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悪役令嬢の異世界終焉戦争〜一人の少女が巻き起こす悲劇の物語〜  作者: 偽りの箱
第一章 第二幕 学園編 加速を始めた世界
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戦況の変化

 深化を行使したアストラに対し自律神経自己完結機械(オートマタ)であるメープルは深化を行使することは出来ない。なぜなら、自律神経自己完結機械には世界能力を有することはできなかったからだ。自律神経自己完結機械には年齢と言う概念が存在しない。そのため、継承の儀を受けることができなかった。これまで自律神経自己完結機械でありながら継承の儀を受けたものはごくわずかだが、最後にはみんな同じ結末を辿っていた。それは、自壊だった。自律神経自己完結機械に魂は存在しないため、世界能力を授かろうとした瞬間に器が壊れてしまうのだ。そこに例外は存在しない。ただし、ある条件下において、自律神経自己完結機械でも世界能力の行使が可能であることが近年になってわかり始めてきた。


《警戒レベルを上げこちらも世界能力を行使します》


 それは、自律神経自己完結機械が主と決めた主人に忠誠を誓っており、主人が自律神経自己完結機械を信頼している時だ。


《世界の意志の世界能力を行使します》


 そして、自律神経自己完結機械が行使する世界能力は主人の信頼度でその威力が増減する。


《世界が天を仰ぐとき・そこに新たな生命の灯火ありと告げる・死を克服し超越する》《顕現せよ》《天帝位》《ルクシアス・ステイシアス》


 4小節で紡がれた詠唱に一粒の雫が地面に触れる。その瞬間大地が鼓動を始めだした。


「何!?一体何をした!」


《......》


「地面が鼓動するってどういう原理してるのよ!」


 アストラがメープルに向け鞭を放つ。だが、その鞭がメープルに届くことはなかった...なぜなら、アストラは鞭を持っていなかったからだ。


「なっ!?」


 アストラが持っていた鞭はどこにもなかった。なかったことにされたのだ。大地の鼓動によって、あったものをなかったことのようにされたのだ。ただ、この能力は深化ではないということだ。顕現は深化ほどの力を発揮することはあまりない。ただ、今回に限ってメープルが求める物がこの世界能力に反映されてしまった結果なのだろう。いわゆる相乗効果と言われるやつだろう。


術式再構築(アドスペルコード)・リミテッド》


 メープルが術式の再構築を行い巨大な銃口を一つの巨大な銃口へと書き換えていく。


破壊術式(ブレイクスペル)・グレイスシープ》


 巨大な銃口をアストラめがけ構え、発射の体制をとる。


自律神経自己完結機械(ロボット)がこんなに強いはずがない!何かからくりがあるはず...そんな簡単にやられていい存在じゃないのよ...!私は成り上がるんだから!」


《......》


 アストラが怒りの籠った声でメープルに怒鳴りつけるがメープルはなんの反応も示そうとはしない。ただ、単純な作業の様に敵を見据え、やるべきことをやるだけだった。


《エネルギー充電を開始》


「くっ...!」


 アストラは防御の構築式を展開していくが、そのどれもがすべてなかったことにされてしまう。


《エネルギー充電率30%》


「なめるなぁぁぁ!!!!」


 物量で防御の構築式を展開していき、《ルクシアス・ステイシアス》でも排除できない勢いでどんどん防御の構築式を展開していく。


《エネルギー充電率70%》


 それに伴い、メープルのエネルギー充電率をどんどん上がっていっていた。アストラは防御をさらに分厚くしていく。だが、その半分以上がなかったことにされている。それでも

、物量で押し返しているところを見ていると実力者と言う事が一目でわかる。


《エネルギー充電率100%グレイスシープ砲撃》


 メープルが手を振り下ろし、砲撃の合図を出す。その威力は山を一つは確実に吹き飛ばし、地形を変えるほどの威力が籠っていた。


「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」


 それを簡易防御陣の物量で押し返している時点で、おかしいのだが...それでも、すべてをふさげているわけではなかった。


「くっ...!」


 何なのよ...このデタラメな威力は......こんなの直撃したら、骨の一つも残らないじゃない。でも、今の私にはこれ以上守る手段がない...いや違うやり方が間違っているんだ。この砲撃を完璧に防ぐためには、より密接した構築式を書く必要がある。簡易の防御陣を物量で押し返して消しきれない様にしていたけど...それができるならより情報量の多いものは消しきれないという事。ならやるべきことは一つ...!


《我・汝に問う・世界の在り方に・この世の心理に・世界は回り巡る》《顕現せよ》《紅一点(アソッドリジョン)》《チェイン・ディストラクション》


 4小節で紡がれた構築式は、地面から鎖のようなものを顕現させる。そして、エネルギーの塊である《グレイスシープ》に巻き付いていく。鎖は《グレイスシープ》のエネルギーをどんどん吸収していく。そして完全にエネルギーを吸収し終えたあと、鎖の形から、剣の形状へと形を変え、アストラの手元に収まっていく。


《......》


「次で最後にしましょう...」


 剣を前に構え、メープルを見据える。それにメープルは何も返答しない。それは、自律神経自己完結機械なのか...それとも......


《いいでしょう、私もはなから近接戦で終わらせようと思っていましたから》


 メープルも剣を構えアストラの言葉に答えた。この一撃で勝者が決まるだろう。この戦いで戦況が変わる...アストラが勝てば、スネークブラッドがさらに力を付け、負ければ弱体は必死...どちらにせよ、アストラにとって負けられない戦いなのは変わらないだろう。だが、勝者は戦った時から決まっている。これは揺らぐことのない決定事項なのだから。

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