表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
502/502

シンプルな温泉


 おじいさんにおすすめの場所を聞いて、少し歩いてたどり着いたのはちょっと小さな建物。駅から南東あたりにある温泉で、とっても安く手軽に温泉を楽しめるらしい。だから人も少し多いのだとか。


『ここ駐車場がないからちょっと不便なんだよな』

『安いんだから文句言うなってやつですよ』

『さあさあリタちゃん! このまま入ろうぜ!』


「光球は空に向けておくから」


『えー!?』

『やはりだめでしたか』

『当然なんだよなあ』


 カメラ代わりの光球は、空に向けて青空を映しておく。いい天気だよね。雲はちょっとあるけど、雨の心配はなさそう。

 ここは入浴券を券売機で買わないといけないみたい。券売機は入り口の横に設置されていて、近くには休憩できる椅子もある。とりあえず買おう。んと……。三百円だね。安い、と思う。

 子供はもっと安く入れるけど、私は子供じゃないからね。子供じゃないから。

 入浴券を買って、建物の中へ。入ってすぐに受付があって、右側に女湯、左側に男湯への入り口があった。とりあえず入浴券を渡して中に入る。


「そういえば注意書きがあったよ。お湯が熱くなってる場合があるんだって」


『ばかな、声は聞こえてるだと!?』

『リタちゃん生活音も拾ってくれていいんだよ?』

『例えばお湯の流す音とか!』

『おいばか』


「私は別にいいけど……。真美に怒られる気がする」


『ですよねー』

『その直感は正しいと思います』


 とりあえず私の声だけは拾うようにしておく。さすがに何もなしだとつまらないと思うから。

 さっと服を脱いで、いざ温泉へ。周りの人が目をまん丸にしてるけど、私は気にしない。

 中は……洗い場はない。軽く流して温泉に入ればいいらしい。浴槽は二つあって、少しだけ水温が低くなってる、らしい。

 お湯は白く濁ってる。白濁湯だね。普通のお風呂だとあまり見ない。


「白いお湯だよ。気持ち良さそう」


『先生、見たいです』

『見せてください』


「だめです」


 一般の人もいるからね。おとなしく青空でも眺めておいてほしい。

 それじゃあ、まずは低い水温の方から。足先からゆっくりと入って、とぷんとつかる。


「おー……。きもちいい……」


『リタちゃんのとろける声が聞こえる!』

『ふんやりリタちゃん(妄想)』

『想像するだけなら問題ないはずだ!』


 それは別に好きにすればいいと思うよ。

 温度は、ちょうどいいぐらいだと思う。ぬくぬくだ。冬だったらゆっくり暖まるのにちょうどいいと思う。でも確か、時間に制限があった気がする。私はそんなに長く入らないから気にしてなかったけど。

 のんびりと堪能して、次は熱いお湯の方へ。ゆっくり入ってみる。


「おー……。こっちは確かにちょっと熱いかも。私は平気だけど、みんなは気をつけないといけないと思う。長湯でのぼせるかもしれないから」


『注意助かる』

『結構熱めのお湯だったよね。夏とか気をつけないと』


 そうだね。ちゃんと自分で考えて入らないと……。


「あ」


 そんな声が聞こえて、私はその声の方に視線を向けた。


「あ」


 そこにいたのは、駅で足湯を一緒にしたお姉さん。あのまま帰るんじゃなかったんだね。


「足湯のお姉さん」

「お、覚えられ方が独特すぎる……!」


『足湯のお姉さん!? いるのかそこに!』

『リタちゃん危険だ! そいつは生粋の変態だぞ!』

『すぱっとしなさい! すぱって!』


「だからやらないってば」


 何度も言うけど、悪いことはされてないのに殺すなんてことはしないよ。人殺しが好きというわけでもないし。


「お姉さんも来てたんだね」

「う、うん……。ここは安く入れて便利だから……」

「そうなんだ」

「気持ちいいでしょ?」

「ん」

「よかった」


 そう言って、お姉さんが薄く笑った。なんだろう、少し前会った時とちょっと雰囲気が違うような……。


「私もここがお気に入りでねー……。ふふ……」

「…………。もしかして、のぼせてる?」

「リタちゃんとのお風呂だもの我慢する!」

「我慢しなくていいからね。ほら、上がるよ」


 私ももう満足してるから、お姉さんを連れて脱衣所に戻ろう。このまま見捨てると心配だから。

 そうして脱衣所に向かって着替えてもらう。熱いお湯の部屋じゃないから、ここは結構涼しい。そしてお姉さんは我に返ったのか、ちょっと落ち込んでいた。


「ごめんね……せっかくのお風呂を邪魔して……」

「別にいいよ。満足してるから」

「ありがとう……」

「いえいえ」


 最後にまた写真を撮影。今度はその場に居合わせた他の人とも。番頭さんも中から出てきて、一緒に写真を撮った。

 そうして終わってから、光球を戻す。もう私も服を着てるから安心だ。


『リタちゃんの生着替えが見れなくて残念です』

『俺は! とても悔しい!』


「はいはい」


 何がいいのか、私には分からないけどね。

 いろいろ食べて、温泉も入って、満足。あとはそろそろ帰るだけ、だけど……。


「もう一箇所だけ、行きたいところがある」


『お、なになに?』

『せっかくなんだから見たいものは全部見よう!』


「ん」


 それじゃあ……。色が変わる湖、というものを見に行こうかな。


壁|w・)温泉って……いいよね……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
なんなら精霊様か師匠に、変態的なコメントする人は配信の視聴もアーカイブの閲覧も不可の処置をしてもらった方が良いのでは?
魔女の瞳にご案内されるのか
最近、温泉行ってないなー。 もっぱら、スーパー銭湯ばっかりやw(いや岩盤浴目当てにねー)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ