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時計の針は「5」をさしている
「きゃーーーーーーーーー!?」
告白の答えが、悲鳴。
それはない、それは無いでしょう、私・・・・・
ベットの上で、ローリングする。
だが、あの瞬間。
先生の告白。
その、震える手が伝えてくる本気を感じた瞬間。
私が感じたのは、紛れも無い、「恐怖」だった。
怖かった。怖かった。
生まれて初めての告白。怖くなって家まで走って逃げた。
そんな女子は私一人だろう。
まだ。
あのイケメン先生ーーーー名前は時任陽太郎。
その手の温もりがまだ残っているような気がして、怖くなった。
「お姉ちゃんー、お客さんだよ?」
中学生にあがったばかりの妹が部屋に入ってきた。
畳部屋で襖なので、ノックなしである。
「えっ、誰?」
ベットから起き上がる。
「んー?お姉ちゃんの彼氏?」
は?
彼氏って、私彼氏いないんですけど?
と言うか。妹も分かっていないみたいだ。
「彼氏じゃないの?」
逆に聞かないで。
「ごめんなさい、お姉ちゃん、学校から帰ってきてから少し変なんです」
妹の後ろにいたのは、ついさっき私に告白した。
「こんばんは」
時任、陽太郎だった。