ?報酬のことは最初に言っただろ。」

「お前達みたいな自由職の駆け出しはそういうわけにはいかんだろ?一応もう一度話してみるから待っててくれ。」

「・・・いや、別に。(50億あるし)」

「私はさくやくんについて行ってるだけだからいらないかなぁ。」

「私も今はサクヤさんが宿代やご飯代を出してくれているので特に・・・」

センは三人に報酬のことを詫びたが、三人の特に報酬を必要としていない様子に呆気にとられていると、奥の部屋から呼びに支部長:カイロが出て来たが、見覚えのある三人の顔を見て

「・・・ん?センと同行して害獣駆除職務にあたったのはお前達だったのか?まさか竜種に駆除職務を丸投げでもしたのか?だとしたら本当に75匹もこの短時間で・・・」

三人の顔を見て、こいつらならやりかねないかもしれないと思っていると

「地獄絵図を覚悟してくれるなら見せるが・・・どうする?」

カイロの様子を察したのか、さくやが狩った後ワーウルフをこの場に出そうか提案するが、センが全力で断った。

カイロはそんなセンの様子を見て本当に75匹狩ったからなのか?と思いさくや達にせめてもの説明だけ求めた。

「センの様子を見る限り75匹の駆除はまぁ信じるとして、一体竜種をどう使ったらそんなに狩れるのか教えてくれ。」

「・・・面倒事になるから口外するなよ?セン、お前もな?」

「「・・・分かったよ」」

さくやは二人が了承したのを確認してしぶしぶ説明した。

「エネが空間魔法を使って林一体を囲ってワーウルフの行動を制限して、アルマがワイバーン:リオに乗って空から群れの捜索と報告を念話でして、後は報告を受けた俺が縮地と瞬歩を使って狩って行くってだけ。リオは特に使ってないぞ。」

「・・・お前ら本当に何者なんだ?竜種に乗るだけでも異常なのに空間魔法に念話に縮地、瞬歩って・・・駆け出しの自由職じゃあり得ないだろ。」

カイロはさくやの説明を聞きながら達人級に国宝級がなんでこんなところに居るんだよと頭を抱えて項垂れた。

そんなカイロを見ながら早くこの場から去りたいさくやは報酬を急かせた。

「使えるものは仕方ないだろ?んで、報酬はどーする?疲れてるから早く宿に戻りたいんだが?」

「あぁ、75匹だったな・・・7万5千スト、報酬の受け取りはどーする?現金にするか?ステータスカードに振り込むか?」

「カードに振り込みで。」

さくやはステータスカードをカイロに渡し報酬を受け取ると、足早にギルドを出た。後ろからセンが、また頼むぞ!と楽して仕事が終わったのが嬉しかったのか大声で手を振っていたが、さくやとエネは軽く無視しアルマだけ軽くお辞儀をして宿屋に向かった。



読んでくださってありがとうございます。

誤字脱字等ありましたら指摘お願いいたします。

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