神との遭遇
俺は今神社の前にいる。
遡ること数時間前・・・
体育の授業が終わった後、智樹が着替えながら言った。
「なあ、聞いたことあるか?町の神社の伝説!」
俺は、「伝説?」と聞き返した。
「ああ、噂によるとこの町の住人を守っているらしいぜ。」
「いやいや冗談だろ。」と言いながら俺は上着のボタンを閉めた。
「それが冗談じゃなくてな、神社に参拝しにきた男性の病気がたちまち治ったり、車に轢かれそうになった子供がいたけど車が何者かに止められたように止まったりと、最近いろいろ起きているんだってよ。」といいながら智樹も服を着る。
俺は「本当か?」と思いながらその話しを聞いた。
「疑うって言うならお前も神社に行ってみろよ。何か起きるかもしれないだろ。」と言われたので、
俺は「分かった」と言っていくことに決めた。
そして今に至る。
その神社は山の麓にある小さな神社で、なんでも、千年前からあるらしい。俺は入口から入っていき賽銭箱の前まで歩いた。しかし、何か起きそうな気配もなく、俺は一応五円玉を出して賽銭箱に投げ入れた。 チャリン、と澄んだ音がした後、手を合わせる。
「なんもねえじゃん。」
期待はずれだったと思い帰ろうとして俺は後ろを振り返る、その直後、自分の目を疑うほどの事態が起きた。
道が無くなっていたのだ。
(何が起きている!?)そう思って俺は呆気に取られていた。
その時、どこからともなく声が聞こえた。
『よくきたのう、お主を待っておったのじゃ。』
振り返るとそこには、巫女さんのような服装をした女の子が宙に浮かんでいたのだった。