特別編・万博へ行こう!
壁|w・)特別編、万博。時系列は気にしてはいけない。
「おー……!」
私は今、真美に勧められた大きなイベントに来ていた。
『まさかリタちゃんがここに来るなんて……』
『大丈夫? 人がいっぱいだよ? 外国人さんもいるよ?』
『でえじょうぶだ、リタちゃんは俺らが育てた!』
「育てられた覚えはない」
大きな入り口にたくさんの人が並んでる。今まで見たこともないほどの人数だ。東京駅とか大阪駅の時より人が多いかも。あの時はみんな移動していたからだとは思うけど。
万博、というイベントらしい。いろんな学びが得られるのだとか。真美に予約してもらって、こうして来てみた。とても楽しみ。
「魔法にも使えるものがあるかな」
『まって』
『真美先生! なんかリタちゃんが物騒なこと言ってます!』
『リタちゃん! めっ!』
「解せぬ」
『草』
おかしい。ここで得た知見で魔法を作ろうと思っただけなのに。自分の世界でやるけども。
ちなみに周りの人がちらちらこっちを見てるけど、いつものこと。気にしないし気にしないでほしい。
そんなことを考えていたら、列が進み始めた。少しずつ歩いて、ゲートへ。手荷物検査があるらしい。缶ジュースとかだめらしいよ。目の前のおじさんがビールを一気飲みしてるけど、大丈夫かな。
『酔ったら意味ないだろうにな』
『リタちゃんはあんな大人になったらだめだよ?』
『大人……大人とはいったい……?』
そうして、私の番。大丈夫、私に荷物はない。杖ぐらいはあるけど、これぐらいはいいよね?
「そ、その……。杖、ですか……」
「杖。危険物じゃないよ」
「…………。存在そのものが危険物では……」
「え」
『ちょwww』
『思っても言うなwww』
『否定できないけど! むしろ全力で同意するけど!』
同意しないでほしい。私は悪いことはしていない。ほら、杖をアイテムボックスに入れた。手ぶらだよ。大丈夫。
「なんでも持ち込みできるのでは?」
「う……」
『あかん、この人手強いぞ!』
『ある意味ちゃんと仕事してるw』
『入場時からこんなおもしろいことある?w』
ど、どうしよう。このままじゃ入れないかもしれない。えっと、えっと……。
「いえ、まあ、はい。大丈夫でしょう。持ち込み禁止品にアイテムボックスはありませんし……」
『アイテムボックスの持ち込み許可が出たぞー!』
『字面がめちゃくちゃすぎるんだがw』
『まあ通れたら良しということで!』
そういうことにしておこう。というわけで、進んでいこう。杖も取り出さない方が良さそうだから、今日だけはアイテムボックスに入れっぱなしにしておこうかな。
次に、入場。スマホで登録したこのバーコードをかざして……。これで大丈夫みたい。
そうして、会場内に入った。
「おー。ひろい。人がいっぱい」
『これが、万博!』
『遠方すぎて行けないんだよなあ。うらやましい』
『くっそ入場ゲート逆だからリタちゃんを見に行けない!』
見に来なくていいと思うよ。
なんだかとっても広い広場だ。その広場の奥に、今回の万博の目玉がある。木で作られた円形の建物。建物の上は人が歩けるようになっていて、ぐるっと回れるのだとか。すごい。
てくてく歩いて近づいてみると、切りそろえられた木を複雑に組み合わせて作ってるみたいだった。テレビでも何度か見てはあったけど……。実際に見ると、全然違う。迫力がある。
「かっこいい」
『かっこいいのか……』
『リタちゃんわりと独特な感性してるから……』
『なんでや! かっこいいやろ!』
かっこいいと思う。すごいよね。テレビで見た時は特に何も思わなかったけど……。実際に見ると、本当にすごいよこれ。一度は見てみるべきだと思う。
あとは、マスコットの置物と写真を撮れるスペースもあった。私も後で撮ってもらおうかな。
でも、今はとりあえず。
「当日予約」
『ついにきたか……!』
『二ヶ月前予約と七日前予約、三日前予約はどうしたんだろう?』
『真美ちゃんがしれっとやってたらしいぞ』
『あの子すげえwww』
せっかくだからと外国の国を予約したって言ってた。楽しみ、だね。
あぷり、というものを使って……。まいちけっとろぐいん? そう、これだ。そうしてろぐいん……。わ、わんたいむぱすわーど? なにそれ? わ、わんたいむ? わんたいむ……。
『リタちゃんがスマホを持ったまま固まってる……』
『どこで悩んでるんですかね』
「わんたいむぱすわーど」
『なんで片言なの? メールを開くのじゃ!』
めーる。確か、これだ。開くとメールが届いていて、数字の羅列があった。なるほどこれが、わんたいむぱすわーど。それを入力すると、ログインすることができた。これで良し。
次に、チケットを選択して……。当日予約。これだ。
「んー……。どこがおすすめ?」
『フィーリングで決めるのじゃ!』
『ぶっちゃけマジで人によるから……』
『外国もいいけど国内企業も楽しいよ!』
んー……。じゃあ、うん。適当に、これで。
それじゃあ、のんびり万博を巡っていこう。
壁|w・)あくまで特別編で、本編に関わりはありません。
本編は近未来という設定なので、万博はすでに過去のものです。
あと、わりと紹介が適当かもしれませんが、そこはゆるしてゆるして……。
次回投稿は9月3日です。





