真の最強決定戦?
「心桜島のレジャー施設はいろいろ作られて、ほとんどがもう利用できる状態なんだよね」
「ふむふむ」
「というわけで、まだまだ日本は暑いので! プール! 行こう!」
「おー」
『プール、だと!?』
『つまり……水着!』
『ガタッ』
『ガタッ』
『おまえらwww』
水着。水に入るための服、ということかな? 日本の人は変なことを考えるね。
「水浴びなんて裸ですればいいのに」
「…………。師匠さん?」
『待ってくれ。俺とリタは親子みたいなものだ。だから、その……。気にしたらいけないと思います!』
「は?」
『すんませんでした』
『真美ちゃんが……強い……!』
『異世界含めて最強説が出てきたな……』
『前から出てるから』
『ま、まだだ! 精霊様がいるから!』
ちょっと意味が分からないけど……。水着はちゃんと着ないといけないものらしい。師匠と川で遊んだ時はそんなもの着てなかったから、ちょっと不思議な感覚だ。
私は本当に気にしないけど……。真美からすれば、だめらしい。師匠もちょっと怒られてる。
「でも、師匠からは子供の時から見られてるよ?」
「はあ!? あ、いや、そっか……」
『リタちゃん、赤ちゃんの時からの記憶あるっぽいからね』
『さすがに赤ちゃんの裸はノーカンだと思います』
『いないいないばあを覚えられてた俺の心境を考えろ』
『とっても笑えるけど自分の立場では言われたくないなあw』
確かにあの時の師匠はすごい顔をしてたね。ちょっと不思議だった。話し方を覚えてから、いないいないばあっていうやつ、もうしないのって聞いただけなのに。
「リタちゃんの昔話も気になるけど! いや是非ともがっつり聞きたいけど! 今はそれじゃないの! 水着を! 買おうって話!」
『リタちゃんの水着だー!』
『やっふー!』
『り、リタに水着は早いと思うんだが!』
『おいシッショw』
「水着が早いって……。本気で言ってる……?」
『素で返されるときっついなこれ……すみませんでした……』
『シッショ……』
うん。えと。とりあえず、水着を買いに行く、でいいんだよね?
『待ってください! 私が! 止めます!』
『まさか、精霊様か!?』
『精霊様きた!』
『真の最強がついに決まる!』
真の最強ってなに? 真美は普通に人間で魔法も使えないから、そういうのは無縁だと思う。
「なんですか?」
『水着! とてもいいですよね! でも私だって決める場にいたいんです! なので今はタイミングが悪いと思うのですよ!』
「日本に来れるようになってから言ってくれませんか? あと友だちと一緒に水着を買いに行くなんて普通だと思いますよ。ちょっと過保護すぎませんか?」
『え、あの……はい……ごめんなさい……』
『よっわ』
『戦いにすらなってねえw』
『これがゴンちゃんやフェニちゃんを従える精霊様の姿か?』
『争いはね……同程度のやつとしか起こらないんだよ……』
『つまり真美ちゃんが格上すぎるってことか』
ん……。そろそろ終わり、かな? 私は何でもいいから、早く決めてほしいと思う。ちょっと退屈になってくるよ。
「もぐもぐもぐもぐ」
「え、あ、リタちゃん!?」
『あかん、リタちゃんが退屈すぎてお菓子を食べ始めてる!』
『お菓子を……お菓子かあれ!?』
『お肉の塊やないかい!』
アイテムボックスに入っていたワイバーンのお肉。骨付きで、炙った状態のものを入れてあった。濃厚なお肉の味がとっても美味しい。肉汁たっぷりだ。
「真美も食べる?」
「う……。ひ、一口、だけ……」
「一口でいいの?」
「う、うん……」
『あのね、リタちゃん。一般人は朝ご飯に海鮮丼を食べて、その後さらにお肉はきついんですよ』
『すぐ太っちゃうからね……』
そういうものらしい。太るなんてとても大変だと思う。
でも、一口か……。そんな小さいお肉はさすがにないから……。
「ん。かじって」
「え」
「かじって」
「あ、うん……」
今食べていたものを差し出す。真美はちょっと遠慮していたけど、ちょっとかじってくれた。もぐもぐと食べて、うんと頷いて。
「お、美味しい、かな?」
「なんで顔赤いの?」
「気にしないでほしいかな!」
『リタちゃんはもうちょっといろいろ考えた方がいいと思う』
『ぐぎぎぎぎ』
『シッショか精霊様か知らんけど落ち着けw』
本当に、なんなんだろうね?
ともかく。水着を買いに行くというのは決まったみたいだから。真美と一緒に向かうことになった。
壁|w・)さいつよじぇいけい。
次回更新は8月3日です。





