表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/100

図書館では静かに

 昼食と散髪を王城で済ませたミント。来た時とは打って変わり、帰りは丁重に扱われ、騎士団長のエスコートで門を出た。


「大丈夫ですか?」


「何がだ? アタシは大丈夫だ。女の一人歩きは危険だってんのなら余計なお世話だ」


「私を傘だけで負かしただけはありますね。私もまだまだということですね」


「たりめえだ、こんな傘女に負けるようじゃ。王様を守るんだ、もっと強くなんねえとね」


「精進します」


「頑張れよ。次からは顔パスで頼むね」


「伝えておきます」


※ ※ ※


 大欠伸をしながら車を降りる。車は急いで走り去っていく。そんな車を見送ると、賑やかな街並みに入る。


「人の往来がスゲエ! あっちもこっちも」


 取り敢えず座りたかったミントは、大きな建物の中に入っていく。無数の本が並んでおり圧巻だ。


「アンオール国立図書館、か。本を読むと眠くなるんだけど仕方ねえ。静かな場所で座りたい」


 椅子に座るだけで眠気が襲ってくる。紙を捲る音や本の匂いが眠気を加速させる。テーブルに腕枕で突っ伏すだけで意識が遠くなっていく。


(……ああ……もう駄目だ)


「訳分からん! なんでそういう展開になるんだよ!」


(あぁあ? 誰だよ、うっせー!)


「どうして海を泳いでいたら宇宙に行くんだ!?」


(静かに本を読めねえなら出てけ!)


「シャリアの本は難解だああ!」


「テメエうっせーんだよ!! 静かに読めねえのかよ!! 一回絞めなきゃ分からねえか!!」


 堪らず立ち上がり声を荒げるミント。眉間にシワを寄せていたが、相手の顔を確認した瞬間、その目を丸くした。驚きの表情へと変わっていく。

 相手も驚いているようだ。怒鳴られてというよりも、この場所で会ったことの方に。


「まさか……マル?」


「俺をマルって呼ぶ人間は一人だけだ。この世界で会うだなんて思ってもみなかった。ミントだろう?」


 互いに確認しあう二人。マルと呼ばれた少年と一緒にいた少女はミントに謝罪すると、少年に問い掛けた。


「彼女は?」


「俺の幼馴染の神城ミントだよ。マルってのは、俺の名前を縮めたニックネームだ」


「まつりばやし……はる……あ!」


「何だ何だ? 一丁前にコレか?」


 ミントがクスクスと小指を立てて見せる。直ぐに否定するハルだったが、ミントはクスクス笑っている。


「ミント、どうしてこの世界に?」


「話すなら外で。図書館では静かにするのがルール」


「だよな。悪いがルキ、一緒に来てくれないか」


「構わないわよ」


(神城ミント。ハルの幼馴染で女の子。ショートカットの女の子)


 ルキは一人焦っていた。手には汗が出ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ