魔法学園再び
「おま、これ……。サルミアッキか!?」
「おー……。知ってるんだ」
「世界一不味いあめだって有名だよ!」
そういうお菓子、なんだね。私ももう二度と食べないよ。
「これ、送られてきたお菓子か? 買ったわけじゃないよな?」
「ん」
「正直ここまできたら毒物だろ……」
『わかるwww』
『やっぱ魔法の判定ガバすぎない?』
毒じゃない、という一点だけで判断してると思う。とても、とっても不味かったけど、体の調子が悪くなったというわけでもないから。
でも本当に二度と食べたくないから、精霊様にお願いして送れないようにしてもらおう。
「二度と、食べない」
「そ、そうか」
『リタちゃんがそこまで拒絶するってなかなかないのでは?』
『多分初めてだと思う』
『リタちゃんにも嫌いなものってあったんだな』
ここまでなのは初めて、だけどね。
「でも結構余っただろ。どうするんだ? 捨てるとなっても俺は仕方ないと思うけど」
「スランドイルとタイテーニアに押しつける。体を拘束してむりやり口に入れる」
「うわあ……」
『うわあw』
『これはひどいwww』
「ひどいのは送った人だと思う」
『それはそう』
『ごめんって』
もういいけど、ね。むしろあいつらの反応が楽しみだ。
「それよりも、師匠。もう準備はできたの?」
「あー……。まあ、大丈夫だ」
なんだかちょっと歯切れが悪い。やっぱり会いたくないのかな? でも、そろそろ会っておくべきだと思う。特に、ここで勉強をしていたミトさんは気にしていたし。
「ほら、師匠。行こう」
「へーい」
『シッショやる気なさすぎるw』
『もうどっちが保護者か分からねえなw』
嫌なことでもちゃんとやらないと、ね。
師匠と転移した先は、魔法学園がある街、その入り口。しっかりと門から入って、そのまままっすぐ魔法学園へ。みんな元気かな?
魔法学園に入る門には兵士さんの他に学園の先生もいるわけだけど、門にいる先生はすぐに師匠のことに気がついた。師匠を見て、目を丸くして口をあんぐりと開けてる。すっごく驚いてる。おもしろいかも。
「け、けけ、けけけ、けけけけけけ」
「バグったか?」
『おいこらシッショ!』
『なんてこと言うんだ!』
『お前のせいだろお前の!』
「いや、それはそうなんだけど……」
けけけばっかり言ってるね。大丈夫かな?
「賢者殿!?」
あ、動いた。
「ああ。久しぶり。学園長はいるか?」
「もももももも」
「落ち着け」
「あぐっ」
師匠が先生に容赦なく平手打ちしていた。確かにちょっといい加減うっとうしいというのはあったけど、もうちょっと待ってあげてもよかったと思うよ?
「で、学園長は?」
「もちろん、います! ご案内します!」
「よろしく。それじゃあ、リタ。俺は学園長に会ってくるから。お前は好きにしていいと思うぞ」
「ん。じゃあ、好きにする」
「ああ」
というわけで、師匠とは別行動。師匠は学園長に会うために先生と一緒に行ってしまった。私は……どうしよう? とりあえずミトさんに会いに行こうかな?
「私も通っていい?」
一応兵士さんに聞いてみたら、もちろんですと頷いてくれた。それじゃあ、早速行こう。
「まずはミトさんがどこにいるか、だね」
『授業中かな?』
『せっかくだから魔道具オタクとも会おうな!』
『誰だっけ』
『ミレーユさんの妹のエリーゼちゃんやな。魔道具オタクって言ってやるなよw』
エリーゼさんは、きっとミトさんと一緒にいると思う。ミトさんのことを頼んでおいたから……。一緒にいる、よね? ちょっと不安になってきた。
少し歩いて、建物の中へ。今はどこも座学の時間なのか、教室で勉強してるみたい。ミトさんたちは同じ教室にいるかな?
前と同じ教室か分からなかったから、とりあえずミトさんんとミレーユさんの魔力を探知する。んー……。同じ教室にちゃんいる。すぐ側にいてくれてる。
それに……。エリーゼさんと一緒にドラゴンに襲われていたフォリミアさんも一緒だ。三人で仲良くなったのかな? それなら、ちょっと嬉しいかもしれない。
改めて、私は三人がいる教室に向かった。
壁|w・)なお、魔法学園再訪編(?)はすぐに終わります。
今月は31日まであるので、1日お休みをいただいて、次回更新は3日になります。





