神との接触
何が何だか分からない状況の中現れたその女の子に俺は目が釘付けになってしまった。
宙に浮いているのもそうだが、見入ってしまった理由がもう一つあった。それは、誰が見ても美少女と思ってしまうその容姿だ。
細身で背は低く、肌は白い。サラサラ髪でまつ毛は長く、それでいて、鼻、口、目がバランスよく整っている。そこら辺の女の子では、全く歯がたたないと思わせるほどの存在が今俺の前にいたのだ。
ぼっーーーと見ていたが、しばらくして、ハッ! と俺は我に帰った。そして同時に周りを見てまた気付かされた。
道だけでなく、辺り一面が濃い霧に包まれていることに。
俺は唖然となって、動けなくなった。
俺死んでしまったのかな? と思わせるくらいに。
「お主よ、驚かせてすまんかったな。 」
彼女はまた声をかけてきたので、再度向き直って俺は問いかけた。
「これは一体、何が起きているだ?」
「まあ、とりあえず落ち着きなされ、今から話す。」
ふぅー、と息を吐いた後彼女は言った。
「妾は、この町を守る神様じゃ!」
・・・は?神様?いやいや冗談だろ!?
「む、信じておらぬようじゃな、これならどうじゃ。」
と言って指をパチン、と鳴らすした。
すると、俺の体は宙に浮いてしまったではないか。
「うぉ!?俺が浮いてる!?」
「どうじゃ、このくらいお茶の子さいさいなのじゃ!」
と腕を組み得意げな顔しながらいった。
「これで分かったであろう、妾が『神』ということが!」
と高らかに言い放った。
「すみません、分かりましたから、早く地面に降ろしてもらえないでしょうか?」
と俺が言うと、
神は、「良かろう」といって指を鳴らした。
すると俺の体には重力が戻り、地に足が着いた。
神様なのか? とまだ疑ってはいるものの、今の現象を説明することができなかったため、とりあえず信じてみることにした。
神は話し始めた。
「なぜお主の前に現れたのかというと・・・」
いやいや、まだ何も質問してないんだか? と内心思ったが話しは続く。
「それは・・・」
「今日から、神の代わりに人々を救う『神の代行者』にお主が選ばれたからなのである!」
・・・はあああああああああああ?!