水着選び
心桜島の東側にレジャー施設があるらしいけど、それと一緒にあるのがデパートが入ったビル。とっても高い建物で、真美が住んでるマンションよりも大きい。
下五階が店舗になっていて、たくさんのものが売っている、らしい。面積も広い。六階から上は会社のオフィス? そういうのが入ってる、らしい。
なんとなく、五階建ての建物に大きなビルが建ってる感じ、かな?
そんなビルの屋上部分に転移した。屋上としっても、デパート部分の屋上、というかテラスだけど。誰でも入れる場所で、木やベンチがいっぱい。ゆっくり休める場所、らしい。
「ちなみに五階は映画館だよ。機会があれば行こうね」
「ん」
『そういえばリタちゃん、映画は見たことないのか』
『でも有名なアニメ映画なら見てるっぽくないか?』
『多分真美ちゃんの家で見てるだけじゃないかな』
そうだね。真美のお家で見てる。映画館がどういうものかは聞いたことがあるけど、中がどんな様子かは知らなかったりする。ちょっと見てみたいかも。
「見るとしたらどんな映画がいい?」
「なんでもいい」
「じゃあその時に決めるってことで」
「ん」
いつになるかは分からないけど、楽しみだね。
建物に入って、エレベーターで三階へ。三階のお店に水着も売ってる、らしい。
「とりあえずリタちゃん」
「ん?」
「配信の映像、切ろうか」
「わかった」
『そんな!?』
『俺たちもリタちゃんの水着選びに参加したいです!』
「だめです」
『即答w』
映像は流れないように、音だけ拾うようにしておく。これなら問題ない、かな?
お店は……本当に、とても広い。通路も広々としていて、買い物がしやすそう。スーパーもすごかったけど、こっちはもっとすごいかも。
真美に連れられていった場所は、お店の一区画。ここが水着のコーナーだって。
「夏の始まりとかだともっといっぱいあるんだけどね。もう夏休みも終わって、海水浴シーズンは終わりかけてるから……」
『家族連れの旅行客とかはもうほとんどいないだろうしな』
『今だと大学生の旅行とか?』
『でも海外からの旅行客は多そう』
そういうものらしい。私にはよく分からないけど。
「じゃあ、リタちゃん! とりあえず、実際に着てみよう!」
「ん……」
今は、まあ……。言われるままに着ていくだけ、だね」
『真美ちゃんめっちゃ楽しそうw』
『これは長くなるやつ』
私もそんな気がする。
真美に言われるまま何度も着たり脱いだりして……。最終的に水着が決まった。
「はい、というわけでリタちゃんの水着が決定しました!」
『先生! 俺らには普段のリタちゃんしか見えません!』
『先生! どう見てもリタちゃんが若干疲れてます!』
『まあ……二時間近くかかったからね……』
ちょっと、疲れた。たくさん試着した。店員さんまで出てきた。同じものも何度も着た。とても、疲れた。体力的じゃなくて、精神的に。
「購入した水着は、プールで着ます!」
『おー!』
『お預けか……っ!』
『早く行こうぜ!』
何がそんなにいいのか、これが分からない。私は疲れるだけだ。でも、プールには休憩スペースみたいなのがあるってテレビで見た。美味しいお店もあるって。それが楽しみ。
「はいはい。じゃあ、行こっかリタちゃん」
「ん」
というわけで、プールに出発だ。
プールはデパートのわりと近くにあるみたい。というより、この周辺でいろんな施設が集まってるみたいだね。
デパートから大きい道を挟んで反対側には、同じぐらいの高さのビルがある。ここはホテルらしくて、高級ホテルというか、そういう建物なんだとか。
そのホテルの側は砂浜。観光客さんがとっても多い。その砂浜に沿うように、たくさんのお店が並んでる。夜は海を眺めながらバーベキューとかもできるらしいよ。
「キャンプみたい」
「夏と言えばバーベキューだからね」
そんな海からちょっと離れた場所には、またビルがある。ここもホテルで、さっきのホテルよりは安い宿なんだとか。
そんなホテルの側にあるのが、プール。平べったい建物があって、その建物の外にプールがあるらしい。いろいろ食べられるお店もちゃんとあるって。
「ちなみにあの平べったい建物は、温水プールだよ。冬でもプールが楽しめます!」
「ふうん」
「あまり興味がないかな?」
正直に言うと、プールそのものにあまり興味がないから。
「でもやってみたらきっと楽しいよ! ちなみにリタちゃんは泳げる?」
「師匠から教わったことがある。泳げた方が便利だからって」
「わあ。さすが師匠さん! 頼りになります!」
『日本人としては教えておかないとなって』
『森暮らしのリタちゃんに必要かどうかは微妙そうだけど』
『ばっかお前、大きな川があるんだから泳げるにこしたことはないだろ!』
『魔法で飛べるのに? 川に落ちても平気では?』
『こまけえことはいいんだよ!』
私も最初から魔法が使えたわけじゃないから、無駄ではなかったと思う。実際に泳ぐ機会があったのかって聞かれたら、なかったんだけど。
「でもそれなら安心だね。じゃあ、プールだー!」
「おー」
何が楽しいかは分からないけど……。とりあえず、真美と一緒にプールに行くことになった。
壁|w・)水着選び?でした。
以前こちらで投稿していた『銀麗の魔女』というお話をハーメルンとカクヨムにも投稿し始めました。
カクヨムの方はこそこそ賞にも応募しているので、よければ応援お願いします。





