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壱実  ~倦怠からメリーゴーランド~

読みにくいです、本当にすいません……。

口先だけかよと言われそうですが、幾分、調節方法がわからなくて…。

読める事は読めると思いますので、また調節の方頑張ります!

アイスクリームでも舐めながらとりあえずスクロールしてくれると助かります。

 ―今日も僕らは二人で、遊園地に行った。


 遊園地で、彼女は今日も微笑んでいた。

 でも、所詮、今日の彼女の笑顔も仮初であり偽物であった。

 

 ―そんなこと、どうせ僕は最初っから気づいている。

 

 けど、君は気付いてない、僕が君の気持ちに気付いているってことを。




 ―今日、私達は二人で遊園地に行った。


 遊園地で、案の定彼は今日も微笑んでいた。

 でも、所詮、私は全く彼との時間を楽しむことは出来なかった。


 ―そんなこと、どうせわかりきっているはずなのに、

  彼はどうせ気づいていない。


 私が本当に、彼の気持ちに気づきたくないと言う事に。




 私は、私。 

 私は大学生、大学三回生である、私はとても傍目から見て

 美人であり清潔であり清楚であり所謂美人だ。

 美形、美女、そう目の腐った何をしに来ているのかわからない他大学生から呼ばれる私は。

 当然、それらの奴らの事を蔑にしていた、直接的に容赦なく間接なく

 言えば ―蔑んでいた。

 ねぇ ねぇ ねぇ

 三回聞いても散会してくれず、解散など以ての外。

 どいつもこいつも、私を自分のお飾りとしか思っていない。

 自分より上等な生き物な域者だと知っていながら。

 自分には程遠い域者だと知っていながら。

 ほら、今もそうだ、私の横にいる男だって、本心は吐き捨てる程に

 類似相似している奴らと同じ。

 

 「どうした? 紫」

 

 紡華 紫、私の名前だ、その私の名前をファーストネームで気軽に呼んで

 くる自意識過剰なこの男は、安城 武、至って平凡な親も七並べでもやりながら付けたのかな? 

 というくらいの

 どこにでもありそうな名前の男。

 数年、今一度数えてみると、二年程重きを共にしている。

 一年目は、確かに良かった、上手かった。

 ベッド上の彼は、上手く私をリードしてくれて、為すがままに成してくれ、

 単純な快楽だけを私に堪能させてくれた。

 けれどやっぱりそれは、一夜のみの話で、ベッドは寝て起きる物でしかない。

 よってそこで起きる行為も、いくら無類の快感だったとしても

 太陽が昇ってしまうと同時に下っていってしまう。

 だから、結果として、私はその彼と一か月顔を赤く染めて、客観的に見れば

 バカの一つ覚えのように手と手の電気信号に怯え胸を痺れさせて

 食事に行った後に起きた一夜の魔法。

 その魔法のみで満足してしまった。

 もう、いいかなぁ。

 そう言ってしまいそうになるほど、二か月目からは彼の愛情だけが

 注ぎ込められた注力された愛撫さえも、うんざりしていたくらいに

 私は彼に飽和のみしか感じていなかった。

 近頃は、彼に手を握られる事さえも、淀んだ空気が張り付く様な気がして、鬱陶しくなる。


 「別に、何も無いけど……なに」


 今もそう、私は彼にそっけない態度を取ってしまう。

 だって好意を放出させたとしても、どこか取ってつけた様な

 一時期売れて、流行りにいつの間にか乗り遅れてしまったレッドカーペット

 から滑り落ちた女優のやる気のない演技のようになってしまうから。

 彼にだって、そこまではさすがに、あんまりだ。

 精一杯の気遣い、これくらいしか出来ない。


 「え、いや、あのさ……話聞いてた?」


 聞いてないよ……御免なさい。

 そんな風に言えたら、どれだけ、……どれだけいいか。

 二人座っているベンチから、私一人だけ滑り落ちそうになる、据わらない。

 このベンチとも、もう長いなぁ……。

 過去を振り返る名残を想い出す事でしか、彼との今を感じようとできない私って。

 なんだか、もう、終わってる。


 「話? え、あ、あぁうん…何の話だっけ」


 素直に答えると、彼は、おどけたポーズを取って、両手をくねらせる。

 今日は元気ないねぇ~なんて言葉も添えて。

 違うよ、本当は気付いているんでしょ?

 私はいつも元気ないよね? ね? ね?

 ……まぁ、どうせ上書きされるのだけど。

 片手に彼が屋台から買ってきてくれたバニラアイスクリームがとろりとろけて零れゆく。

 どこに行くの? って聞いても、いやいや教えてくれませんよね。

 分かってるよ、君に聞いたって意味ないよね。

 でも、いいなぁ、君はいつだって零れれば落ちてゆける。

 でもねぇそー簡単な物じゃないんだよ……零れれば落ちるだけじゃないんだよ。

 

 「何の話って……はぁ…もう何回目、…いいけどさ」


 ため息を吐きながら、彼は息を零す。

 自分のバニラアイスクリームを上手く零れ落ちる前に、舐めとる彼は、

 下をぺろりと動かしながら、次の言葉を告げるための準備をする。

 そういえば、と。

 私は利き腕に着けている腕時計を確認する。

 ベンチに座って、とうに三時間。

 やれやれ、こっちが嘆息したいし、涙腺も切りたい。

 帰って見たい番組があるんだよ、少女の悲劇のお話。

 突如、三角関係だと思ってた関係が、錯覚だと気付くんだ、なぜか

 ―それは、彼が二人いただけだから、同じ彼が。

 タイトルは、なんだったかなぁ……。

 いかにも、受けを狙いすぎて逆に寒さを感じさせる連なりだった気がするけれど。

 

 「ちょっとー紫さーん、目がスイマーしてますよーまた……聞いてた?」


 あら、いつの間にか二度目か四度目かの彼の≪決定的デートプラン≫の講釈が

 終わっていた様だ、どうでもいいのになぁ。

 じりじりと太陽が陰に滲み寄る。

 太陽だってきっと寂しいのだろう、と憂いてみる。

 私は満足だけどね、一人になりたい。


 「え、うん……遊園地だよね」


 実をいうと、この男は、昨日の夜から電話を掛けてきていた。

 PM12:00 時間の表記に色々戸惑い逡巡する鬱蒼が時計に纏わりつく時間帯に

 わざわざこの男は電話を掛けていた。

 ○○の予定が決まったよ。

 意気揚々と、弾んだ声で。

 こっちは一切バウンドしてないっていうのに。

 電話が鳴りやんだのは、AM00:23

 キッチンに向かうと、夕飯に食べようと思っていたカップラーメンが伸びきっていた。

 ―最悪。


 「そうそうっ! 遊園地、きいてんじゃんっ! 今週の土曜だから明日だねっ!」


 昨晩の事を思い想い出して、嫌気が差してきた私に、彼がバレーボールのように

 跳ね飛んだリズムで嬌声を上げる。

 きっとこのバレーボールは、高すぎて私には上手く打ちかえすことが出来ない。

 だからスルー……しようとすれば、直撃してくるから、危なげな姿勢で無理やり

 両手を丸めて打ち返す、あぁ、逸れちゃった、ごめんね。


 「そう……明日、明日…ね、うん」


 吐き気を催しそうになりそうな私の体調なんて素知らぬままに

 彼は私の一切合財の感情を中抜きされているコトバで満足してる。

 簡単だね、感嘆だね、かたかんだよ。

 ―だってね結局この男も

 私を私として見てないのだから。



 


 「じゃあ、明日、楽しみだなぁ」


 歩道橋の向こうで、彼が最後の手振り身振り。

 あぁ、これが本当の意味で、最後なら、どれだけいいか。


 「あ、明日、ね……はい、うん、じゃ、ね」


 ロボットみたいなぎこちないさよならの言葉を返す私に彼は何の疑問も抱かず

 白い歯を輝かせ背中を魅せる。

 街灯が照って、更に映えて眩しくて、やっぱり逸らしてしまう。

 私は、彼の事が嫌いなのだろうか。 

 現実的に言えば、結論、嫌いに該当するのだろう、多分百人いれば百人がそう舌を捲る。

 でも、なぜだろう、そういわれても、心の中の素直に成りきれない私は為りきれない私に

 

 ≪まだ可能性、あるんじゃない?≫

 

 と、無理やり訴えかけてくるのだ、意味が解らない、分からない、解読不能だ。

 ぶらぶらと両手と腰を脱力させて見かけにはふざけた体で右足と左足を動かしながら

 意識朦朧に歩道を歩いていき、交差点を通る、信号機が青になってから。

 車道の間に曳かれている等間隔の白い線が私は子供のころから愛しくてたまらなかった。

 なぜか。

 それは、あの線のおかげで車達が助かっているんだよ、と両親から教えられたからだ。

 まぁ、そんな事を言ってしまえば、車道に曳かれている線全てが車達を助けているのだけど。

 あの頃の私はなぜかあの等間隔の白い線にだけ興味が湧いていたのだ。

 きっと通学する時に通る交差点でよく見かけたからだろう、脳裏に焼き付いていたから。

 じゅわじゅわと、帰宅するたびに白い線が支離滅裂滅茶苦茶に東奔西走右往左往に

 忙しく体躯を全力で使い、縦横無尽に脳内を駆けずり回った。

 バランスが良い、というのは良い事だなぁと、この年になって改めて

 今白い実線群を視認しての感想。

 実線に目を落として、それから瞬きのまもなく明滅点滅している

 信号機に目を当てる。

 青、赤、青、赤

 青になった、車道を抜けていく、瞬間、一陣の風が突き抜け透き通っていく。

 風は、涼風かつ清涼で、一点の曇りも淀みも許さないと言う程の爽快感。

 風はいつ浴びても、安定の風だなと意味不明の思慮言を想い交差点を渡る。

 無事に渡り終えると、時間感覚も忘れる程に途端、幾多の車が雑多に空気を纏い飛んでいく。

 目を下に向けて、一瞬の恐怖に身を貶める、なんだか怖くなる。

 あの場所にまだ留まっていた数秒前の自分を想起すると

 もしかすれば、あのまま滞留していれば私の今はなくなっていたんだなと

 想像すると、なんだか怖くなる。

 停留は怖く滞留は恐ろしい、ワンパターンも飽き飽きする。

 でも人は、それでも安定に安寧し安心してしまう、そういう愚直で素直な真っ直ぐな生き物。

 交差点を渡ったすぐに二つの分かれ道がある、間には一本の大木……

 といっても中程のサイズのだけれど、その木のすぐ眼前付近に

 見るもみすぼらしい全身に一昔前流行だったファンタジー系小説に出てきそうな

 ローブを着た老婆が腰をひん曲げ片手には一見すれば材木製で磨き上げられた杖を持っている。

 目には、顕微鏡機能が付いていそうな二層式のメガネらしき物を着けており

 私をずっと見ている。

 誰だろう、あんな知り合いはいない、惚けた目で私は老婆を視覚。

 ちゃかり、きりきり

 とどんなポーズをとってみても、老婆は一貫して一点しかみない

 ―私だ。

 その視線上の先には、その視界と言う並行世界の中には私と貴方しかいないよ老婆

 導かれる気がして、

 その老婆に出会えたことが一つの積み上げてきたことによる軌跡であり奇跡のような気がして

 何と啼く話しかけてみた。


 「どうしたんですかおばあさん、道なら他の人に聞いてくださいね私方向音痴ですから」


 老婆は、首を人間的可動域では絶対的に不可能と言える動作

 首を一回転に回して私を舐め視て、自ずと大木に徐に取り出した短刀で一線を箇条

 そうして、ケラケラと乾ききっている事を理解させるようなしゃがれた喉から

 発声された音が飛び出し私に聴覚。


 「クケクケクケ …不満…しっと…ニクシミ…不遇…擦違い…何か当て嵌まるものはないか?」


 途切れ途切れに聞こえてくる音は、なんとかともなく吹き荒んでいる辻風に乗り

 私達の並行視線上に飛来。

 老婆の言った七つの大罪の様な一聴しただけでは意味不明な言葉の羅列を箇条


 不満 dissatisfaction

 嫉妬 jealousy

 憎しみ hatred

 不遇  unfortunate

 擦違い time lag


 箇条してみても、意味はわからない、けれど。

 これはもしかするとすればするすると…何かの暗示かもしれない。

 ―私の人生

 ―もしくは、

 ―私の現在に対する価値観への感想

 そういう意味でなら、と私は囁く。


 「うーん、うん、それがそういう意味なら、全部当て嵌まるよ、ごめんね自己完結で」


 私の返事に老婆は喉を微細にふるふる震わす

 老婆が喉を震わした途端に、大木の向こうに一直線に右往左往に

 ミラーリング、アシンメトリー、遠近法

 で目視すれば途端捲り捲る間もなく眩みそうになる程に広がっている

 並木全てが震えた。


 「クケクケ いいのですよ貴方方、貴方方のお考えになっていること等私には手玉を取る様におわかる」

 

 判然、瞠目、その言葉を聞いた瞬間、私は刹那、瞼と瞳を数多も接合分離

 単純に驚嘆した、出会い目を合わせ視線上を共にした時間総累計数分程にしか満たない相手に

 こうもあれらこれらと往々のプライバシーに侵入されているとは……。

 嘘の可能性? 考えると面白くなくなるでしょ?

 悪戯心、ほんの一時の快楽、お遊び感覚で老婆に私は綴る。


 「手玉ねぇー何か怪しいけど、何? おば様、願いでもかなえてくれるわけ?」


 よくあるじゃないか、ある日突然魔法使いが云々未来型猫系ロボットがかんぬん

 夢見事だとおもっていたけど、実際に起こってみれば別に

 嬉しいじゃないか、夢ミゴト! って、寒いな。

 ままぁそんな感じで素直に嬉しいだろうなと。

 そんな上手い話あるわけないけど。

 

 「クケケケ そうだよ嬢ちゃん、あんたの願を叶えてあげるよ、ただし、代償として身体を貰うけどね」


 また見透かしたように、先の先までを呼んで老婆は私に甘い悪魔のささやきを呟く。

 ふと頭上を見てみれば、空が灰色に染まっていた。

 ビルの白色はシルバーに染まり、アスファルトはその身を色濃く。

 異様だなと辺りに恐慌している反面、私の頭の中は実は老婆の言葉でいっぱいだった。

 ―願いを叶えてくれる?

 こんな世界で、このような甘い言葉があるだろうかとてつもない純度100%の甘言だ。

 代償が気になるから、一応聞いておく。


 「ホントにっ⁉ 願い叶えてくれるの? でも代償が……」


 勢い飛出し一気に下落くぐもった現金な私の声に老婆がわかりきっているという感じで

 私に告げる。


 「クケケケケ 代償といっても、なぁーに血液を貰うだけさ、ちょいとね」


 老婆の言葉を聞いてしばらく反復させ反芻

 血液採取…体の中に幾多数多ある液体の中のほんの一部…… 

 =それだけで願いがかなう……。

 三十秒ほどで当然私の結論は出た。


 「なんだ血液だけなんですか、じゃあお願いします、


 多少、私は躊躇う様に噎せるが、続ける


 今の彼氏を、なるべく安全な方法で消してくれませんか」


 老婆は、垣間だけチラリと目をよこし、『わかりきっている』かのような顔で神妙に頷き

 頷きと共に一陣の大きな風が吹き、一瞬驚いた私が瞬きをした瞬間に消え去ってしまった。

 何が起きたのか、さっぱりわからなかった。


 

 ―そうして、時間は流れて彼とのデートの日…

 私は、目を瞠った。

 ―私の彼は、

 ―二人いたのだから。

 

もし読んでくださったなら、読みにくい文章有難うございます。

莫迦みたいに改行しない方が良いんですかね…イマイチよくわからなくて閲覧モードで編集できればいいのにな……。

二週間か一週間に一本のペースであげていきたいとおもいます。

ではアイスクリームでも舐めながら待っていてくださいねッ!

パルム美味しいっ!

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