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特別編・ヘルスケア


 まずはどこに行こうかな。とりあえずアイテムボックスから地図を取り出して……。いっぱい建物があるみたいだけど、どこに行けばいいのかいまいち分からない。んー……。


「どこがおすすめ?」


『海外に行かないリタちゃんのために海外パビリオンを紹介したいところだけど……』

『国内企業も捨てがたい』

『まだ開催間もない今なら、わりとどこでも入れそう』

『絶対夏になったらやばいことになるだろうからな!』


 そういうものなの? よく分からないけど、私はどこでもいいよ。

 でも考えすぎてどこにも行けなくなったら意味がないし、まずは目の入った建物にしよう。というわけで。


「あそこ。へるすけあ?」


『ヘルスケアパビリオン!』

『二十五年後の自分が見れるよ!』


「おー」


 二十五年後の自分。それはとても楽しみかもしれない。二十五年後……んー……。


「たった二十五年で何が変わるの……?」


『お、おう』

『さすがエルフ、時間の感覚がおかしい』

『まあ亜空間で百年以上研究に没頭したことがある子だし……』


 でもちょっと楽しそうだよね。行ってみよう。

 少し歩いて、ヘルスケアパビリオンという建物の前へ。


「屋根から水が流れてる」


『ほんまや』

『なかなか綺麗なのでは?』


「ん……。綺麗だね」


 さすがに飲んだりはできないだろうけど、見ていてちょっと楽しい建物だ。

 入り口は、なんだか二つに分かれてるみたい。私はなんとか体験ルートだ。そこから入って……。なんだか説明してくれてる人がいる。スマホで何かするみたい。


「まずはアプリを入れてくださーい」

「あぷり」

「そうです、こちらのQRコード……」


 私を見て固まってしまった。いつものことだから、とりあえず分かる範囲でやろう。まずは読み取るんだよね。読み取る。なるほど。


「どうやって?」


『知ってたw』

『あかんこの子順調に機械音痴の道を歩んでる!』


 失礼な。機械を触るのは大丈夫だよ。スマホが複雑すぎるだけだと思う。

 我に返った説明をしてくれてる人が、丁寧に教えてくれた。カメラモードで読み取って……アプリを、だ、だうんろーど? して……。会員登録……会員? えっと、そういうのを、して……。


「できた……!」

「おめでとうございます!」


『アプリを入れただけでお祝いされる魔女』

『スマホよわよわ魔女』


 うるさいから黙ってほしい。

 その後は、何かこう、変な細長い紙を手首に巻いて、変な機械の前に立って……。質問の答えとかクイズをやっていく。これを元にして未来の自分を作るみたいだね。

 それが終わってから、エレベーター。なんだか映像が流れていく。未来はこうなってる、みたいな感じだ。


「二十五年後は車が空を飛ぶんだね」


『本当に飛ぶのか……?』

『二十一世紀になったら車が飛んでいると思っていました』

『未来に行ったり過去に行ったりする映画ではもう十年前に車は飛んでいたはずなんだけど』


 その映画、ちょっと気になる。調べてみようかな。

 映像を見終わったら、次のエリア。大きなモニターの前に立つと、未来の自分がゆっくりと作られていって……。おお、これが二十五年後の私。


「大きい」


『成長している……!』

『美少女や!』

『これが、未来のリタちゃん!?』

『エルフに対応してないとか欠陥品やな』


 私でもめちゃくちゃ言ってるのは分かるよ。

 でも、人間だったらこうなってるってことだね。まあ人間だったら地球に来れてないだろうけど……。でも、うん。これはちょっとおもしろかった。

 あとは、なんだかいろいろ細かい説明があった。未来のなりたい自分に合わせたごはんとか、そういうのを知ることができるみたい。

 いろんな説明とかを読みながら歩いていく。なんだかたくさんの研究をしていて、ちょっとおもしろい。魔法にいろいろいかせそう。

 そうして、あるものを見つけた。


「空を飛ぶ体験、だって。ゴーグルで映像を見て、とかみたい」


『空を飛ぶ体験……?』

『実際に飛ぶ子が何をするの?』


「実際に空を飛ぶリタちゃんがやるんですか?」


『おい受付さんw』


 何故か不思議そうな顔をされたけど、とりあえずやらせてもらうことになった。変なゴーグルと服を着て、こんとろーらー? みたいなのを手で持って……。

 手を動かしたりしたら、映像内で飛べるみたい。あとは物をつかんだり、だね。なかなか難しかったけど、結構楽しかった。

 その後も、いろんな企業が研究していることをたくさん教えてもらえた。いろんな体験もできて、楽しい。十歳若返るお風呂の体験だって。手を入れるだけみたいだけど。


『リタちゃんが十歳若返ったらどうなるんだ』

『何も変わらないだろw』

『すでに手が綺麗でぷにぷになのに、何か変わるのか……?』


 んー……。変わったような、変わらないような?

 そうして最後は、未来の人たちが遊んでいる映像。未来の私もいたよ。大きいけど。


『リタちゃんが踊ってる……!』

『大きいリタちゃんなんていやだ!』

『まあリタちゃんではないわな』


 ちょっと失礼じゃないかな。守護者である限り成長はしないだろうけど。

 あと気になったのは、人間洗濯機。カプセルに入ったら綺麗になるみたい。いつかお風呂はあんな感じになるのかな。

 でも私はお湯に入るお風呂が気に入ってるから、多分いらないと思う。お風呂がないなら魔法でいいわけだし。でもちょっと楽しそうだよね。

 ぐるっと見て回って、外に出た。んー……。楽しい、というよりはお勉強みたいな感じだ。でも、うん。楽しめて、学べる。すごく良かったと思う。


「満足」


『それは良かった』

『で、次はどこに?』


 また歩きながら考えようかな。


壁|w・)成長したリタはどんな姿だろう……。




新作、投稿しました。


『捨てられ少女の壁作り ~聖女に捨てられ魔物があふれた国で、もふもふと一緒に結界を作ります~』


聖女がいなくなって魔物にのみこまれつつある国で、新しい壁(結界)を作りながら旅をする女の子。……を、甘やかすお話、です。

私の作者ページから行けるはずなので、よければこちらも是非是非。


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― 新着の感想 ―
成長しないとかで思い出したけど、そういえば、守護者の継承って何か儀式とかあったっけ?
まぁ仕方ないよなぁ。魔法というスマホより万能便利な代物が自由に使えるなら、スマホの細かい操作なんて面倒だろうし。俺らだってスマホに慣れきった現状でいきなり「ポケベルにメッセージ送れ」とか「スタンプや絵…
成長したリタちゃん、某ロ島のDドリットを銀髪紅瞳にした感じ?を想像した_(:3 」∠)_板は板のままな!(パクリ)
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