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名無しの手紙  作者: 山本良磨
第5話 ハルモニア & ラ・クリマ編
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前を向いて

 黒い髪を踊らせながら、元気よく馬車乗り場へと歩いていくメール。その後ろをついて歩く名無しは昨日のことを思い出していた。

 昨日の昼。霊媒師の屋敷から、怒ったメールと沈んだアルバが出て行った後のことだ。

「待って! お願いです。話を聞いてください。……彼の母親は、何も話さなかったのですか?」

「……そうだ」

「そうですか……。たまにいるんです、霊媒師しても黙ったままで話したがらない人が。あの少年に伝えてくれませんか? 母親が何も言わなかったのは、きっと生きているあなたに前を向いて欲しいからだと。既に死んでいる人に、過去に囚われて立ち止まって欲しくないからだと」

「……随分都合のいい解釈だな」

「霊媒している間は、私は眠っている状態なのですが、まるで夢を見るように、あの世から呼び寄せた人の思いが伝わってくるのです。ぼんやりとですが、あの子の母親は、嫌で無視しているのではなく、彼の未来を思って、心を鬼にしているのだと……。そう伝えてくれませんか?」

「……気が向いたらな」

「ええ。期待しています。……ところで、あの女の子はどうしてあんなに怒って——?」

「あいつのことは気にするな」

 名無しは即答して、そのまま屋敷を後にした。


          *     *     *


 霊媒師の考えていたシナリオとは少し、いやだいぶズレた、強引なものだったかもしれないが、

(ま、別にいいか)

 この件についてこれ以上考えたくなかったので、名無しは適当に結論づけた。

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