バウムブリュレ
壁|w・)ここから第44話のイメージ。
今日は獣人国に行く日。今日こそ獣人国の美味しいご飯を食べたい。ただしルドガーさんのごはんは除く。
「それはそうと朝ご飯は食べないといけないと思う」
『どうした急に』
『いきなり配信が始まったと思ったら朝ご飯の話をしてる……』
『今日の朝ご飯は何かな?』
『また喫茶店?』
喫茶店のご飯もいいけど、今日は別のにしようかなと思う。
「ちゃんとした朝ご飯を食べないとね」
『喫茶店でのご飯はちゃんとしてると思うがw』
『何にする? お茶漬けかな?』
「投げ菓子ください」
『おいwww』
『ちゃんとした朝ご飯じゃなかったのかw』
『リタちゃんにとってはちゃんとした朝ご飯だよ!』
そう。ちゃんとした朝ご飯だ。だから投げ菓子を食べようと思う。美味しいお菓子がいいな。
「投げ菓子を集めるから準備をしてほしい。一分後ぐらい」
『いや早い早い』
『もうちょっと! もうちょっと猶予を!』
『家の中探すから!』
「ん……。じゃあ、五分後で」
さすがに一分は短すぎたかな。五分あればいいよね? 待っている間に私は別の物を食べるから。
『おもむろにバウムクーヘンとカステラを取り出したぞ』
『今からお菓子をもらうっていうのに甘いものを先に食べる、だと?』
『ええんかシッショ!』
どうして師匠が出てくるのか分からないけど、これは譲れない。お菓子はとても大事。朝のお菓子はとても大事。お菓子を食べると一日がとても幸せに過ごせると思う。
「異論は認めない」
『あ、はい』
『すっかりお菓子ガチ勢になっちゃって……』
『どうしてこうなった』
『投げ菓子を導入した精霊様が悪いかな!』
そんなことはないと思う。多分。
バウムクーヘンとお菓子を食べつつジュースを飲む。幸せの味。そうして五分ほど待ってから、杖を構えた。
「もぐもぐ……それじゃあ……むぐむぐ……魔法を使う……もむもむ……」
『お口の中を空にしなさいw』
『お行儀が悪いよ!』
ん……。真美のコメントだ。注意する。ごめんなさい。
それじゃあ、改めて、と……。
魔法を使うと、目の前にお菓子が現れた。設定通り十種ほど。見覚えのあるお菓子もあれば、初めて見るお菓子もあるね。どれも美味しそう。
『よっしゃ選ばれた!』
『だめでした』
『選ばれる確率がかなり低いだろうから仕方ない』
精霊様が言うには、数千のお菓子から選ばれてるらしいからね。選ばれてるというか、ほとんどランダムらしいけど。だから確率はかなり低いと思う。
んー……。食べたことのあるお菓子は味が分かるから後回しにして、初めて見るお菓子から食べたい。例えばこの……。
「バウムブリュレ」
『お菓子なのかそれはw いや甘いけどw』
『ていうかリタちゃんさっきバウムクーヘン食べてなかった?』
食べてたけど、これは全然違うものに見えるから。
元は普通のバウムクーヘンみたいだけど、何かをたっぷりかけてるように見える。固まっているのか固いけど、最初はとろみとかあったのかな?
「これ、上にかかってるものはなに?」
『キャラメルだぞ。焦がしキャラメル』
『とろっとしたキャラメルをかけてバーナーとかで焦がすんだ』
おー……。聞いただけで美味しそう。それじゃあ、魔法で食べやすい大きさにカットしてから……。ぱくりと。
「おー……。表面はカリッとしてるね。でも表面だけで、その中はちょっとねっとりしてる。バウムクーヘンはいつもみたいにしっとりかな」
もぐもぐ……。キャラメルでかなり甘くなってるのかなと思ったら、焦がしてるだけあってちょっとほろ苦い味もある。でもバウムクーヘンの味を邪魔するものじゃなくて、お互いに引き立ててるね。三つの食感が合わさって、すごく美味しい。カリッとして、とろっとして、しっとり。
「美味しい。これはすごくいいもの」
『見てるだけでも美味しそう』
『バウムブリュレは見た目からして美味しそうだから』
『ちょっとデパ地下行ってくるわ』
『ちょっと高いのが困ったところ』
そうなんだ。ちょっと高いらしい。そんなものを送ってくれた人には感謝、だね。
「朝から何食べてんだよ……」
「あ、師匠」
お庭でもぐもぐ食べていたら師匠がお家から出てきた。何故かちょっと呆れてるような視線を感じる。気のせいだと思う。
「リタ。朝からお菓子っていうのは……」
「なに?」
「いや、まあ、いいけど……」
『おいシッショw』
『そこで負けるなシッショ!』
『朝からお菓子だぞ! 注意しろよ!』
「いや、なんか悪い予感がしたから……」
不思議なことを言うと思う。もしかして、師匠も食べたいのかな?
「はい、師匠。バウムブリュレだって」
「…………。もらうよ……」
ん。やっぱり美味しそうなものは食べてみたいよね。次からはちゃんと師匠も誘おう。
それじゃあ、食べ終えたら獣人国に行こう。楽しみ。
壁|w・)もぐもぐ!





