表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
472/484

ウォーターライド


 次に来てみたのは、川みたいになっているところ。お船に乗って坂を滑って、その後はちょっとだけ景色を楽しむ、みたいなものになってる。

 シューティングライドに近かったから、とりあえずここに来てみたけど……。これは、なんだろう?


『ウォーターライドってやつですな』

『最初は急流滑りになってんのか。楽しそう』


 プール……ではないよね? でもすごく濡れそう。


「リタ。プールってなに?」

「んー……。水で遊ぶ場所。泳いだりできるんだよ」

「楽しそう……」

「今日は無理だけど、また誘う」

「うん」


 心桜島のあのプール、アルティと一緒に行ってもきっと楽しいと思う。一緒にスライダーとか行きたいね。その時はまた師匠に一緒に来てもらおう。

 けれど今はウォーターライドだ。早速行ってみよう。

 また列に並んで、すぐに私たちの順番。小さいお家に川が繋がっていて、小さいお船が並んでる。六人ぐらい乗れるお船だね。二人席が三列、みたいになってる。


「ほら、一番前に乗れ」

「ん」

「あ、あの、あの……。こ、怖くないですよね?」

「大丈夫大丈夫。多分」

「多分!?」


 あわあわしてるアルティを先に乗せて、私はその隣へ。師匠も後ろ側に座った。他の席も別の人たちが座っていく。

 そうして全ての席が埋まってから、係の人が簡単に説明してくれた。

 これはシューティングライドと違って、前の手すりを掴んでおくだけでいいみたい。ただ、すごく濡れるらしいから、スマホとかの機械類を持っている人は預けてください、だって。

 私はスマホを持ってるけど、アイテムボックスに入れてあるから問題ない。師匠も同じくだし、アルティはそもそも持ってない。


「最初にレインコートとか聞かれたのは濡れるからなんだね」

「船に乗ってるのに濡れるの?」

「そうみたい。アルティは大丈夫?」

「だ、だいじょうぶ……」


 なんだかちょっぴり緊張してるみたい。ちょっと撫でてあげたら、薄く微笑んでいた。うんうん。私が隣にいるから大丈夫だよ。


『リタちゃんがお姉ちゃんしてる……』

『リタお姉ちゃん!』

『姉にも妹にもなる魔女!』


 もはや意味が分からないよそれ。

 少し待つと、お船が動き始めた。ゆっくりと進んで、がこん、という音の後に坂を上っていく。


「リタ! リタ! 船が! 上ってる!」

「ん。すごい」


 お船を持ち上げる何かの機械があるんだろうね。がごがこ音がしてるし。

 そうして頂上まで来て、少し進んで……。


「おー!」

「わああああ!」


 一気に川を下っていった。

 なんだろう。すごい。ぶわってきた。押しつけられるような不思議な感覚だ。初めての感覚で、とっても不思議。すごい。

 でもそれはあっという間に終わって、のんびりとした川に入ってしまった。ちょっと残念。

 あとはやっぱり川だったから、たくさんの水がお船にかかってしまった。みんなずぶ濡れ、だね。私と師匠は濡れてないけど。


「師匠。師匠」

「どうした?」

「ぶわっときた。ぐわってきた。すごい」

「あー……。まあ、スピードがあるってそういうものだしなあ」


『あれ? リタちゃん空を飛んでる時ってかなりのスピードだよね?』

『確か結界を張ってるはず』

『飛行機以上のスピードが出てるのに無防備で飛べるわけないからな!』


 言われてみれば、結界を張っていない状態で飛行する時に似てる気がする。スピードがあるとそうなるらしい。これはいいことを聞いてしまった。自分でもできるってことだね。


「り、リタは楽しそうだね……」

「ん。アルティはだめだった?」

「ちょっと怖かった……」


『アルティちゃんかわよ』

『リタちゃんからは得られぬ怖がり成分』

『なんだその成分w』


 怖がりってほどでもないと思うけどね。

 勢いよく滑り降りた後は、ちょっとした森みたいになってるエリア。のんびり進んでいたら、ワニみたいなのが川底からぬっと出てきた。もちろん作り物だけど。


「り、リタ! リタ! 何か出てきた!」

「出てきた」

「リタ! 変な鳴き声する!」

「する」


『大興奮のアルティちゃんと超冷静なリタちゃん』

『本当に双子かこの子らw』


 育ち方は全然違うと思うからね。

 そんな森のエリアを抜けたら、最初の小さいお家に戻ってきた。お船の列の最後尾に並んで、そこから船を出る。


「お疲れ様でした! タオルをご利用の方はいらっしゃいますか?」


 そんな係の人の声。びしょ濡れの人が多いからね。でもタオルとか面倒だと思うし……。魔法で乾かしてあげよう。さっと、ね。


「わ……!? 服が乾いた!?」

「すごい……!」


 一緒に乗っていた人が驚いてる。ちょっとだけ楽しい。


「ねえ、リタ」

「ん?」

「どうしてリタは濡れてないの……?」

「結界あるから」

「ずるいよ!?」


 ずるくない。簡単な魔法だから、アルティも覚えればいいと思う。

 なんだか不満そうなアルティと忍び笑いをしてる師匠と一緒に、ウォーターライドを後にした。


壁|w・)簡単な魔法(魔女基準)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
スプラッs、、、
>「リタ。プールってなに?」 >「んー……。水で遊ぶ場所。泳いだりできるんだよ」 >「楽しそう……」 >「今日は無理だけど、また誘う」 >「うん」 アルティちゃんまたこっちに来てくれるの?!…
リタ達にバーンジーは無理かな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ