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ある日の昼下がり。
私が精神疾患の鬱の一歩手前の『適応障害』と診断された日、心のどこがで安堵した記憶がある。
繰り返される日々の中で情緒が安定しない日々、しかし、社会人たるものそんな寝言は口に出したり、態度に出したりできない。
そんな日々に疲れてしまい、自殺のことが頭の片隅にある生活。
20代の死亡原因で一番多い『自殺』
まだ、無知で無垢な学生の時は、自殺する人の感情、生活、状況なんて想像も理解もできなかった。
今の地獄より、もしかしたら楽なのかもしれない。
この世界に自分という存在は邪魔なもので、価値がなく迷惑なものなのかもしれない。
さまざまな『かもしれない』の状況が常に頭の片隅にあり、生活しているのだろうと今の私だからか少し理解できた気がした。
カウンセリングを受けながら、長年染みついた社畜思考で仕事のことを考える。
先生に休職するように勧められたのにも関わらず。
「とりあえずいつまでお休みする?」
先生の声で浮上する意識。
「とりあえず1ヶ月お休みする?」
休職という選択をしたことのない私は、どうすればいいか分からずただ首を縦に振る事しかできなかった。
診断書に来月までお休みのこと書いておくね。と先生は自身の目の前にあるPCに内容をまとめていく姿を少し人見知りの私は、口を開くことなくその光景を眺める。無音の室内にキーボードのタイピングの音が響く中、また仕事について思考をめぐらせるそんな自分自身に私は、嘲笑してしまう。
その後何個かの質問に受け答えし薬を処方されその日の診察は終わった。
薬の状態がみたいから、来週11時にきてねと言われ診察室を出る。
会計待ちをしながら、上司にはなんて連絡しよう。もしかしたら、怒られるかもしれない。下手すれば、自主退職を勧められるのでは?
頭を駆け巡るのはそんなこと。
「莉央、会計呼ばれてるよ。」
「え?あぁ、行ってくるね」
初診で不安な私のい付き添って来てくれた彼の奏が言う。
考え事に浸り過ぎだなと自分で思うが中々うまいことすることができてない。
会計を済ませ、薬局に行き、薬をもらって建物を出る。