反時計回りに「8」をさしている
早速「なぎなぎに会いに行こう」と。
案内されたファーストフード店は、学校から物凄く離れ場所にあった。
「あの、本当にここなんですか?」
入店しようとする優香先輩に聞く。
ありふれたファーストフード店は、学校の近くにもある。
普通デートなら、学校に近い方を選ぶのではないだろうか。
「まぁ、道ならぬ恋ってヤツだからね。私も見るまでは、信じられなかったし。」
(道ならぬ恋?)
「そーだよ、一歩間違えれば犯罪者だしね・・・・陽太郎っちは」
(犯罪者?陽太郎っち?)
「私のなぎなぎを、許さん」
ミサ先輩は、静かに闘志を燃やしている。いつもながら、斜め上の思考。
そして、ここ重要。
お姉ちゃんは、ミサ先輩のモノじゃありません!
・・・・それはさておき。どういう事?
道ならぬ恋、犯罪者、そのキーワードはお姉ちゃんには当てはまらないし。
当てはまるなら、お姉ちゃんの相手の方だ。
「あっ、不安にさせてごめんね。・・・・・ うん、大丈夫だから。安心して」
「そうそう、大丈夫だから・・・・」
どこか遠くをみて答える二人の先輩。
何ですかっ、とても不安になります!
「思い出したら、イラついてきた、今日も邪魔してやろうか・・・」
ブラック・ミサ先輩降臨。
「やめなさい」
「やめなさい」
「早く行きましょう!!」
「えっ、星乃ちゃん!?ちょっと待って!」
お姉ちゃんが心配だ!
店に入った瞬間。
店内に溢れかえった部活帰りの学生に押し流される。
うわっとと、人ごみに流される私を優香センパイと絵里奈先輩が脇を固めた。
そのポッカリと出来た安全地帯にミサ先輩と私。
ミサ先輩はスルスルと。
私と腕を組んだまま人混みの中を縫うようにして進むと、空いていた席に滑り込む、
優香センパイ、絵理奈センパイは、注文を取りにレジに並んでいた。
ここまで一切会話なし。見事な連携プレーだった。
「こっち、こっち」
手招きされ、ミサ先輩の指差した先を見る。
あ、
お姉ちゃんを、見つけた。