12月23日(1) どうするのかしら
次の日の朝。
「手紙、まだあるね……」
しょんぼりした口調でつぶやいたメールを、フーリエが必死になだめた。
「大丈夫よ、明日にはなくなっているわよ」
そのとき、フーリエが名無しを睨んできた気がしたが、そっぽを向いて無視した。
宿屋の人が持ってきてくれた朝食を三人で食べ終わったとき、フーリエが
「ねえメール、今日はあたしと一緒に町を回って遊ばない?」
と、提案をしていた。
「え、でもお姉ちゃん、仕事は」
「そんなもん、コイツに任せとけばいいのよー」
フーリエはエルレ・ガーデン宛ての手紙の束を名無しの前に放り投げた。
「でもお姉ちゃん、さすがにそれは——」
「…………」
メールが言い切る前に名無しは無言で手紙を掴み、そそくさと仕事へ行く準備をした。外は寒いので、防寒対策は厳重にしておく。
「さっすが、よくわかってんじゃない!」
「な、名無しさん、いいんですか……?」
「……楽しんでくればいいさ」
名無しはそれだけ告げ、メールとフーリエを残して配達へくりだした。
* * *
「さて、どうするのかしらね……あいつは」
フーリエの小さなつぶやきは、部屋を出た名無しにはもちろん、すぐそばにいたメールにも聞こえていなかった。




