お菓子パーティそのに
次のお菓子にいこう。今日はお菓子をいっぱい食べるよ。次に送ってこられたお菓子は、小さい包装のチョコ菓子だ。黒サンダー、という名前で、さくさくとした食感が特徴。
そのお菓子の箱、だね。二十個入りみたい。いっぱいだ。
『箱買い、だと……!?』
『しまったその手があったか!』
『これは、他の小さいお菓子も箱ごと送れば……!』
いや、そんなに無理して用意しなくていいからね。
「アルティ。次はこれ」
「う、うん……。これは?」
「チョコのお菓子。とっても美味しい」
「うん……。もうそれは安心してる」
アルティに包装の破り方を教えてあげると、自分で破ってぱくりと食べた。わあ、と小さな歓声を上げてる。やっぱり黒サンダーは美味しいよね。
単純なチョコのお菓子じゃない。むしろチョコだと言われると首を傾げてしまうかも。クッキーとビスケットをチョコで包んでる、みたいなお菓子だから。
でもクッキーやビスケットの主張が強いわけでもない。本当にほどよい比率でうまく調和してる。そんなお菓子だ。
だから食感も楽しい。ザクザクしてる。美味しくて、楽しい。とってもいいお菓子だね。
まだまだいこう。次に送られてきたのは、ちょこどら。小さい包装にチョコの入ったどらやきが二個入っているお菓子。これもシンプルだけど、美味しいやつだ。
これは小さいサイズが二個入っている、というのがいいと思う。一口サイズだからとっても食べやすい。
「わあ……。不思議な食感……」
「美味しいでしょ?」
「うん……!」
ちゃんと気に入ってもらえてるみたいで、私も嬉しい。
気づけばアルティはわくわくしながらテーブルを見てる。アルティもお菓子の虜になってしまったみたい。気持ちはとても分かる。私も初めて食べた時は衝撃だったから。
「あ、あのね、リタ。他には何か、ある?」
「あるよ。もちろん」
次は何かな? そうしてまた送ってもらったお菓子は、小さなドーナツが四個入ってるお菓子だ。これも食べやすいお菓子だよね。アルティもぱくぱく食べてる。ほんのり甘くて、いいお菓子。
他にもいろいろ食べていって……。十種類ぐらい食べたところで、そろそろ終わりにすることにした。アルティも魔法を使えるだろうからいっぱい食べられると思うけど、それはそれできりがないと思うから。
「次で最後」
『そんな!?』
『今回も……選ばれなかった……!』
『まあ確率そのものがかなり低いだろうし、仕方ないさ』
『それにまだラストチャンスが残ってる!』
『準備はいいかあ!』
元気だね。それじゃあ、送ってもらう最後のお菓子だ。
テーブルの上に出てきたのは、やっぱり小さい袋のお菓子。でも黒サンダーほど小さくもないみたいで、中にいくつか入っているのが持っただけで分かる。
お菓子の名前は、カメレオンのキャンティ。なめると少しずつ色が変わっていく不思議なあめだ。
『まためちゃくちゃ懐かしいものをw』
『学校帰りによく買って食べたなあw』
『懐かしい子供の頃の思い出がよみがえる』
『おっさんホイホイかな?』
視聴者さんは小さい時にたくさん食べたのかな……?
「なめると色が変わるの?」
「うん。その色で運勢を占うみたいなお菓子」
「へえ……」
とりあえず食べよう。包装を破って、二人でなめる。しばらく舌の上で転がして、味を楽しむ。ほんのりコーラ味……らしい。美味しいのは間違いない。
「でもこれ、どうやって色を見るの?」
「んー……。一度出す?」
「え」
ちょっと驚かれたけど、それ以外ないと思う。もしくは、見てもらうとか? お口の中を見てもらうのも抵抗がありそうだけど。
「どっちがいい?」
「え、えっと……。じゃあ、見てもらっていい?」
「ん」
じゃあ、見てみよう。えっと……。多分、赤? そんな感じ。運勢は……中吉、かな? いいのか悪いのか、ちょっと分からない。
私は、紫、だって。運勢は大吉、いい感じ、かな?
お菓子はこれで終了。テーブルの上を片付ける……その前に。私からもだ。
「私からはこれ」
「なにこれ……?」
「信玄餅。美味しいよ?」
信玄餅はたくさん買っておいたから、まだまだみんなで分けることができる。せっかくだからアルティにも食べてほしい。
アルティはテーブルの上に信玄餅を置いて、丁寧に包装をほどいて、そして。
「どうやって食べるの……?」
すごく困ったような表情で言った。
『そりゃそうなりますよねw』
『ぱっと見て信玄餅の食べ方が分かる人は少ないわw』
私も、見ただけだと分からなかったからね。
アルティの前でやってみてあげる。今回は、食べやすいようにもみもみの方で。
包装をほどいて包装紙の上にお餅をひっくり返すと、アルティが目を丸くして固まってしまった。あまり見ない食べ方だから当然かな。
お餅ときなこ、それに黒蜜をたらして、包装紙をまるめてもみもみする。そうして広げると、ほどよくまざった信玄餅になった。
ぱくりと食べる。うん。やっぱり信玄餅は美味しい。
「わあ……。こう、かな……?」
アルティも同じようにしてくれてる。もみもみして、包装を広げてぱくりと食べて。
「わあ……! すごく美味しい!」
うん。気に入ってもらえたみたいで安心だ。
たっぷり美味しいものとお菓子を食べたから、気晴らしにはなった、かな?
「少しは気晴らしになった?」
「うん……。ありがとう、リタ」
「ん。じゃあ……後回しにしちゃったけど、精霊の森に来たことだし、挨拶に行こう」
「え? 挨拶?」
『おや?』
『精霊の森の挨拶と言えば』
『いいのか!? アリシアさんの首をチョンパしようとした人だぞ!?』
『あれは本気じゃなかったから……』
大丈夫だと思う。もしもの時は、また止めればいいから。
壁|w・)お菓子パーティ終了。次は精霊様へ挨拶です。
あと例のごとく、お菓子の正式名称は出さないようにお願いします。





