表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/475

リタの二つ名

「話は決まりましたわね!」


 そこで今まで黙っていたミレーユさんが声を張り上げた。なんだかすごくわくわくしてるように見える。続きを待っていると、ミレーユさんが叫んだ。


「リタさんの二つ名を考えますわよ!」

「そうね。考えましょう」

「え」


『ついにリタちゃんにも二つ名と称号が……!』

『やべえわくわくしてきた!』

『てか二つ名って自称なのかよw』


 私としてもそれがびっくりだよ。てっきり誰かからの評価で呼ばれるようになるとか、そんな感じで思ってたし。


「二つ名って自分で考えるの?」


 そう聞いてみると、ミレーユさんは少しだけ呆れたような顔になった。


「だってリタさん、誰かに評価されるほど活動していないでしょう」

「…………」


『ですよねー!』

『今のところ精霊の森の調査しかしてないからな!』

『しかも報告はミレーユさん任せだったから実質何もしてないw』


 改めて言われると、だめだめだね。ただ、その、自称となるとちょっと恥ずかしい。誰かから呼ばれるようになった、とかはかっこいいって思えるけど、自称って……。


「まずはわたくしから提案ですわ!」

「ど、どうぞ……?」

「殲滅の魔女!」

「まって」


 なんで殲滅とかそんなのが出てくるの!? 殲滅なんて連想されるようなことしてないはずなんだけど……。


「だってリタさん、精霊の森の上空を飛んでいた時、ワイバーンを次々に撃ち落としていたらしいじゃありませんか。精霊様が教えてくれましたわ」

「何やってるの精霊様……」


 話しちゃだめとは言わないけど、話す必要もなかったと思うよ。むしろちょっと暴走してたと今なら思うから、黙っておいてほしかったぐらい。


『バーサーカーリタちゃん』

『はえー。そんなことなってたんやな』

『ぶっちゃけ早すぎてよく見えんかった』


 わりと遠慮無くやってたから、見えなくてよかったと思うよ。


「精霊様は娘を自慢するような感じでしたわ」

「あ、そう、なんだ……。うん……」


『てれてれリタちゃん』

『てれリタかわいい』

『ただしやったことは虐殺である』


 いや、うん。それを言われると微妙な気分になる。でもちょっと嬉しかったりもする。

 その後も色々と候補が出てきた。エルフで長く生きるだろうから悠久とか、私が特定の魔法の研究をしてると言ったら探求とか……。でもどうにも、二人の間でしっくりくるものはなかったみたいで、まだ話してる。

 そろそろ一時間かな。正直、私は面倒になりつつある。


「森に帰りたい……」


 私がそうつぶやくと、ミレーユさんがなるほどと手を叩いた。


「これですわ!」

「次はなに……?」

「隠遁、ですわ!」


 いんとん。隠遁。んー……。


「じゃあもうそれで」


『これは本当にめんどくさくなってるやつw』

『完全にリタちゃん置いてけぼりで話進んでたからなw』

『でもなんで隠遁?』


 あ、それは確かに私も気になる。

 ミレーユさんに聞いてみると、にっこり笑顔で理由を明かされた。


「だってリタさん、普段は森に引きこもっているでしょう?」

「…………」


『ひきこもりwww』

『現地人からも引きこもり判定w』

『草ァ!』


 やめろ。やめて。いや、いや、え、あ、うん……。

 えー……。

 さすがにその理由はちょっとやだな、と思ってしまう。もうちょっと変えよう、と言おうとしたところで、


「隠遁ね。隠遁の魔女。あまり表に出ない魔女としてはなかなかいいのではないかしら」

「我ながら名案ですわ! 決定ですわね!」


 うん。もう、いいや。


『リタちゃんが達観した……w』

『まあしゃーない』

『引きこもりは事実だしな!』


 追い打ちやめてくれないかなあ……。

 とりあえず隠遁の魔女で決定、ということで。これが日頃の行いってやつなのかな。いやこれが理由だと守護者は全員この二つ名になりそうだけど。

 引きこもり。引きこもりかあ……。わりと出かけてるんだけどね。日本には、だけど。


『異世界側から見るとずっと森にいるのと大差ないのでは』

『出かけた先も真美ちゃんの家が多いしな』

『やはり引きこもり……!』


 そろそろ怒るよ?


壁|w・)いろいろ悩みましたが、リタの二つ名は『隠遁いんとん』になりました。

引きこもりだからね、仕方ないね。

日本には行ってると言い張ってますが、それも片手の指で数えられる回数だから……。



面白い、続きが読みたい、と思っていただけたのなら、ブックマーク登録や、下の☆でポイント評価をいただけると嬉しいです。

書く意欲に繋がりますので、是非是非お願いします。

ではでは!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 二つ名かぁ”精霊の森の守護者”だしこれしかないだろう、二つ名は”精霊様が保護者”これなら身元の保証に使えるし迷子になっても送ってもらえるから一石二鳥だな!
[一言] 逆に考えるんだ 引きこもりの魔女じゃなかったと
[良い点] 自分が思いついたのとは違ったけどピッタリな二つ名ですね [一言] 自分が思いついたのは「守護者」でした、そのまんまですねw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ