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悪役令嬢の異世界終焉戦争〜一人の少女が巻き起こす悲劇の物語〜  作者: 偽りの箱
第一章 第二幕 学園編 加速を始めた世界
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自律神経自己完結機械《オートマタ》

 馬車の中に足を踏み入れると、そこには驚くべき光景が広がっていた。


「これが...王族が乗っている馬車...なの?」


 そこに広がっていた光景は、馬車の光景ではなかった。そこは、一つの部屋があった。馬車の何倍もの広さがあり、揺れもせず、さらにはお菓子や、飲み物まで置いてあったのだ。


「すごいわね...これほどの広さの馬車さえあれば、ここで済めちゃうかもしれないね」


「そういうわけにもいかないんですの...」


「うわ...!?」


 突如背後から現れた人物に、驚きしりもちをついてしまう。いつから、そこにいたのか気配すら分からなかった。


「ごめんなさい...驚かせてしまったかしら...?私って、存在感が薄いからいつも驚かせてしまうんです...」


「そ...そうなんですか」


 全く気がつかなかった。そもそも、いつから後ろにいたのだろうか...?私が入ってきたときには誰もいなかったはずだ。そして、馬車に入った瞬間私の後ろに現れた。どう考えてもおかしいのだ。私の後ろに現れるなら、私が馬車に入った時に、顔を合わせるはず...それなのに、顔合わせは起きなかった。という事は...どういうことだ...?私の後ろに現れた原理が全く分からない。


「私は、この馬車の管理を任されています...メープルと申します、以後お見知りおきを」


「ご丁寧にどうも...ところで、一つ聞いてもいいですか...?」


「はい、何なりと」


「あなたは誰ですか?」


「どういう事でしょう...?」


「ごめんなさい、もう少し分かりやすく言いますね...あなたは、どこから入ってきたのですか?」


「あぁ、そういうことですか...!私は自律神経自己完結機械(オートマタ)この馬車の護衛兼メイドをやらせてもらっています。私が現れたのは、リンメル様が馬車に足を踏み理入れたことで、私が護衛兼メイドとして目覚めたというわけです」


 なぜかおいしそうな名前だ。


「つまり、あなたは私が危険の加わらないように、守ってくれるということ?」


「その通りでございます...リンメル様が馬車を出られますと、私はまた眠りにつき次の来客を待つという形になります」


 だからと言って...後ろに現れるのだけはやめてほしい......簡単に言うと、メープルはこの馬車の中だけで...しかも、人が乗っている時だけしか稼働しないということか。


「そうだったんですね...でも後ろから表れるのはやめた方がいいと思います...みんな怖がりそうですから」


「承知しました、以後気をつけます」


 それにしても、ずいぶん広い部屋だ。私の寮の部屋とほぼ同じ大きさだろう。ここで、暮らせばさぞ快適な生活が送れるはずだ。


「それではリンメル様...王城に到着する前に、先ほど預かった正装に着替えつつ、それに見合ったおめかしをしていきましょう、メイクの方は私にお任せ下さい...ささ、お時間もさほどありませんので、着替えて生きましょう...!」


「ここで着替えるの?」


「そうでございますけど、何か問題がおありでしたか?」


「いや...別に、あなたしかいないからいいんだけど......」


 メープルは頭をかしげ、何も分かっていなさそうな顔をしている。確かにメープルは自律神経自己完結機械(オートマタ)で、私達人間とは違う感覚で生きているかもしれない。それに、この馬車は多分来賓用の馬車だ。あまり、使用されることが少ないのだろう。だから、情報が少なく自信の知っている範囲の行動になってしまって、人間の常識が欠落しているのかもしれない。


 だからといって、着替えない訳にもいかないため早速着替えを初めて行く。


「はぁ~...人前で着替えるのは、中学校以来だなぁ~よく家の中を裸で走り回ったっけ...今思えば、とんでもないことを私はしていったって痛感するよ...」


 本当に、誰にも知られたくない黒歴史の一つだ。


「リンメル様、一つお伺いしてもよろしいですか...?」


「ん?どうしたの...?」


「しょう...がっこう...?と言うものは何ですか?」


「あぁ~......」


 そうか、メープルは自律神経自己完結機械(オートマタ)だから、小学校というか、教育という概念すら知らないのか。そもそも、こちらでは小学校や中学校と言った育成機関の呼び名ではなく、すべてひっくるめて『高度育成機関(ロデア)』と呼ばれている。


「そうだね...簡単に言えば、たくさんの人間と勉強する場所かな...?」


「勉強を...をする場所ですか...?」


「えぇ、私達人間って言うのは最初から頭がいい人はほとんどいないのよ...だから、人間をたくさん集めてみんなで一緒に勉強をするの」


「そうなんですか...少し、楽しそうですね」


 メープルならそう言うと思っていた。ここで、一人でいるより、周りに囲まれて生きていけるはずだ。


「メープル、それよりあなた...私がまだ着替えているのに、メイクの方始まっているのだけど、私まだズボンしか脱いでないのよ?」

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