反時計回りに「10」をさしている
そう思っていても。
やっぱり、妹としてはお姉ちゃんの恋は気になるのであって・・・・・!!
「あれ?星乃ちゃん?」
「優香センパイ!」
「どしたの?こんな所で」
周りにはお姉ちゃんと同じ制服を着たたくさんの高校生。
それもそのはず、ここはお姉ちゃんの通う高校の正門。
「優香、鈍い。なぎなぎの事に決まってる」
後ろからひょっこりと、ミサ先輩が姿を現した。
「ひっ」
私はミサ先輩が苦手だったりする。
「流石、県内一の美少女。」
カッ、と目を見開き、グイグイ距離を詰めてくる先輩は、はっきり言ってとても怖い。
「こーら、ミサ。怯えられてるから」
ひょいと、猫よろしくミサ先輩と距離が出来た。
「そんな、私は今美少女を堪能したいのに・・・・・」何か言っている。
絵理奈センパイ、その手は離さないで下さい。
「ごめんねー、星乃ちゃん。で、本当にどした?」
「・・・・あの、お姉ちゃんは・・・・」
さっきからずっとお姉ちゃんを探しているのに、見つからない。
時間はバッチリなはずなのに。高校生の下校ラッシュの15分前から待機しているのに。
ーーーーーお姉ちゃんは、帰宅部。
なら、絶対にこの中にいるはず。
そう思って、いたのに。
いくら待てどもお姉ちゃんはいない・・・・・。
ついには、部活終わりらしい優香センパイたちに見つかって声をかけられたというわけだ。
三人は顔を見合わせ。
「あー、香月なら・・・」
三人娘のリーダー・優香センパイは言葉を濁し。
「・・・・・」
三人娘の常識人・絵里奈センパイは、迷っているようだ。
「なぎなぎなら、裏門から帰ったよ?」
三人娘の天然猛獣娘・ミサセンパイは。
私の欲しかった答えをくれた。
「・・・・・・・そう、ですか・・・・」
くっ・・・・まさかの入れ違い。
私は心の中でハンカチを噛む。
お姉ちゃんは裏門で帰るタイプではなく、正門から帰るタイプだと思っていたのに!!
今日はお姉ちゃんの後をつけて、お姉ちゃんとその彼氏を観察・・・・決してストーカーでは無い。
同意があるのかと言われれば無いけれど、ストーカーでは無い。
もちろん見つから無いように隠れて、お姉ちゃんとその相手の後をつけるけど、ストーカーではない。
を、する予定だったのに・・・・!!
まさかの、裏門。
美少女が実の姉(外見は普通)をストーカーしようと待ち受ける図
当然の事ながら、目立ってます。